いすみ良いとこ一度はおいで。

いすみ鉄道の社長を退任した私に、すぐにいすみ市の太田市長さんが「いすみ大使」を任命していただきました。

 

太田市長さんはいすみ鉄道の取締役の一人でもありますから、私のやってきたことをずっと見て来てくれた方で、その市長さんから「いすみ大使」になってくれと言われたのは、私のことを評価していただいたということですから、とてもうれしいお話でした。

 

いすみ市というところは不思議なところで、海も山も田園も全部あるんです。つまり、日本の田舎の要素が地形的にもすべてそろっていて、そこにいすみ鉄道というローカル線が走っているのですから、そりゃあもう完璧な田舎なのです。

そして、その田舎が、東京駅から特急「わかしお」で1時間15分で行かれるのですから、これってなかなかすごいところだと私は考えています。

東京から1時間15分、距離にして約100㎞ですから熱海、高崎、宇都宮、常磐線の友部といったところですが、どこもみんなある程度の都会です。その同じ距離を房総にやってきたら、海、山、田んぼ、歴史、そしてローカル線まで走っている田舎のコンテンツ満載のいすみ市にやってこられるのですから、私はここは価値あるところだと本心からそう思っていて、それに子供のころ勝浦のおばあちゃん家に行くために両国駅から乗った急行列車のイメージが原風景として重なっているのですから、私にとってはとても大切な場所なんです。そのいすみ市から「大使」をやってくれというお話をいただいたことは、私の個人的な部分で実に勲章なのであります。

 

さて、いすみ市というのはもともと夷隅郡岬町、夷隅郡大原町、夷隅郡夷隅町が合併したところなのですが、夷隅郡というくくりになると大多喜町、御宿町、勝浦市というのがその範囲になりまして、その夷隅郡の2市2町がいすみ鉄道の株主なのであります。

私が感心するのは、いすみ市というのは平成の町村合併で2005年に誕生した新しい行政区分なのですが、いすみ鉄道というのはそのずっと以前の1988年に誕生しているんです。それもひらがなで「いすみ鉄道」。

知らない人が見たらいすみ市の鉄道だからいすみ鉄道というと思われるでしょうが、実はいすみ鉄道の方がはるかに先に誕生していて、その17年後にいすみ市ができているのですから、面白い経緯だと私は思っています。つまり、いすみ鉄道誕生当時は、大多喜も御宿も勝浦も、みんな何の違和感もなく「いすみ」という名前を鉄道につけてくれたという、歴史的に見てそれだけ団結力の強い地域なんですね。そして、いすみ鉄道が元気になって、全国区になったから、いすみ市も今や全国区になったわけで、「ローカル線があればその地域は全国区になれる」という私の壮大な実験に協力してくれて、その恩恵をたっぷり受けているのがいすみ市と言えると私は考えています。

 

さてさて、そういう「いすみ」なんですが、私は、東京のお客様、いや、全国のお客様、いや、今の時代は世界のお客様にいらしていただく必要があるわけで、そういう時に一番わかりやすいのは、今の時代は「映像」と考えています。

だから、大切なのはどうやって映像として取り上げていただくかということ。

例えば、今話題になっているCM、いすみ鉄道で撮影しているのをご存知ですか。

 

「ぶっこみ」のCMです。 (←ここをクリック)

 

このCMはいすみ鉄道の終点、大多喜町の上総中野駅で撮影しました。

映像として早朝の列車が来ない時間帯に上総中野駅構内で撮影したものに、スタジオで女優さんがあとから合成で出ているんですが、「この駅どこ?」と話題になったそうですよ。

 

田舎の町にとって、話題になるということは「いろは」の「い」ですから、これは大きな成果だと私は考えています。

 

いすみ市のホームページにフィルムコミッションの紹介 があります。

 

オープニングにいすみ鉄道が出てきますので、ぜひご覧ください。

ありがたいですねえ。

 

そのフィルムコミッションの定義が、

「大多喜町、御宿町、勝浦市、いすみ市の各市町村の特徴を活かしたロケーションの紹介とその誘致を行うために、いすみ市オリンピック・観光課内に「いすみ外房フィルムコミッション」事務局を設置し、窓口として総合調整を行うフィルムコミッションです。 」 

ということ。

 

いすみ市内だけにとどまらず、いすみ鉄道の株主である2市2町の沿線自治体をトータルに見ていることがわかりますね。

 

撮影実績はこちら。(←ここをクリック)

 

過去2年間だけでもこれだけあるんですね。

 

そして、2018年にはカンヌで最高賞を受賞した「万引き家族」が加わるのです。

(あの映画の海岸シーンはいすみ市の海なんですよ。)

 

そういう輝かしい実績が次々にあるのがいすみ市なんですが、私が面白いなあと思うのは、いすみ市の人たちは、「いすみ鉄道が有名になってくれたおかげで、いすみ市がこんなになったんですよ。」と言ってくれるんです。

自分たちの手柄にしないんです。

 

そういう地域だから、私も何とか今後も「いすみ大使」として、いすみ市といすみ鉄道沿線がもっともっと輝く地域になってもらいたいと考えているんです。

 

ちなみに無報酬ですけどね。(笑)

 

ということで、この夏も話題一杯のいすみ市をどうぞよろしくお願いいたします。

 

 

 

6月18日にいすみ市役所での任命式。

千葉テレビで取材していただいたニュース画像です。