東北行脚

先日、東北運輸局を訪問して只見線への雪月花の乗り入れ運行が無事に終了したことのご報告と御礼を申し上げた記事を書きましたが、行ったのは東北運輸局だけではなく、ちょうど私が盛岡で用件があったため、IGRいわて銀河鉄道と三陸鉄道も訪問させていただきました。

コロナで3年も足踏みしてしまいましたが、各社さんとも他社との積極的な交流を開始されていて、IGRいわて銀河鉄道の鈴木社長さんがこの7月に就任されたばかりとあって、いろいろ共通の取り組みなどをしていきましょうというお話をスタッフの方々を交えてさせていただきました。

翌日は早朝の山田線で宮古に向かい、三陸鉄道の車両基地を見学させてただきました。
三陸鉄道さんは1984年の開業ですからすでに開業39年。
とにかくいろいろなことをやって話題を蒔き、恥も外聞もかなぐり捨てて常にチャレンジをしています。(赤字煎餅何てのを売り出したのは銚子電鉄が有名になるはるか以前ですからね。)

私も山口社長さん時代から、望月社長、中村社長、そして現在の石川社長さんと4代にわたってお付き合いさせていただいていますが、どなたも県庁の幹部職員だったという雰囲気がなく、とにかく必死です。

IGRさんも同様で、今まで菊池社長さん、浅沼社長さん、そして今回就任された鈴木社長さんとは彼が県の幹部だった頃からのお付き合いですが、旅行業はもちろん、不動産事業を始め廃品回収事業から飲食店経営など、積極的な営業展開、市場の開拓を行っています。

それでも両社とも赤字なのが哀しい現実ですが、「どうせやっても赤字なんだから余計なことはやるな。」という風土が強い第3セクターの中で、必死になっていろいろなことにチャレンジしている姿は、うちのプロパースタッフにもぜひ見てもらおうと、企画の2人を連れて両社を回りました。

2人とも驚いてましたよ。
「すごい!」って。
私にとっては両社とも頑張ってるのが当たり前の姿なんですけど、トキめき鉄道の他を知らないプロパー社員の目で見ると、いろいろチャレンジして頑張っている鉄道会社は銚子電鉄のような私鉄だけじゃなく、3セクにもあるということが衝撃的なんでしょうかね。
トキ鉄はまだまだ頑張れる余地があると私は見ていますが、そういう価値観を若いスタッフにも植え付けていかないと、「これでいいんだ。」なんて思われたら会社としての成長が止まりますからね。

特にIGRいわて銀河鉄道は並行在来線で開業20年。
変電所の更新や電化柱の建て替えなど、トキ鉄が現在直面している問題をクリアしてきている会社ですから、我々は勉強させていただかなければならないのです。

宮古から三陸鉄道に乗車しました。

震災で大きな被害を受けた沿線も復興が進んでいました。
ここは田老駅ですが、以前にもお話ししたと思いますが、私は今から48年前にここ田老の地を踏んでいます。


その時何気なく撮った1枚。
当時の田老駅はホーム1面で折り返し運転でしたが、待合室ができていますが、その向こうホームの屋根の形が同じでしょう。
まさしくここなのです。

そんな話を前の晩に盛岡でIGRの鈴木社長さんとしたのですが、鈴木社長さんは宮古のご出身で、私は宮古には縁もゆかりもなかったんですが、ラサ工業のSLを見に来たというお話をして、駅の裏から閉伊川の河原に下りると、板を渡しただけのような心細い橋が架かっていて、恐る恐るその橋を渡ってラサ工業の工場をたずねて行った話などで盛り上がりました。

中学3年生でしたが、その時の写真です。

当時の宮古駅です。
駅の向こうにラサ工業の高い煙突が見えます。
工場はすでになくなりましたが、煙突はまだそのままです。

ラサ工業の機関車に登ってナンバープレートの拓本をとる私。

帰りは盛岡から寝台特急「北星」。
右が私です。同級生3人との旅行でした。

宮古は縁もゆかりもない場所で、ただ汽車が走っているという理由だけで行ったのですが、私にとっては大切な思い出の場所。特別の場所なんです。
だから、一生懸命三陸鉄道を応援する活動を続けてきたのです。

今、直江津や糸魚川には何の縁もゆかりの無いけど、455が走っているというただそれだけの理由でたくさんの若い人たちがやってきてくれています。

そういう人たちが将来、トキ鉄沿線を懐かしく思っていただいて、大切な思い出の場所になっていただければ、きっとトキ鉄沿線の将来にプラスになるのではないか。

東京育ちで田舎の無い私が、自分で体験してきたことを今の若い人たちにも体験してもらいたいと思うのはそこなんです。
今風の言葉でいえば「交流人口を増やす」ということだと思いますが、こういうことは地元の人たちには理解できないことでしょうから、私がやるのです。


さて、三陸鉄道を北上して「あまちゃん」のロケ地巡りですが、現在再放送中とあって、乗客も多く、「あまちゃん」のすごさには驚かされました。

基本、大河ドラマは効果が2年と言われる中で、「あまちゃん」は10年ですからね。
三陸鉄道は上手に使ってる。
さすがです。

そして最後は岩手県の最北部、洋野町というところで「ウニ牧場」を展開している私の仲良しの友人の下芋坪之典さんを訪ねました。

彼は今、北三陸ファクトリーという会社で三陸名産のウニを世界に広げる活動をしていますが、同時に環境問題も改善し、CO2削減にもチャレンジしています。
年は私よりずっと下ですが、私が尊敬する人物です。
どんなところを尊敬するか、詳細はまたの機会にお話しをさせていただきますが、とりあえずいただきました。

いやいや、これはこれは。
皆さんごめんなさいね。
うまかった~!

この晩は八戸に泊まり、次の日の帰り道に仙台で途中下車をして運輸局にご挨拶をして上越に戻る2泊3日の強行軍でした。

IGRさんとはスタッフの人事交流もしたいねなんて話になりましたが、これからが楽しみです。

ウニ牧場の話はこちら(以前の記事)をご参照ください。
https://www.torizuka.club/2021/07/25/%ef%bc%94%e9%80%a3%e4%bc%91%e3%81%8c%e7%b5%82%e3%82%8f%e3%82%8a%e3%81%be%e3%81%97%e3%81%9f%e3%80%82/

北三陸ファクトリーでは通販もやっていて、ポチッとすると、おいしいウニが自宅に届きますよ。
ミョウバンの匂いなどしませんから、ぜひどうぞ。

本物の味!
ごちそうさまでした。