千葉県大好き!

だいぶ前のことになりますが、小学生だった子供が学校から帰って来るなり
「お父さん、千葉県って、東京がなくても生きていかれるんだよ。」
と言いました。
私が理由を尋ねると
「だって、千葉はね、お米も野菜も魚も肉もとれるし、工場もあって、成田空港もあるし、ディズニーランドだってあるんだから。」
と、得意げに言いました。
「だから、別に東京がなくたって生きていかれるんだよ。」
そう言う息子を見て、学校はなかなか良いことを教えてくれているなあと感じました。
でも、実は、その時の私は子供が最後に言った「ディズニーランドもあるし。」という言葉に少々疑問を持っていました。
ディズニーランドは、子供自身が「あってよかったね。」という類のもので、ご愛嬌だと思っていたんです。
でも、世の中不景気が続き、産業が伸び悩んでいる中で、観光というものが着実に産業であると認められ、お金を生み出すツールであることが、今やだれの目にも明らかな時代になりましたので、そう考えてみると30年以上前に、浦安にそういう遊戯施設を大きなお金をかけて建設しようとした方の偉大さがよくわかりますし、もし、千葉県が建設を許可しなければ、茨城県や埼玉県に行ってしまったかもしれないことを考えると、行政の方々を含め、関係された皆さんが大きな決断をしたということがよくわかります。
さて、「東京がなくても生きていかれる。」という言葉は、独立国家になりうると考えても良いと思うのですが、その時に重要なのが財政的なお金の流れになることは皆様ご理解いただけると思います。
そういうポイントで千葉県を見てみると、「千葉都民」と呼ばれるように、千葉県の人たちは東京の会社へ働きに行ってる方々が多くいらっしゃいます。
つまり、東京で仕事をして、稼いだお金を千葉県に運んできてくれているということになります。
同じように、農業や漁業に従事されていらっしゃる皆様方も、収穫した農産物や魚介類を東京へ「輸出」して、「外貨」を稼いでいらっしゃるということに気づきます。
ローカル線のいすみ鉄道だって、東京など千葉県以外からたくさんのお客様にいらしていただくことで、いすみ鉄道沿線地域を合わせて「外貨」を稼ぐツールになっているわけで、千葉県という「国」を維持していくためには、私は、いすみ鉄道だってなくてはならない存在であると考えています。
そういう千葉県民の皆様方が、月曜から金曜日まで、一生懸命働いて「外貨」を稼いでいただいているのは事実でありますが、では、そういう県民の方々が、ウィークエンドや休日にどうしているかというと、新幹線に乗ったり飛行機に乗ったり、またはマイカーで、いろいろなところに観光に行かれています。
中には成田空港から海外旅行へ出かけられる方もいらっしゃると思いますが、これが私から見たらなんともったいないことで、せっかく稼いだ「外貨」をよその地域に使いに行って失ってしまっているように感じるのです。
だから、私としては北海道も沖縄も、そして海外もいいけれど、3回に1回か4回に1回は、東京を向いている皆さんの目を、回れ右して房総半島に向けていただけないかと考えるのです。
今日、銀行の幹部の方とお話をしていたんですが、いすみ鉄道で「イタリアンランチクルーズ」や、「伊勢海老特急・お刺身列車」をやっているお話をしたところ、大変驚かれていらっしゃいました。
東北でJRが「食堂車」をやっているとか、九州で豪華な列車が走っていることは皆さんご存知ですが、いすみ鉄道で食堂車が走っていることは、東京や横浜の方々はご存じでも、千葉県の人は意外にご存じない。
だから、私は千葉都民と呼ばれる総武線で言ったら市川から千葉までの皆様方に、ぜひ回れ右していただいて、房総半島を観光地としてご覧いただきたいと考えるのです。
「北海道へ行きたい。」とか「沖縄にダイビングに行く。」という目的をお持ちの方はそちらへ行っていただくとして、「今度の休みにどこへ行こうかなあ。」、「どこか手ごろな観光地はないかなあ。」と考えていらっしゃる皆様方は、房総半島をぜひ一度訪ねてみていただけませんでしょうか。
そうすればせっかく稼いだ「外貨」をみすみす流出することもなく、経済がうまく循環するのではないかと思うのです。
千葉県に住んでいる方はどうしても目が東京を向いています。
目だけではなく、体そのものも東京を向いているのですが、そんな時、ふと後ろを振り返って房総半島を見ていただくと、けっこう素晴らしい観光資源が眠っていることに気づかれると思います。
昨日は「県民の日」ということで、各地でいろいろな行事が行われました。
いすみ鉄道でもチーバ君にご乗車いただいて、楽しい列車の旅を皆さんにお楽しみいただきましたが、千葉県ってとっても大きな可能性がある素敵なところなんだなあと、毎日房総半島に通っていて思うのです。
「千葉県って東京がなくても生きていかれるんだよ。」と小学生のころ子供が言った言葉を「なるほどなあ。」と実感した県民の日でした。

いすみ鉄道では夏休みにファミリー向けのイベントをたくさん企画しています。
7月初旬に発表できるよう準備しておりますが、手ごろなお値段で食堂車体験できる企画や、撮り鉄さん向けの特別運転など、盛りだくさんの楽しいローカル線企画です。
千葉都民の皆様、この夏は、1度はいすみ鉄道にいらしてください。
「千葉県ってすごいなあ。」ということがお解りいただけることと思います。
私は千葉県大好き人間なんです。