「在宅でもスーツを着ろ」「Zoomは上司より先に退出するな」 意味不明なビジネスマナーが日本企業を滅ぼす

「在宅でもスーツを着ろ」 「Zoomは上司より先に退出するな」 意味不明なビジネスマナーが日本企業を滅ぼす。

あるあるですね。
典型的日本企業。

昔、バブル崩壊した後、会社をリストラされた部長さんが、他の会社に就職面接に行って、
「あなたは何ができますか?」
と聞かれた時に、

「私は部長ができます!」

って答えたという笑い話がありましたが、昭和はそうだったんですね。

実は、この「在宅でもスーツを着ろ」・・・・ というのは、私の友人の沢渡あまねさんという業務プロセスやオフィスの改善をお仕事にしている方がBUSINESS INSIDERというインターネット記事のインタビューを受けた時のタイトルです。

▼本文はこちらです。
「在宅でもスーツを着ろ」「Zoomは上司より先に退出するな」意味不明なビジネスマナーが日本企業を滅ぼす

その記事の中で沢渡さんはいろいろお話しされていますが、それが実に的を得ていて面白い。

・自分がさみしいから、部下にテレワークをさせない
・リモートワーク中の社員を細かく監視しないと気が済まない
・Zoomを使った会議で「役職者を大きく表示できないのか」「上位者より先にログアウトするのは失礼」という声が出る
・ハンコを傾けて押さないと、役職者が機嫌を損ねる
・自分がすっ飛ばされると「聞いてない」と拗ね、物事の進捗や意思決定の足を引っ張る
・過去の自慢話や武勇伝を語った挙句、部下をけなす

正直言って「おまえは幼稚園児か!」「中学や高校の部活か!」と思ってしまうような、働く大人にとってみれば、あまりに理不尽な上司や謎ルールの話が聞こえてきます。

—— 都市伝説かと思っていましたが、そのような会社もあるんですね…。そういえば、私も友人から「リモートでもスーツ着用が義務」「自宅作業中、ミュートにしてはいけないと言われた」という話を聞きました。

Slackで複数メンションを付ける時は、職位者順にしなければいけない会社もあるみたいですよ(笑)。

(中略)

これまでの日本人の働き方は「統制型」(ピラミッド型)のマネジメントモデルでした。

トップや企画部門が決めたものを、各部門が「上にならえ」のプロセスで、正確に効率よくモノを作っていけば勝てていた。それでモノが売れていた時代でもありました。

—— いわゆる、高度経済成長期の製造業や自動車産業などのイメージですね。

そうですね。「上の言うことが正しい」「この商品を作れば売れる」という経営層の考えのもと、経営層の意思決定を下に伝えるマネジメントモデルでした。

上級管理職から中間管理職、現場の工場長、課長代理、主任、係長……とトップダウンで言われたことを守り、こなすのが大事だった。それで企業はビジネスで勝てたからです。

社員も3年、5年、10年と経験を積み、年功に応じて昇進できました。長時間かけて同じ組織の中で昇進するキャリアモデルが合理的だったわけです。

終身雇用も保障されていた。多少は理不尽な指示や自分の意に沿わない異動や転勤でも、我慢して受け入れれば、60歳まで家族ともども安泰に暮らせましたから。そのあとは年金で悠々自適な生活が保障されていたわけです。

—— いかにも「ザ・昭和の日本の働き方」モデルですね……。

まとめると、従来の日本の働き方は2つにまとめられます。

・これまでの日本では「統制型」(ピラミッド型)の社会制度が機能していた。
・「統制型」(ピラミッド型)に従えば、定年後も幸せに暮らせるモデルだった。

だから「言われたことだけやっていればいい」というような働き方が成り立ってきたわけです。

—— ところが、それでは勝てない時代が訪れた。

トヨタもNTTやソフトバンクなど異業種とコラボする時代です。経営者だけでなく、個々のエンジニア、マーケターが社内外を問わずにつながり、ビジネスに対する理解を得て、投資家を募り、それでスケールしていく時代になりつつあります。

コラボレーションからイノベーションを生んでいくような、生産性の高いビジネスモデルが健全に成り立ち得る世の中に変わってきたわけです。

そうすると、統制型の一辺倒ではなく、部分的にオープン型を取り入れていく。あるいは新たな事業を起こすときには、オープン型で始めていかないと勝てない時代になってきたのだと思います。

(中略)

いまこそ経営者に求められる「ビジョンを示す力」

—— 横並び主義ではなく、多様性を重んじることが必要とされている。

まず経営者は、自社のビジョン・ミッションをしっかり固めること。そして、社内に向けて「どこに向かっていきたいのか」を、明確に発信していく必要があると思います。

自社の問題点や課題感を明確にせず突っ走っても、下は迷走して当然です。

働く人がプロとして互いの違いを認め合い、仕事に活かす。それを組織としてパフォーマンスに結びつける。

そのためにも「自分たちの会社はどこを向いているのか」「どういうお客さんを大切にするのか」「どういう価値を出していきたいのか」といったところを言語化し、社内に浸透させる必要があります。

—— そうしないと、社内外で立場が違う人同士でのコラボレーションも難しい。

働き方にも、社内で多様性を確保する必要があると思います。

特に古くからの製造業で多いのが、「製造現場の人が出社して頑張っているんだから、オフィス部門の人たちも出社しよう!」「テレワーク?何を甘えているんだ。不公平だろ!みんな出社するんだ!」みたいな議論がいまだにはびこっているんですね。

でも、製造業でもマーケティング、製造現場、企画、経理で最適な働き方は違って当然です。多様性を活かしつつ、組織としては同じ方向、一体感を保つ必要がある。

そのためには、やはり会社のビジョンや価値観の共有をしつつ、職種ごとに働き方に差をつけることをトップが認めなければいけない。

ここを乗り越えないと、いつまでたってもトップの言うことしか聞かない人たちしか生まれません。そこから先の進化はない。ここが大きな分岐点かなと思っています。

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この後に、自分が「ヤバい中間管理職」にならないために… というのが続きますが、まあ、あとは皆さんで本文をお読みください。

「在宅でもスーツを着ろ」「Zoomは上司より先に退出するな」意味不明なビジネスマナーが日本企業を滅ぼす

いずれにしても、これだけ世の中が変化しているわけですから、会社も時代に合わせて変化していかなければなりません。
だとしたら働くスタッフも、リーダーも変化しなければなりませんね。
何を変化させるかというと、働くというスタイルそのものを変化させるということです。

それができない人や、やりたくない人、やろうとしない人は、少なくともリーダーでいてはいけないということは明白でしょう。

明確なビジョンを示せるかどうかが経営者に問われている。

私も重々心してコロナの荒波の中を舵を取らなければなりませんから、沢渡さんに笑われないように頑張らなければならないと、この記事を読んで思いを新たにしたのであります。