一足お先に初夏の陽気。

2年ぐらい前から、いつ開業するのか気をもんでいた桃園MRTが3月2日に開業したと聞いて、さっそく試乗?にやってきました。

桃園空港と台北駅を結ぶMRT(都市高速鉄道)で、今まではバスやタクシーで時間帯によっては渋滞に巻き込まれて大変な思いをしていた桃園空港へのアクセスが、37~8分で行けるようになりました。

 

最新の鉄道ですから、東京メトロで言えば南北線のようにホームの天井まで壁で隔離されているためになかなか列車の撮影ができないのが難点ですね。

 

 

桃園空港から台北駅までの路線図です。

直達車と呼ばれる急行列車が走っているのがわかります。

 

急行列車用の車両には「直達車」と書かれていて、車内も二人掛けシートが基本になっています。

各駅停車用の列車の車内はロングシートですから、運用がしっかりと別れていることがわかります。

運賃は桃園空港から台北駅まで160元。(日本円に換算すると600円程度。タクシーの10分の1です。)

現在は開業記念キャンペーンで半額の80元でした。

 

さて、最新の都市高速鉄道はこれはこれで良いとして、昭和のおじさん的にはもう一つのお目当てがありまして、それが昨年のダイヤ改正で登場した台北駅を走る西部幹線の「復興号」。

「復興号」というのは特急、急行、快速の種別で言ったら「快速」に当たる庶民的な列車ですが、機関車がけん引する客車列車のため、電車への置き換えが進み、近年活躍の場がどんどん狭くなってきています。その客車列車が週に一度、それも日曜日に台北駅を通る大動脈、西部幹線に復活して運転を始めたというのですから、当然ではありますが、昭和のおじさんとしては、気になって仕方がない。これは乗っておかなければ、ということで、日曜日めがけてやってきたのです。

 

機関車がけん引する旧型客車の列車といえば、昭和の時代には上野駅からもたくさん発着していましたが、主として急行列車としてスハ43系などブルーの客車が多かった中で、一日数本、普通列車の客車列車があって、こちらは茶色のオハ35系やスハ32系などの、同じ旧型客車とはいえ、さらにグレードの低い列車があったのですが、この「復興号」はそういう列車で、手動扉の客車列車が12両のフル編成で台北の街の中を走るわけですから、夢中になるわけです。

今の若い人たちにしてみたら、しいて言えば115系電車が15両編成で上野―東京ラインを走ると言えばご理解いただきやすいでしょうかね。

まあ、こういう「物の価値」は、すなわち文化でありますから、わかる人にはわかるけど、わからない人にはなかなかご理解いただけないものでありますが、それでも沿線にはカメラを構えた「鉄人」たちが、結構待ち構えていました。

 

 

電気機関車がけん引する水色の客車が「復興号」。

車両は年季が入っていますが、いい味出てますよ。

 

私は先頭の電気機関車に乗せてもらいましたが、後ろを見るとこんな感じ。

旧型客車堂々の12両編成です。

京浜急行カラーの電車ともすれ違ったりして、なかなか楽しい台湾国鉄の旅でした。

 

さて、この列車に4時間揺られた後は、夕方台北市内で会合がありましたので新幹線でトンボ返りとなりましたが、新幹線の台中駅との接続駅となる新烏日駅に降りると、こんな光景が。

 

構内の壁のシャッターに見覚えのある列車が居るじゃないですか。

 

台湾の人にしてみたら、今や、日本の鉄道といえば「夷隅鉄道」なんですね。

だから表記も「日本夷隅線」。

 

 

うれしかったもので、記念撮影。

素晴らしいことです。

大原とか大多喜とか、書いてありますからね。

これが、モノの価値ということなのではないでしょうか。

 

 

でも、よく見ると、いすみ200になってますが・・・

まあ、細かいことは気にしない。

ふり仮名つきで全駅の名前が書かれてある。

これが素晴らしいと私は思うのであります。

 

台湾人から見たら、東武も京浜急行も西武もいすみ鉄道も同じなんです。

いや、旅の目的地のローカル線と考えたら、やっぱりいすみ鉄道が一番なんですね。

 

こういうことを地域の皆様方にもっと知っていただきたいものです。

拡散してくださいね。

 

20度を超える初夏の陽気で、久しぶりに汗ばんだ一日でした。