世にも奇妙な物語

昨晩、風呂から上がってビールを飲もうとしたら、何だか懐かしい音楽が聞こえてきた。
娘が見ていたテレビから聞こえてきていたのは、ザ・タイガースだ。
ザ・タイガースがデビューしたのは今から43年前の昭和42年。
私は小学校1年生だった。
クラスの友達で、お兄さんやお姉さんなど、上の兄弟がいる子たちは、皆情報が早く、「ジュリ-が良い」とか、「私はピー」などと、クラスでは彼らの話題でもちきりだった。
テレビの中は古めかしい商店街のシーンだったが、主人公の女優が、ザ・タイガースの歌を聴きながら、「私は何と言ってもサリーだわ」と言っていた。
当時、メンバーの一人であるサリーは背が高く、ビートルズが歌っていた「Long Tall Sally」から「サリー」とニックネームが付いたというような話を中学生になってから知った記憶があるが、面長というか、どちらかというとウマヅラの彼が、小学生の私にはどうしても好きになれなかった。
そんなことを思い出しながらも、テレビの中では懐かしい昭和の街並みがよく再現されていたので、思わず見入ってしまった。
するとシーンは古本屋に変わり、堀北真希が立ち読みをしている後ろから、古本屋のオヤジ役の岸部一徳が、ヌッと出てきたのである。
私は、その瞬間、唖然としたというか、笑ったというか、ツボを抑えられたような、なんとも新鮮な驚きを感じて、「へー、面白いなあ」と声を上げてしまった。
そう、そこに出てきた古本屋のオヤジ、岸部一徳こそ、当時、ザ・タイガースのメンバーの一人である「サリー」こと、岸部おさみなのである。
中学2年のうちの娘が見ていたくらいだから、おそらくこの番組は若い人たち向け。
ザ・タイガースのデビューは43年前で、グループで活動したのは2~3年だったはずだから、今40代前半の人でも知らない世界のはずなのに、テレビ番組の中で、こういう配役をするとは、ゴールデンタイムの番組の作り込みとしては実に丁寧で、ディレクターに好感を持つと同時に、50代以上のおじさん、おばさんたちに見てもらいたいなあと思ったのである。
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いすみ鉄道は、この冬にJR西日本の大糸線で活躍してきたキハ52型ディーゼルカーを導入し、来春から営業用に走らせる計画でいます。
今回導入するこのキハ52は昭和40年製。
まさに時代はビートルズの影響を受けたグループサウンズが隆盛を極めたころ。
「昭和のシーンなら、ぜひ、いすみ鉄道で撮影を」
そんな演出ができるようになれば、見ているおじさんやおばさん達(いや、おじいさん、おばあさんかな)も、喜んでいただけるようになると思うのです。
ちなみに私は 「トッポ」 の大ファンでした。
何と言っても彼が歌う 「花の首飾り」 は最高です。