New era has come with D51 locomotive.

えちごトキめき鉄道にD51がやってきました。

本日のタイトルは「D51と一緒に新しい時代がやってきた。」

D51が新しい時代へ導く。

D51と一緒に新しい時代へ進んでいくということはどういうことか。

新しいことをやっていくということです。

ではなぜ新しいことをやっていかなければならないのか。

なぜなら、私たちは変わらなければならないからです。

世の中が大きく変化している時代だということは誰の目にも明らかでしょう。
でも、変化を嫌う人たちがある一定割合でいらっしゃるというのも事実です。
変化を嫌う人たちは、新しいことなどやりたくありませんし、自分が今やっている仕事のスタイルを変えることも嫌がります。
人間経験を積めば積むほどそういう傾向が見られます。

では、それでよいのでしょうか。
今までのやり方を変えることなく、同じような毎日を繰り返していくことが認められるのでしょうか。

私は違うと思います。
今までのやり方は変えていかなければならない。
特にローカル鉄道の場合は。

なぜなら、今まで通りのやり方で、その延長線上に未来はないからです。
昭和の時代からローカル鉄道は長年、安全、正確、低コストで列車を毎日毎日走らせてきて、会社が無くなってきているのです。

だから、今までのやり方の延長線上に未来はないということで、仕事のやり方、進め方を変えていかなければなりません。

今までそのやり方でやってきて、良くなっていないのであれば、今までのやり方を変えなければならない。
それができないのであれば、人間を変えなければならないのです。

もちろん、輸送機関ですから、長年蓄積されてきている技術や安全に対する取り組みなど尊いこともたくさんありますし、そのための労力を惜しんではいけませんし、継続していかなければならないことがたくさんあります。でも、だからと言って、それだけをやっていればよいというものではありません。
もう一度言いますが、そのやり方で長年やってきて、ローカル鉄道会社は会社そのものが無くなってきているからです。

今まで蓄積されてきた安全に対する取り組みを踏まえたうえで、そのうえで新しいこと、今までと違ったことをやっていかなければならないのです。

D51がやってきたということは、そういうことなのです。

現状の地域輸送というのは少子化高齢化、人口減少でじり貧です。
では、観光列車はどうかというと、これは一つの経営の柱になると思って各社やってきましたが、コロナによってある日突然お客様がいなくなりました。
では、どうするか?

私は、今、手っ取り早くできることというのは地域輸送と観光を合体させることだと考えます。
つまり、地域の皆様に観光してもらうこと。
今風の言葉で言うとマイクロツーリズムということになりますが、トキめき鉄道で言えば新潟県のお客様に観光でいらしていただくこと。
大きな資本をかけることなく、現実的に実現可能なレベルで地域の観光の柱になる。これがD51なのです。

D51が来たので、地域の人たちが駅に見に来る。
これは立派な観光です。

今までの日本人は観光というのは、「できるだけ遠くへ行って、できるだけ豪華な旅館やホテルに泊まって、できるだけおいしいものを食べること。」だと思っていて、そういうことを競ってきました。

でも、大きく時代が変わってしまったのです。

これは誰の目にも明らかです。

そういう時に何をしたら良いか。
どういう方向に会社を導いていくべきか。
どういう需要があって、どういうサービスを提供していくか。
そのために何をしなければならないか。

こういうことを考えてチームに一つの方向性を示すのがリーダーの役目だと私は考えます。

だから、D51を持ってきたのです。

D51は地域の皆様方に駅に足を運んでもらう。そのためにトキ鉄に乗ってきてもらう主役ではありますが、社内的には「私たちは変わらなければならない。新しいことをやらなければならない。」というシンボルなのです。

そして、そういうことをやっていくんだという意思表示に対して、国が「やってみなはれ。」と言っていただいたのです。

今から半年ほど前、ゴールデンウイークにNHKの番組でサイボウズの青野社長さんのインタビューを見たこと思い出しました。
この方です。

テレワークという働き方に関して世の中が新しく動き始めた時でした。
かなり混乱していた企業もあったと思います。
その時に青野社長さんはこんなことを言っていたんです。

この時は在宅勤務の勤務管理がテーマだったように覚えています。
つまり、家にいて誰も監視していない中で本当にちゃんと働いているかどうか。
それが確認できないから在宅勤務に踏み切れない。
そこで躓いている企業が多かった。
特に古い体質の企業ですね。
でも、半年たってみてどう変わったか。
在宅、リモートなんて当たり前になりましたよね。
でも、未だに当り前じゃないところもある。

リモートというのは変化の一つの例ですが、在宅、リモートにかかわらず、働き方の考え方を変えてきているかどうかが問われています。
ハンコの文化もそうですね。
ハンコが要らなくなって、サインでよいとか、そういうことではなくて、ハンコを必要とする書類そのものが不要なのではないか。そのためには制度を変更しなければならない。
でも、お役所のようなところは制度変更など自分たちの意思でやろうという考え方がなかったため、行政改革が叫ばれて40年以上経過しているにもかかわらず、まったく効率化できていなかったというのが今回のコロナで明らかになりました。
だったら、変えましょうよ。

それが求められているのです。

そして、どうしても変えることができない。
変わることができないというのであれば、そういうあなた自身が変わらなければならないのです。

さあ、D51でトキめき鉄道がどう変わるか。

私たちにとってD51というのは金のなる木ではありません。
D51がやってきたことによって、会社が新しい方向に変わっていく。
その結果として、新しい道が開けるのです。

「D51が連れてきた新しい時代」とはそういう意味なのです。

サイボウスの青野社長さん、いつも貴重なお話をありがとうございます。