私はあまりへこたれない。

新型コロナで仕事が無くなったり、布マスクは届かないし、10万円はいつになるのか。

なんだか言ってることとやってることが全然違うので、なんだろなあと思ってる人もたくさんいらっしゃるでしょうね。

家賃が払えないとか、心が折れそうな方々もたくさんいらっしゃると思います。

いきなり大変な時代がやってきましたから。

せめてもの救いは世界人類が同時にこの困難に直面しているということと、1分1秒を争うような状況でもないことでしょうか。

そんな、心が折れそうな人には申し訳ないですが、実は私はあまりへこたれないんです。

60年も生きていればいろいろなことがあるし、だんだん図々しくなってきますから、当然といえば当然でしょうけど、そうじゃなくて、私はあまりイライラしない。
ときどきイライラすることがありますが、どうしてだろうと考えたら気がついたんです。

他人に期待している自分に。

他人に期待すると腹が立つんです。
イライラするんです。
人間というのは期待をすると不幸になる動物なのです。
そして、そういうことが続くとだんだんとへこたれて、そのうち心が折れるんじゃないでしょうか。

相手に期待すると腹が立つということを教えてくれたのはうちのカミさんで、あるときイライラしている自分自身に自問自答してみたんです。
そうしたら、相手に期待していることに気がついた。

人生に時々ある、突然にやってくる気づきの瞬間です。

その瞬間、私はうれしくてカミさんに言ったんです。
「俺さあ、気がついたんだ。お前に期待するからイライラするんだよね。だから今後、お前には何も期待しないことにする。」と。
そうしたら、カミさん、
「あら、やっと気づいたの?」だって。

お前には期待しないと言われたのに、「やっと気づいたの?」というのがうちのカミさんですが、そういえば、結婚以来かなりの時間が経過していますが、うちのカミさんは私に対してイライラしたり、問い詰めたり、そういうことをしたことがないんです。
だから私から言いがかりをつける以外にはほとんど夫婦喧嘩はしたことがない。
ということにも気がついた。

ははあ、この女、さては今まで俺には何も期待していなかったんだ。

そのことに気がついた時には目からうろこでしたね。

「当たり前でしょ。期待するぐらいなら大学生とは一緒にならないわよ。」

確かにそうだ。

つまり、私たち夫婦はお互いに相手には何も期待しないのです。

だいたい、もともと別々の家庭で育った人間同士が一緒になるのですから、最初のLOVE LOVE期間が消え去れば腹が立つことばかりでしょう。うまく行くはずないんです。

だから、相手に期待すると不幸になる。
ということで相手には期待しない。

私がカミさんに期待する唯一のことは、帰ったら家に居てほしいということで、カミさんが私に期待することは、どこで何をしてもいいからちゃんと帰って来ること。

何となく殺伐としているようですが、まあ、そんなもんですよね。

ということで、私は安倍政権にも期待していませんし、世の中にも期待していませんし、誰にも何も期待していませんから、裏切られることもなく、イライラすることもなく、心が折れることもあまりありません。

飛行機会社などに勤めていると、飛行機は時間通りに飛ばないものだと思っていますし、鉄道会社に居れば、何かあれば電車が動かなくなるということも良くわかります。
だから、あまり交通機関にも期待しない。
新幹線にも期待しないし、LCCなんか特に期待しない。
新幹線や飛行機に乗る時には、一晩缶詰めになっても良いように、必ず水と最低限の食料は持って乗ります。
あっ、あと懐中電灯ね。新幹線はトンネルが多いから。

まあ、それはそれで病気かもしれませんが、時間通りに到着するなどとは思っていない。
講演などのお仕事をいただいて遠方へ出かけるときも、1本早い列車や飛行機で行くようにしています。
先方にご迷惑をおかけすることはあってはならないのはもちろんですが、それ以前の問題として、あまり交通機関には期待していませんから、遅れてもイライラしません。
1本早い電車で行って、それでも遅れるとすれば、当然定時の電車では間に合うはずがありませんからあきらめもつきますよね。
つまり、「できる限りの対策は取った。」「仕方ないよね」と思えれば心が折れることもない。

例えば、電車を待っている時に、「座れるかなあ?」等とは考えないことにしています。
「座れるかなあ。」と考えることは期待するということですから、やってきた電車が混んでいて座れなければがっかりすることになります。だから、最初からそんなことを考えない。考えなければ、やってきた電車が混んでいても腹は立たないし、空いていたらうれしいじゃありませんか。

先日発売開始したトキ鉄マスクが、ありがたいことに注文殺到状態です。
追加発注をして入荷待ちの状態です。

うれしいですよね。

当然、商品を作るのですから売れるものを作りますし、売ろうと思って戦略を立てるんですが、あまり高望みはしないことにしています。なぜなら、買ってもらえなければ悲しいじゃないですか。在庫も抱えるし、キャッシュも回らなくなるし。
だから、できるだけ小ロットでできるような商品を作って、少しだけ発注して、少しずつ売ろうと思っていたのです。だから予想以上にたくさん売れるとうれしい。

でも、出荷作業が実はとても大変で、スタッフが休みを返上して出てきて出荷の段取りをして、梱包作業をしているんです。
100個以上の梱包発送って本当に大変なんですよ。
そういう仕事を黙々とやっている。

「頑張ってるなあ。」と素直にうれしいです。
なぜなら、そのスタッフにとって、梱包作業は確かに仕事ではありますが、そのほかにもいろいろ仕事を抱えているわけで、つまり、急に通販のボリュームが増えて、余計な仕事なんです。
だから、大変だなあと思うのですが、作業している姿を見ると活き活きしている。
「大変だねえ。」と声をかけると、
「皆さん待っていますから。早く届けてあげたいと。」と、待っている人たちの笑顔が見えてるんですよね。
「仕事だから。」とか、「社長がこんなもの作ろうって言うもんだから、忙しくてしょうがない。」などというやらされてる感が全く無い。
ただ、黙々と頑張っているんです。

そうしたら、今日になったら全国あちらこちらから、「到着しました!」「早かったですね!」というようなメッセージがたくさん届きました。
これも期待していませんでしたから、素直にうれしい。

今の世の中、自分からどんどん主張して、自分からどんどん訴えていかなければ損することになる。
そういう考えの人もいるかもしれませんが、「損」というのはいったい何なのか。

もしかしたら、自分がイライラしたり、がっかりしたり、あるいは心が折れるようなことが一番「損」なことではないか。
そう考えるようにしています。

「人々のためになることを何かやりましょう。」

そんなことができるほど私は器用ではありませんし、人間ができているわけでもお金がたくさんあるわけでもありません。
でも、相手に期待することをやめることならできると思います。
カミさんに対してすら期待しないのですから、見ず知らずの人に期待しても裏切られるだけですから。
そういうことを続けていると、きっと何か見えてくるものがあると思います。

人の親切だったり、相手に対する思いやりだったり。

こういう時には、そんなことを経験するもの、あとあとの人生にプラスになるのではないでしょうか。
そして、あとあとの人生にプラスになるとすれば、「ピンチをチャンスに変えること」になるのではないか。

せっかくこういう激動の時代に生きているのですから、あとあとの時代がどうなるのか、私は見てみたいと思います。

そして、「あの時は大変だったねえ。」と皆さんと一緒に笑い話にしたいですね。

頑張ってる皆さん、あまり頑張らなくても良いから、そこそこ気楽に行きましょう。

生きていれば、あとで一緒に笑い話ができますからね。

皆さんといつか語り合えるその日を楽しみにしています。

我が家の猫たち。
どうしてるかな。

ある意味、猫は生き方のお手本のようです。
見習わなくちゃね。