トキエア 新潟-仙台線 就航か?

トキエアが4月26日から新潟-仙台線に就航するというニュースが流れています。

本当かなあ?
聞いてないけど。

そう思いながらトキエアのホームページを見るとですね、

こんな風に書かれていました。
会社はまだ何も発表していないのに、情報だけが先走りしているようです。

確かに会社のサイトでは新潟-仙台が就航予定路線になっていますからね。
どこから漏れたのかは知りませんが、情報が先走りするということは、それだけ期待されているということ。皆様方の関心が高いということになりますから、うれしいことだと思います。

以前にトキエアの長谷川社長さんと話した時には、やはり新潟-仙台路線の需要を見込んでいらっしゃって、それもビジネスマンの出張需要が結構あるらしい。

仙台と新潟に需要があるのか?
そう思われる方もいらっしゃると思いますが、仙台市の人口は110万人。新潟市の人口は78万人ですから、これだけの人口規模の区間を結ぶ都市間需要というのはそこそこのボリュームがあるのです。

ちなみに金沢市の人口は45万人、富山市は40万人、福井市は26万人ですから、新潟市が日本海側でどれだけ大きな都市かというのはご理解いただけると思います。

コロナで減便される前は高速バスが夜行便も含めると新潟-仙台間に8往復走っていましたし、大昔は直通する列車も飛行機もあったのです。

そう、大昔は、仙台から仙山線、米坂線を経由して新潟とを結ぶ列車が2往復ありました。

急行「あさひ」。
上越新幹線も東北新幹線もできる前のことですが、指定席を連結したディーゼル急行が約5時間かけて新潟と仙台を結んでいました。
1日に2往復設定されていたということは、仙台からも新潟からも日帰りができたということになりますね。
新幹線はもちろん、高速道路も満足に整備されていない時代は、貴重な列車だったと思います。

都市と都市とを結ぶこういう通過需要があった時代は、地域需要がなくても右から左へ通り過ぎるお客様だけでローカル鉄道の経営がある程度成り立っていたのですが、通過需要がなくなってしまうと、地域需要だけでは当然成り立たなくなりますから、今の米坂線のように、災害を受けると、復旧させるかどうかがまず議論されるという事態になるのです。

だったら通過需要を創出すればよいじゃないか。
私はそう思います。
その通過需要というのは、今の時代は観光需要が一番手っ取り早いわけで、その証拠に、トキめき鉄道の雪月花も地域需要は全くなくて、この地域には何のご用件もないお客様が、長野の方からやってきて雪月花に乗って富山、金沢の方へ抜けていくか、あるいはその逆かですからね。
つまり、そういう需要を作り出さない限り、ローカル鉄道は地域需要だけではジリ貧なのです。

さて、昭和の時代は5時間かけて新潟-仙台を走っていたのですが、当然、そんなのんびりしてはいられないという人もいたわけで、そういう人たちは飛行機を利用していました。

そうです、昭和の時代には新潟-仙台間に飛行機が飛んでいたのです。

ほらね。
D-4をご覧ください。
全日空のボーイング737が40分で結んでいました。
当時の737は120人乗りぐらいだったと記憶していますが、全日空はさらに小さな60人乗り級のYS11も使っていました。でも、そのYS11ではなくて、倍のキャパがある737で飛ばしていたということは、そこそこの数の利用者がいたということになりますね。

今の時代は直通する列車はありませんが、高速バスでやはり4時間半ほどかかっていますから、だとすれば新潟-仙台を40分ぐらいで結ぶ飛行機路線は、それなりの需要があるというのが長谷川社長さんのお考えで、私も全く同感です。

仙台も新潟も、空港は町から近いところにありますからね。

そして何より、今、新潟-仙台って検索すると当然大宮乗り継ぎの新幹線が出てくるのですが、なんだかんだで3時間以上かかりますし、何より、自分たちの都合で遠回りをさせておいて、切符代だけは距離に応じていただきますよというのが鉄道会社の商売ですから、高速バスが片道約5000円なのに対して新幹線は2万円もするのです。

だとしたら、1万円を切るぐらいの価格で新潟-仙台を1時間弱で結ぶことができれば、1機70席程度の機体であれば、そこそこ埋まるのではないかと私は思います。

昭和の時代に比べると、今の時代は皆さん飛行機を日常的に使うようになってますからね。

ということを「トキエア仙台便就航か?」というニュースを聞いて考えたのでありますが、昭和の全日空の時刻を見ていて気が付いたのです。
何に気が付いたのかと言うと、新潟を10:25に出て仙台を往復するオペレーションになっていますが、この飛行機はいったいどこから新潟に来たのだろうかと。

でもって、いろいろ見ていたら、この便が見つかりました。

H-9にある名古屋を8:50に出る311便です。
この便はB737で新潟に9:50着。
35分の滞在で10:25に仙台へ向けて出発。
40分の飛行時間で仙台に到着すると、また35分の滞在で新潟に戻ってきて12:20着。
さらに35分の滞在で12:55に名古屋へ向けて出発して14:05に名古屋に戻るという運航パターンだということがわかります。

飛行機の折り返しのための時間はTurnaroundと言って、機種ごとにあるいは区間ごとに設定されています。
この時間で乗せてきた乗客を降ろし、機内清掃をして、給油をして、乗客を乗せて、ドアを閉めて出ていくのですが、B737は小さい飛行機ですから、35分だったのでしょう。
これはなかなか忙しいですよね。
クルーの皆さんは8:50に名古屋を出て、名古屋-新潟-仙台-名古屋と4フライトしていたのでしょう。
だとすると食事時間も満足に取れませんね。
私の経験から言うと、たぶん、Turnaround中に機内清掃をしている時にササっとサンドイッチでも食べていたのだと思います。

なかなか大変だったとは思いますが、まあ、それでも14時過ぎには仕事が終わるのですから、乗務員とは昔も今もそういう仕事なのです。

というようなことを、紙に書かれた時刻表からいろいろと推測できるのが私の特技でありますが、こういうことができると、お金がなくても時刻表一冊あればいくらでも時間つぶしができるのが、特技の特技たるゆえんであります。

あぁ、新潟-仙台線、待ち遠しいなあ。

ちなみに同じころ、新潟-羽田にも飛行機が飛んでいましたよ。
こちらはTDA(東亜国内航空)のDC9で約50分のフライト。
トキエアにも早く新潟-羽田便を就航させてもらいたいなあ。

と思う今日この頃です。

【NST新潟総合テレビ】トキエア 新潟ー札幌丘珠線を週5日運航へ 仙台線は4月26日目指し調整続く【新潟】