今日は何の日?

10月10日というと昭和に育った人たちは「体育の日」と答えられると思います。
今では連休の関係から10月の第二月曜日とされている体育の日ですが、20世紀には10月10日だったのですが、これは皆様よくご存知の東京オリンピックが開催された日にちなんで体育の日とされたわけです。
その体育の日から今日で50年が経過したわけで、50年経てば人類の三分の二が入れ替わっているわけですから、東海道新幹線の開業といい、東京オリンピックの開幕といい、「懐かしいですね」という人たちはもう主流では無くなっているということなのです。
そんな10月10日ですが、もっともっと近い歴史で見た場合に何があったのかと考えてみると、今から5年前の2009年の10月10日には、いすみ鉄道国吉駅のムーミンショップが開店しているんです。
2009年10月10日の社長ブログはこちらをクリックしてください。
2009年6月末に社長に就任した私は、ハイスピードで立て直しを開始し、ムーミンと契約を結んで10月1日にはムーミン列車が走り始めました。
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そしてその10日後に国吉駅にムーミンショップを開設し、観光鉄道に乗りにいらしていただいたお客様にお土産を買っていただくシステムを作りました。
当時、地元に人たちに、「ここにお店を作りたい。」と申し上げたら、「こんな所に店作って誰が買いに来るんだ。」と笑われましたが、「観光客が来ますよ。」と答えると、「こんな所に観光客などくるわけないだろう。」とさらに笑われました。
そんな私を国吉の掛須さんが励ましてくれて、吉田さんが「一緒に頑張りましょう。」と背中を押してくれて、地域の人たちが一緒になって観光客が来てもらえるような仕組みづくりに取り組んでくれるようになりました。
そして、今では国吉は観光地として、たくさんのお客様にいらしていただく場所になったのです。
それの始まりが今から5年前の今日。
ご興味がお有りになる方は5年前のブログを読み返していただくと、その変遷ぶりがお分かり頂けると思います。
私は東京育ちですから、田舎やローカル線に対する憧れがあります。
行って見たいなあ、乗って見たいなあという気持ちですが、そういう都会の人達が憧れる地域は、実はそこに住んでいる人たちは「こんな所ダメだよ。」と思っていることが多くて、自分たちが住む所を「こんな所」と言っているようでは活性化なんてあり得ないんです。
だから私はローカル線を使って地域の素晴らしさをご紹介することで、全国どこでも都会の人達が憧れる土地になることができると考えていますし、ローカル線があれば、意外と簡単なんじゃないかと思って、それを実践して来たのがこの5年間なんですね。
私にとってこの5年間は気が遠くなるような長い時間でしたが、逆に考えると、たった5年でここまでいすみ鉄道が全国区になったわけで、ということはいすみ鉄道の沿線地域も今や全国区ですから、私は沿線住民の人達が、「国が廃止する」と決めたローカル線を「何クソ!」とふんばって守って来たことに対して、いすみ鉄道は少しは恩返しで来たんじゃないかと考えています。
でも、それっていすみ鉄道の力じゃないんですよね。
いすみ鉄道沿線地域が持っている「土地の力」なんです。
私はよそ者の目でその土地の力に気がついて、地域でリーダーシップをとっている皆様方がそれに気づいて、そこから上昇スパイラルが生まれたんです。
だから、日本の田舎はローカル線が走っている地域であれば、意外に容易に活性化できるんじゃないかと私は楽天的に考えているんです。
キハが走り出してからいすみ鉄道に来られるようになった皆様方に、ぜひ2009年の私のブログをお読みいただきたいと考えています。
いすみ鉄道沿線地域はまだまだ発展の可能性があります。
今から5年後が楽しみですね。