線路の石なんてどこにでもある。

私の仲良しの友人で、北海道の音威子府村の若手職員の横山さんが、
「鳥塚さん、線路の石の缶詰、マネしていいですか?」
と聞いてきましたので、
「どうぞどうぞ。マネでも何でもありませんよ。どんどんやりましょう。」
と答えました。

線路の石の缶詰がテレビや雑誌で何度も取り上げられて、「すごいですねえ。」と言われますが、別にすごくも何ともありません。
線路の石の缶詰を作っているのはまぎれもなくえちごトキめき鉄道ですが、銚子電鉄に納入しているもんですから、銚子電鉄というスーパーコンテンツのおかげで、マスコミ各社に何回も取り上げていただいて、有名にしていただいただけなのです。

銚子電鉄の竹本社長さんも、「線路の石の缶詰は鳥塚さんのところで作ってもらっているのに、テレビでいかにも銚子電鉄のオリジナル商品のように宣伝されちゃって申し訳ありません。」とおっしゃってくれていますが、そんなことはどうでも良いのです。

ということで、こちらが音威子府村の線路の石の缶詰。

音威子府というのは旭川から最北の稚内を結ぶ宗谷本線に乗って約2時間。
旭川と稚内のちょうど中間地点にある人口わずか700人の村。
そば粉の産地で、真黒な駅そばが有名ですので、聞いたことがある方もいらっしゃるかもしれません。
ちなみに、音威子府は「おといねっぷ」と読みます。

横山さんというのは役場の職員で、何とかこの村を活性化させようと頑張っていらっしゃる若者ですが、私がトキ鉄で線路の石の缶詰を作ったのを見て、「これは行ける!」と思ったのでしょう。

だから作っちゃったんです。

線路の石なんてのはどこにもあるもので、ただし、普通の人は線路内に立ち入ることはできませんからなかなか手にすることはできませんが、それでも踏切を渡るときなどゲットすることは可能だと思います。
音威子府村にはJR北海道の線路が走っていますが、線路の石を100個、200個拾ってもJRが「窃盗だ!」と目くじらを立てることもないでしょう。
そんなに言うなら全部に名前を書いといてください、という話ですからね。(笑)

でも、横山さんがすごいのは、JR北海道の線路の石じゃなくて国鉄時代の末期に廃止された天北(てんぽく)線の廃線跡の線路の石をみんなで拾って缶詰にしたんです。
これは欲しいですよね。

夏は雑草に覆われる廃線跡ですが、冬が近くなって雑草が枯れたタイミングを見計らって役場の職員さんたちが採取に出かけたようです。


▲音威子府村の左近勝村長さん。(音威子府村のホームページから)

村長さん自ら廃線になった天北線の上音威子府駅跡で採取されたようです。

良いでしょう?
欲しくなりますよね。

では、どうしたら買えるか。

ところが、実は、売ってないのです。

この線路の石の缶詰は音威子府村のふるさと納税の返礼品。
直接的に買うことができないというのが、商品として優れていると私は思います。

ふるさと納税というと返礼品を競い合って総務省から注意を受けたり、中には金券を配るなんていう確信犯的なところもあるようですが、ふるさと納税の基本コンセプトは地方を応援することで夢を買うことだと私は考えます。
だから、天北線の廃線跡というなかなか行くことができない場所の線路の石が手に入るという、お金では買えない経験ができて、夢が買えるのですから、よく考えられていると私は思います。

何しろ、線路の石なんてものはどこにでもあるものなんです。
そして、それを拾って缶詰にするなんてことも、誰にでもできることなんです。
だから、いちいち私に断る必要もありませんし、マネでも何でもありません。

でも、どこにでも落ちている石を拾って缶詰にするという誰にでもできることを、実際に皆さんやるかというとそうでもない。その理由は、売れないから。
つまり、こういうものを売るためには、売る技術が必要なんです。
じゃなければ誰も買いませんからね。
そういう点で、音威子府村の横山さんが考えたビジネスモデルは、マネでも何でもなく、音威子府村のオリジナルだと思います。

もう、北国からは雪の便りが聞こえてきます。
音威子府村の天北線の廃線跡も雪に覆われていることでしょう。
でも、その廃線跡に無数にある線路の石のいくつかは、今年は雪に覆われることもなく、音威子府村に思いを馳せてふるさと納税に協力していただくみなさま方のお手元に届けられるのです。

実に素晴らしい商品だと私は思うのです。

さすが我が友人。
伊達に私のブログを何年間も読んでくれているわけじゃありませんね。(笑)
今度は深名線もお願いしますね。

さぁて、あとはふるさと納税にご協力いただける方をどうやって集めるか。
横山さんをはじめ、音威子府村の皆様、頑張ってください。

ふるさと納税特別返礼品「旧国鉄天北線 線路の石缶詰」登場!

北海道で新型コロナが再燃しているようです。
皆様どうぞお体にお気を付けください。

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