台湾国鉄表敬訪問

本日は台湾国鉄本社を表敬訪問いたしました。

えちごトキめき鉄道では台湾国鉄の関山駅と姉妹鉄道締結しております。
いすみ鉄道時代も集集線と姉妹鉄道締結させていただいておりましたが、9月にトキ鉄の社長に就任させていただきましたので、できるだけ早い機会に御挨拶ということで、本日お邪魔させていただきました。
年明けになると旧正月の準備で皆さんお忙しくなりますから、何とか今年中に来たかったのです。

本社の入口には歓迎の表示を出していただきました。
「ときめき」は「心動」というのですね。

幹部の皆様方に御挨拶させていただきました。

何しろ、皆様既に以前からよく知っている方々ばかりですから、「古い友達がやぅて来てくれました。」と歓迎されました。

思い起こせば私が台湾国鉄とお付き合いさせていただいたのは今から15年ほど前の2005年3月に特急列車「自強号」の前面展望映像を撮影させていただいたことからスタートします。

当時は南港に車両基地があって、そこを出た列車が松山駅から高雄へ向かっていました。松山駅もまだ地上駅で、駅前に大きな踏切があったのを記憶しています。
この作品をスタートに、台湾国鉄の全区間を余すところなく撮影し、DVDとして作品化しました。

パシナ倶楽部前面展望DVD台湾国鉄シリーズ
▲ずいぶん撮りましたねえ。(好評発売中ですのでご興味のある方はどうぞ。)

2005年当時、台湾国鉄ではまだ列車を撮影することが厳しく制限されていまして、駅の中でカメラを構えていると駅員さんに注意される状況でしたので、本社の職員の方が全行程同行していただいて撮影したものです。なにしろ、鉄道というのは軍事施設ですから、私たちの先輩方で1970年代から台湾の鉄道を撮影されていらっしゃる方々は警察に捕まってフィルムを没収された方もいらしたという、そういう状況だったのです。

その台湾が中国との緊張が緩和して鉄道を軍事施設と考えなくてもよくなってきたのが2005年頃でしょうか。これから、観光客を増やしたい。日本からも多くの観光客に来ていただきたい。そう考えたのでしょう。それまで撮影が厳しく制限されていた鉄道施設でビデオカメラを回すということを許可してくれたのでした。

鉄道雑誌を長年編集監修されてきている友人のS編集長の言葉を借りれば、「日本での台湾国鉄の人気をここまで高めたのは鳥塚さんのパシナ倶楽部のDVDの功績です。」と言っていただいておりまして大変光栄ではございますが、とにかく電化前、高架化前、あるいは地下化前の線路の様子を余すところなく収録しているのが私の前面展望DVDなのでございます。

ではなぜ、他のメーカーさんは台湾国鉄のDVDを作らないのかというと、その理由は多分あまり売れないから。3000本とか5000本とか売れる商品じゃないと大手の方々が取材費を掛けて作るお仕事じゃないのですが、私の場合はビジネスというよりも趣味の延長で、桁違いに少量生産で行けますから、これだけ台湾に通って作品ラインナップを揃えることができるのでございます。

ということで、旧知の国鉄幹部の皆様方に御挨拶させていただきました。

「社長就任おめでとう。」と言っていただけたのがうれしかったです。

さて、その後、私は平渓線に出かけました。
この路線も15年前に私が撮影を始めたころは1両のディーゼルカーがのんびりと走り、ガラガラの車内では孫を連れたお爺さんが日本の演歌を歌っていたのが印象に残っていますが、今では3両編成のディーゼルカーが満員の乗客を乗せて走る路線に変貌しています。


始発駅の瑞芳駅。なんでもない駅が観光客で賑わう駅になりました。


終点の青桐駅。
降りたお客さんがいなくなるのを待って撮影しました。


ここは昔、石炭の積み出し路線として建設されたところで、後ろに見えるのはホッパー(積み出し設備)の名残です。昔の石炭の積み出し設備の上がイタリアンレストランになっているんです。

今あるものをじょうずに活用する。
こういうことなんですね。

でも、観光路線といったって特別の列車が走っているわけではありません。
こういうロングシートのふつうの車両です。

瑞芳駅に戻ってきた列車から降りる人々。
12月の平日にこれだけのお客様がいらしているのですから。
これがわずか15年前には軍事施設で鉄道趣味などというものは御法度だった台湾鉄道の姿です。

そう考えると、日本でもできないことはないと思いませんか?

「いやあ、近年の台湾の鉄道観光ブームはすごいですねえ。」
私がそういうと、
「何をおっしゃいますか。鳥塚さんがやってきたことを見て、私たちもやっているんですよ。」
と言われてしまいました。

そういえば皆さん私のブログの愛読者でいらして、Facebookでもつながっていますからね。

台湾は2022年を鉄道観光の年としていろいろな企画をしていくようです。
今後が楽しみですね。

台湾国鉄の皆様、本日は御対応くださいましてありがとうございました。

そして台北の夜景。
今から夜市を散歩してビールでも飲みましょうかね。

明日は朝の飛行機で羽田経由で高田へ戻ります。