グランクラスって何ですか?

グランクラスって何ですか?

座席がゆったりしてるのがグランクラスですか?
航空会社のファーストクラスの真似ですか?

今から3年ほど前に、「グランクラスって何ですか?」というタイトルでYAHOOニュースを書きました。

当時の国の偉い人が、「ネットのニュースでグランクラスのことを書いてあって、本当にそうだよなあ、と思って最後まで読んだら鳥塚って書いてあって妙に納得しました。」と笑っていましたが、そのニュースがこちらです。

「グランクラスって何ですか?」  統一感のないブランディングの不思議

私のように航空業界も鉄道業界もよく知っている人間はこの国には多分ほんの数名しかいないかもしれませんが、そういう航空業界の商売のやり方を知っている人間から見たら、鉄道会社のグランクラスはなんだか猿真似のようで、滑稽ですらあります。

でもって、こりゃ近い将来ヤバイなあと思っていたらやっぱり駄目になるらしい。

というニュースが今日目に留まりました。

北陸新幹線「はくたか号」、グランクラスの飲料・軽食サービス終了

利用状況を鑑み、10月1日以降は「飲料・軽食なし」のサービスへと変更し、料金を引き下げる。

って書いてありますが、なんだか、バカみたいな話ですよね。

鳴り物入りで登場したはいいけれど、考えてみれば食堂車も寝台車もやめてしまって、その上車内販売もやりたくないという会社が、「最高のサービスを提供します。」って言うのだから、航空会社も馬鹿にされたもんです。

良い座席を作って、お料理と飲み物を出せばファーストクラスだと信じているような会社は、多分自分のお金でファーストクラスなど乗ったことがない人たちの集団なんでしょう。

ファーストクラスというのは「クラス」ですからね。
グランクラスも「クラス」じゃなかったんでしょうか?

「クラス」、つまり、「格」なんですよ。
そう、風格とか品格の「格」。

お金持ち相手に高い商品を売りつけようというような発想でスタートしていると、そういう「格」がないことが、わずか数年で見透かされてしまったんです。

「格」を構成するための重要なファクターはホスピタリティーです。
お客様をおもてなしする心。

グランクラスも、グリーン車も、いや、JRの特急列車すべてにこのお客様をおもてなしするホスピタリティーというものを全く感じないんです。

これ、JRの人に基本的に感じることで、お客様目線という考え方がない。
自分たちは規定通りの仕事をしているのに何が悪い。
多分そう思ってる。
つまり、自分たちの都合で仕事をしてるんです。

特にサービス面についてはおそらくJR本体の人間よりも、関連会社採用で上に這い上がれないような人たちの方がはるかにお客様に接していて、お客様目線であるけど、そういう人たちの声が上に届かないという企業風土なんでしょうね。

だから、ホスピタリティーを求めるようなサービスはすべて下請け任せで、何十年経っても蓄積がない。

そういうことをお客様がわかっちゃってるんですよ。

普通車とグリーン車の違いは何ですか?
座席がゆったりしていて、背もたれが倒れる角度が大きいこと!

グリーン車とグランクラスの違いは何ですか?
さらに座席が倒れて、室内を少人数で占有できること!

こんなもので飛行機のファーストクラスに乗るようなお客様が振り向くと思っているんだから、笑ってしまうのです。

昨日も書きましたが、旧国鉄系の大きな鉄道会社は箱モノを作ればそれがサービスだと思っている。だから、新規需要の開拓ができない。
新規需要どころか、今いるお客様にまで逃げられてしまっているのです。

グランクラス程度の座席であれば、今どきニトリへ行けば6万円ぐらいで売ってますからね。

こういう会社に日本の顔と言われる新幹線や特急列車を任せていたらどうなるのでしょうか?

もうやめた方が良いと思います。

グランクラスなんて、民間事業者に委託した方がはるかにいいサービスができるんじゃないでしょうかね。

昔、新幹線の食堂車が帝国ホテルや都ホテルなどに運営委託していた時代は、なかなか良かったですからね。

でも、縄張り意識とプライドがあるから、「俺たちの敷地の中で商売をするのはまかりならん。」と言って、言うことを聞かない事業者を全部締め出してきていますから、やっぱり、自分たちの欠点を他者に補ってもらおうということすらできないのです。

昨日の話じゃないですが、そういう会社が、「お客が乗らないのが悪いんだから。」と言って、何の工夫もないままローカル線ばかりでなく、グランクラスまでやめてしまうのですから、国民の財産を何だと思っているのでしょうかという点で、もういい加減やめた方がよろしいのではないでしょうか。

と、今夜も私は大きな会社にあきれているのです。

あっ、そうそう。
グランクラスは座席を全部取っ払って、荷物室にしてそこに田舎の海産物などを積んで東京へ運ぶのはいかがでしょうか。

ちょうど編成の端っこですからね。
昔から編成の端っこは荷物車というのが定番でしたから。

グリーン車もグランクラスも、もっと編成の真ん中付近にあれば、高いお金を払って乗るお客様の虚栄心をくすぐることができたかもしれませんが、端っこじゃ誰も見てくれませんからねえ。

登場した時からいずれこうなるとは思っておりましたが、コロナで幕引きも加速したということでしょうか。

東北新幹線が止まっている時期にこんな話をするのは申し訳ない気持ちではありますが、サービスというものをもっと真剣に考えないと、「乗せてやってる。」と思っているうちに「乗っていただける」お客様は皆さん鉄道からさようならをしていくことになるのです。

私の予言は当たるんですよ。

現に数日前に予言した能登半島の地震も当たったでしょ?

今度は何を予言しようかな。