今日はこちらに引っかかる

毎日暑いですが、なんとなく陽が陰ると熱風ではなくて温風に変わってきたような気がします。

今日も今日とて電車に乗って帰宅。

明日から出張なので冷蔵庫の中は乏しいなあ、と思いつつ、今日はこちらに引っかかりました。

夕日に輝く積乱雲を見ながら、先日できたこのチェーン店です。
お店は活気がありますね。
働く人を集めるのは大変だろうと思いますが、チェーン店はしっかり集めています。
本部の力量ですかね。
できない理由を探しているようでは可能性を掘り起こすことはできないと思います。

可能性と言えば、地域の将来の可能性ですが、私は日本全国すべての地域に将来の可能性があるとは思っていません。
ダメになっていくところは、今後加速度がついてダメになっていくでしょう。

なぜなら、日本は人口が減っていくからです。

つまり、マーケットがシュリンクする。

例えば、よく言われることですが、ある業界で1~5位があるとします。
それぞれしのぎを削っているんですが、みんな一生懸命やっている。

そういう状況の中でマーケットがシュリンクする。
お客様が減るということです。

では、お客様が2割減ったとします。
1億人の人口が8000万人になるということですが、そうなるとどうなるか?

業界シェア1~5位の企業が一律に2割ずつお客様が減る。
そう思われる方がいらっしゃると思いますが、実はそうではありません。
ではどうなるかというと、4位と5位が消えてなくなるのです。

20年ほど前のコンビニ業界を考えてみてください。
いくつありましたか?

今、どうですか?

セブンとローソンともう一つ。
地域によってはファミマだったり、あるいはセコマだったりしますが、4位以下は消えてなくなっているといっても大げさではありません。

そういうものなのです。

それと同じことがこれからの10年20年で私は地方都市に起こると思っていますし、もうすでに起きているのではないでしょうか?

特急列車の停車駅や、新幹線の停車駅ですら、夜の7時になるとシーンとしている。そんなところはいっぱいありますよね。

では、どうするか?

コンビニの戦略は事業規模や店舗拡大による寡占化でしょうが、田舎の町の戦略はそれとは違います。
それは何かというと、私は田舎の町に必要なことは、「できるだけ多くのファンを作ること」だと考えます。

観光であったり、お取り寄せであったり、都会の人たちは田舎の町に対して価格勝負は求めていません。求めているのは自分がその地域の「推し」になれるかということ。応援したくなるような地域かどうかということです。

そうなれれば、都会の人たちは多少高くても買ってくれますし、多少不便でも来てくれます。

田舎の町がやらなければならないことは、できるだけ多くの都会の人たち、あるいはインバウンドの人たちに、自分たちの地域のファンになってもらえるかどうか、ということなのです。

そして、その一番手っ取り早い方法というのが、観光であり情報発信なのです。

今朝のニュースでやってましたが、フランスで1等賞を取った日本酒は岐阜県の酒蔵だそうです。
今時、新潟県の日本酒は世界一だと思っているのは新潟県の人だけなのかもしれません。

つまりどういうことか。
頑張って努力をしているところであれば、いくらでもチャンスがあるということだと私は思います。

北陸新幹線が半年後には福井県の敦賀まで伸びる。
敦賀というのは大阪からの新快速電車の駅ですから、もう関西圏です。
つまり、あと半年後には大阪方面からの新潟県の玄関口が上越地域になるのです。

でも、今現在、街中には新幹線歓迎の垂れ幕一つありません。
あと半年で大阪方面からの玄関口になる地域に、そういう機運は見られないというのが私の見立てです。

日本全国共通の傾向ですが、田舎の人たちは自分たちが東京へ行くことしか考えていませんから。
自分たちの判断基準でしか交通を見ていません。
東京や大阪の人たちが自分たちの地域をどのように見ていて、ほかの田舎の町とどのように比較されているのかという視点がありません。

でも、それは日本全国共通のことですから、できるだけ早く別の視点を持った方が他の地域と差別化できると私は考えています。

上越に来てもう4年になりますが、私もそろそろ、自分の残りの人生の時間をこの町に投資して良いのかどうか、判断する時期に来ている。
おいしい串カツを食べながら、そんなことを考える今宵でございます。

まぁ、名ばかりの地方創生で「やったふり」をしている地域に比べたら、まだ救いようはあると思いますけれどね。
あくまでも何もやっていないという前提ですが。

こんなことを書いていたら急に風が出てきて、雨が降り出しました。
恵みの雨になればよいですけどね。