恐るべし、大井川鐡道

今日は朝から蒸気機関車。

よく晴れた一日でした。

昨日の晩は広田先生を囲んでお誕生日のおめでとう会で、札幌から矢野直美さんもいらしていて、皆さんけっこう飲みましたね。

そして皆さん今朝は5時からSLの火入れを撮影するというのです。
火入れというのは、おかまに火をたくこと。
大井川鐡道では夜おかまの火を落として、早朝火をつけるということを毎日やっています。

蒸気機関車というのはお湯を沸かして蒸気を発生させるのですけど、火を入れてから稼働するまでに3時間ぐらいかかるそうなんです。
でも、ずっと火をつけたままにしておくと、寝ずの番が必要になりますから、大井川鐡道では毎日火を落として、毎朝火を入れている。

よく皆さん、SLの火というのはずっとつけておくものですよ。
毎晩落としたりしていたらおかまが痛むんです。
という人がいますが、ずっと以前に大井川鐡道の人にそのことをお話したら、

「そうおっしゃる方がいらっしゃるんですけど、うちはもう40年もこれでやってきているんです。」

って言われました。

そりゃそうだ。
あの時から何年も経っているから、かれこれ50年になるかもしれないけど、それでやってきてるんだから、いいのだと私は思います。

なぜなら、例えば直江津のD51827って昭和18年(1943年)製で今年80歳になりますが、現役引退したのが1973年(昭和48年)ですから、現役時代って30年しかなかったんですよ。

でも、今日見たC10型8号機は昭和5年(1930年)製ですから、一度引退したとはいえ、もう90年以上も現役として活躍しているのですから、どちらが正しいかは推して知るべし。

ていうか、どちらも正しいんじゃないでしょうか?

ということで、私は朝の5時からおかまに向き合う気などありませんから、今日は陽が高くなってから。


今日もお客様多かったですよ。


運転席にも乗せてもらったし。

でも、実は私、蒸気機関車はもちろん好きなのですけど、大井川鉄道といえば旧型の客車。
これが大好きなのです。

今、トーマスの機関車が交番検査中ということで、今日はSL列車が1本だけでしたが、なんと客車7両です。
今時、田舎の鉄道で7両編成なんてありえませんよね。

で、車内を見学すると、4種類の客車が連結されていました。

座席の違い、わかりますか?

これだけの種類を乗り比べられるとしたら、皆さんならどれに乗りますか?

私なら一番上ですよ。
これ、元特急車ですからね。

逆光でわかりづらいんですが、先頭の機関車には日の丸が付いています。
今日は平日なのに変でしょう。

ヘッドマーク見えますか?

よく見ると、「賀正」「令和6年」って書いてあります。

わかりますか?

実はこの時期、大井川鐡道ではお正月の飾りをつけて走るんです。

その理由は、皆さんに年賀状用の写真を撮ってもらうため。

SLだけでもいいですし、SLを前に立った姿で写真を撮って、それを来年の年賀状に使ってもらうようにという配慮です。

だから、おじちゃんおばちゃんたちがこんなに夢中になって写真を撮っているのです。

11月に年賀状の写真用にお正月の飾りをつけて列車を運転する。
なんでこんなことに今まで気が付かなかったんだろう。
目からうろこが落ちた瞬間です。

いやいや、恐るべし大井川鐡道。

あっぱれです。

ていうかこの機関車C10型の8号機は、昨日の晩の撮影会でも主役を務めてくれた働き者なのですが、実は私にとっては古くからの友人なのです。

ほらね。
中学3年生の時に、岩手県宮古市のラサ工業で走っていた時に会いに行って、その時こうやって機関車によじ登ってナンバープレートの拓本を取らせてもらったのです。

もちろんその時運転席にも乗せてもらいましたよ。

なんだかんだで48年前。

「アレから40年!」どころではありません。

いやいや、恐るべし大井川鐡道。

こんな思い出の機関車に今日も会えたのであります。

すごいでしょ?
48年だって。
早くしないと死んじゃうよね。

本日お世話になりました皆様、ありがとうございました。