謎解きクロス in ステーション

前にもお話しいたしましたが、私の友人の廣川州伸さんが「謎解きクロス」というのを主宰していて、商店街のいろいろなところに謎を仕掛けて、クロスワード的にその謎を解きながら街並みを散策しようという地域活性化を行っているのですが、電車に乗るときに、そういう仕掛けをしてあって、その謎が解けなければ電車に乗れないってのはどうなのかなあ? などと話をしていたのですが、どうやらそういうことを本当にやっている会社があって、それも大真面目に、真剣に、「お客様にご利用しやすいサービスを提供する。」とか考えているようなので、皆様にもお知らせしなければなりません。というのが、本日の話題「謎解きクロス in ステーション」です。

 

それがこれ。

何だろうね。Cって書いてあって、牛の顔。

気になったんでホームを歩いてみると、

下にはこう書いてある。Cow。そして小さく「うし」

こちらはEagleで「わし」。

こういう表示が、ホーム上に一定間隔で書いてあるのです。

 

私は趣味でホームを歩いていたわけではなくて、特急列車に乗るためにホームにやってきたのですが、さてさて、乗車位置を探そうにも号車番号がなくて、このABCが順番に書かれているだけなんです。

「何だろう?」と思って、本当に頭の中が「?????」になりました。

 

そこで、今度の列車は何両編成なのか。それがわかれば停車位置目標から逆算すれば大体の乗車位置がわかると考えまして、改札口の方に戻って時刻表を探そうと思いました。そうしたらこういう表示に気が付きました。

この表示が跨線橋の階段の下や上にあって、よく見るとどうやらこのABCは乗車位置らしいのです。

つまり、自由席に乗るなら「L・M・N」の位置で待てということらしい。

 

う~ん、どうなんだろう。

これがわかりやすいのかなあ。

第一、改札口を通ってホームに行く途中の階段あたりにこの表示があるわけですが、私のようにこの表示を見落としてホームに行ってしまえば、ABCの表示は全く意味が理解できない。そういうサイネージって人間工学的にはどうなんでしょうかね。

 

それに、ABCDEFGというのが乗車位置を示すとして、ふつうの人間ならCは3号車、Dなら4号車って思ってしまうのではないでしょうか?

でも、これって車両によってドアの数が違うから、ABC順で何号車を示すものでもないわけです。

 

こちらは別の駅の表示です。

列車によって編成の長さや車室の位置が違うから、いつもAが先頭車であるということも一概には言えないわけですが、そもそも切符には1号車2号車って書いてあるのに、ホームに行ったらABCで、そのABCも前から1,2,3号車じゃない。

つまり、お客様へのご案内方法としては不適切なんです。

 

こういうモノを平気で作っているんですね。

 

でもって、こういうモノを平気で作ったご担当の方にお話をお伺いしましたが、

駅の構内は数字であふれている。発着番線や、運転士用の停止位置目標、それに号車表示。だから、外国人のお客様には理解しづらい。そこでABC順にしてみたのです。そして、単にABCの表記では味気ないので、北海道に関係のある動物や植物の絵を付けてみたんです。

と、鼻高々におっしゃられましたので、私は思わず言ってしまいました。

「こんなわかりづらい表示はあり得ない。理解に苦しむ。」ってね。

 

その方は会社の中でもそれなりの地位のある方ですから、おそらく面と向かってそんなことを言われたのは初めてなんでしょう。キョトンとした顔をされていましたが、相手がだれであろうが、わかりづらいものはわかりづらいし、順番に一つ一つ拾っていかないとたどり着けないような表示は、それこそ謎解きツアーならまだしも、不慣れな外国人向けの案内表示としては不適当なのです。

案内表示としての成熟度が非常に低い。

 

そして、おもしろいのは、こういうわけのわからないものを、堂々と「素晴らしいものを作りました。」って胸を張っていることで、別にその人が悪いわけじゃないんですが、大きな会社が物事を決めるときに、誰も反対しなかったのかなあと私は思うのです。

 

おそらく10人いれば3~4人は、「おかしいんじゃないですか?」というような案内表示を、会社の中ではだれも反対することなく意見が通って、ただでさえお金のない会社が、少なくない予算を投じて駅のホームにこういうモノを表示しているという会社の内部体制に私はなんだか肌寒い思いがするのです。

目に見えないところに将軍様が君臨しているとしか思えません。

 

社員が疑問に思っても、それを口に出して言うことが言えない組織だとすれば何か「闇」のようなものを感じますね。

単なる乗車位置表示一つでこれですから、きっといろいろなところにおかしいと思っていてもそのままにされていることがたくさんあるんでしょうね。

そして、そういう会社が「安全」を追及しているってのは、どうなんでしょうね。

 

先日、札沼線で団体貸切の列車が走って、2両編成で100人ものお客様がご乗車されたというニュースが報じられていましたが、そうやって「乗って残そう」と頑張っている利用者の皆様方の乗車人員って、しっかりとカウントされているのだろうか?

例えば無人駅から整理券で乗車して、車内の運賃箱で精算したお客様の乗車カウントはどうやってカウントしているのだろうか?

 

すべてにおいてなんだか怪しくなってくるような、私としては、そんな気がするのであります。

 

これも外国人にはなかなかわかりづらいとは思いますが、まだこちらの方が理解しやすいと私は思いますが。

 

 

 

 

 

5 件のコメント

  • かなり遅いコメント、かつ離れた話ですが、JR北海道様の「わざわざ、わかりにくくしている(としか思えない)案内」の事例を1つ。
    7月末に「青春18きっぷ北海道新幹線オプション券」を利用して、道南いさりび鉄道と新幹線を乗り継いで木古内~奥津軽いまべつ間に乗りました。
    この切符、券面に「本券ご利用の際は、有効な青春18きっぷを携行していることが必要」と表示されています。またHP( https://www.jrhokkaido.co.jp/CM/Otoku/005925/ )でも「有効な「青春18きっぷ」を携行している場合、奥津軽いまべつ~木古内間に限り利用できます。」とあります(時刻表での表記もほぼ同じ)。
    私はこの「有効な青春18きっぷ」を「利用期間が切れていない、すなわち平成30年7月20日~9月10日のもの」、オプション券利用当日の日付印が押されているのかは問わない。と解釈しました。もし日付印が押されていることが条件なら、限られた券面はともかく、HPや時刻表上にはその旨明記するはずだと考えた訳です。
    実際には、五稜郭での乗車の際「青春18きっぷにも日付印を押します」「有効な青春18きっぷとは日付印が押されているものだ」とのことでした。
    勿論、「オプション券」は企画切符ですから、その効力は発行の際毎に自由に設定できます。「当日の日付印が押された青春18きっぷを携帯した場合にのみ有効」という条件自体には問題はありません(その割には価格が高いが)。
    問題は「有効な青春18きっぷを携行」という表記です。これを「当日の日付印が押された青春18きっぷを携帯」と解釈せねばならぬ、というのは多少強引に思われます。少なくとも「有効な利用期間が切れていない(平成30年7月20日~9月10日)青春18きっぷを携帯」という解釈も「非常識」とは言えないと思われるのですが。
    繰り返しますが、企画切符である「オプション券」の効力は発行者が任意に設定できます。したがって、利用者との間に(通常の切符ならば「説明しなくてもわかるだろう」という)「暗黙の了解」は存在しません。効力の説明は必要かつ十分になされなくてはなりません。
    切符の効力の根幹に関わるとこですから、「限られた券面への表記はともかく、HPや時刻表上では、「有効な青春18きっぷとは、本券利用当日の日付の記入を受けているもの」程度の注釈は入れた方が良いのではないかと思われます。
    思っているだけでは無意味ですので、JR北海道お客様相談室にその旨要望致しました。
    (勿論、地震で大混乱するかなり前のことです)
    長々と駄文、失礼致しました。

  • 確かに「青春18きっぷ」の券面には「各回(人)とも当日限り有効」との表記があり、HP( https://www.jrhokkaido.co.jp/CM/Otoku/005924/ )でも「乗車時に改札口で(無人駅から乗車の際は車掌から)利用日の記入を受けてください。」「1人1回あたりの有効期間は乗車日当日限りです。」とあります。
    したがって「青春18きっぷは日付印が押されて初めて有効となる」という主張には根拠があります。
    ただ、ここまで「解読」をしないと意味がわからない「有効な切符」って何なんでしょう?

  • そもそも「有効」とは何か、と考えてみますと、旅客営業規則には「有効期間」( https://www.jreast.co.jp/ryokaku/02_hen/04_syo/02_setsu/index.html#154 )についての記述しかありません。まあ、原則的に「有効期間内」かつ「有効区間内」ということでよさそうです。
    「青春18きっぷ」のようなフリー切符の場合、「有効期間内」が条件となり、そうなると「有効期間は乗車(乗車時に改札口で利用日の記入を受ける)当日限り」ですから、「日付印をもって有効(開始)となる」となります。ちなみに平成30年7月20日~9月10日は有効期間ではなく、利用期間とされています。
    理屈はわかりますが、やっぱりわかりにくいですよね。

  • さんざん書いたとおり、券面をきちんと確認・解読すれば「有効=当日の日付印押印済」であることはわかりますので、「わざわざ、わかりにくくしている(としか思えない)案内」は言い過ぎでしたね。「有効期間と利用期間は別である」ということも「理解できないバカ」な利用者にも、簡単に理解できる表現(例えば「本券利用当日有効な青春18きっぷ」としていただければ、大変有り難く思うところです。
    やっぱり、「謎解き」というテーマからは縁遠い内容だったでしょうか?

  • やたら話が長くなって済みません。話がゴチャゴチャになってきましたので整理させてください。
    要は、「本券ご利用の際は、有効な青春18きっぷを携行していることが必要」という表現が「本(オプション)券は、当日の日付印の押された青春18きっぷと同時利用しなければならない」を意味することが、誰にでも、深く考えることなく理解できるのかという点です。
    私とて、「オプション券発売」と聞いた際には「その日の(印の押された)青春18きっぷと一緒に使うものだろう」と思いました。「オプション券」という名称から見ても、それが自然(常識?)です。
    だからこそ、「有効な青春18きっぷを携行」とだけ書かれた券面(および時刻表上の案内)に面食らったわけです。「日付」「当日有効」といった、日付印が押されていなければならないことを匂わせる文言が一切なかったためです。加えて言えば、価格も道南いさりび鉄道+新幹線(立席)での五稜郭~奥津軽いまべつ間の運賃・料金と大差ありません。
    決して利用価値が高いとは言えませんので、おそらくこの切符を利用するのはマニアだけでしょう。そして、マニアは上記の「常識的判断(JRの意図を忖度)」をしてしまうので、あまり深く考えることはないのかも知れません。
    しかし、一般に販売している切符である以上、誰にでも(初めて青春18きっぷを使う人にも、「有効ってどういう意味?」「利用期間と有効期間は違うんだ」「青春18きっぷは日付が入って初めて有効になるんだ」と確認してようやく理解できるわからず屋にも)容易に理解できる(でも簡潔な)表現につとめていただきたいものです。
    おそらく、周辺の駅員・車掌には「オプション券利用の乗客がいたら、携行する青春18きっぷの日付印を確認、当日印のない場合はただちに押印」という通達が出ていることでしょう(かなり周知徹底されている様子でした)。同様に、乗客に対しても(わかりやすく)周知徹底してもらえればなあ、と思う次第です。
    鳥塚さんご紹介の「複雑怪奇な案内」とは正反対の、「簡単明瞭な案内(を目指した結果・・・)」の一例として投稿させていただきました。