大多喜直行高速バスについて その2

昨日のブログで私は高速バス歓迎論者だと申し上げました。
それは、一人でも多くの人に簡単に大多喜にいらしていただきたいと思うからなんですが、その一人でも多くの方にというのが、都内だけじゃなくて、地方からの方やインバウンドと呼ばれる外国人の方々も含まれると考えているからです。
つまり観光にしろ移住体験にしろ、外部からお客様にいらしていただくためには、できるだけわかりやすく、そして簡単に到達できる交通システムが必要になるわけで、今の時代、JRはたとえ特急列車と言えども、わかりやすくて簡単に使いこなすことができるかという点で大きな疑問を持たざるを得ないと思うのです。
いすみ鉄道に電話がかかってきました。
「あの、テレビで見たんですけど、いすみ鉄道にはどうやって行ったらよいでしょうか?」
この時期よく聞かれるお問い合わせなのですが、皆さんなら何て答えますか。
【鉄道で来る場合】
いすみ鉄道の始発駅、大原駅はJR外房線になります。
大原駅への電車は東京駅から出ますので、お住まいの駅からはまず東京駅まで来てください。そこから外房線の特急電車「わかしお号」に乗ってください。
「わかしお号」はほぼ1時間に1本の間隔で発車しています。
「わかしお号」に乗れば1時間15分ほどで、いすみ鉄道の乗換駅の大原に到着します。
「わかしお号」は東京駅の地下ホームから発車です。
あっ、でも、東京駅の地下ホームは2つあって、総武快速線の方ではなくて、京葉線の地下ホームになります。
ちょっと間違えやすいんですが、東京駅の表示を確認して、京葉線ホームへ行ってください。
「けいおう線」ではなくて「けいよう線」です。
東京の京に、千葉の葉と書いて「けいよう線」です。
山手線や京浜東北線を降りてから、京葉線のホームまでは慣れないと15分ぐらいかかりますから、時間に余裕を持ってください。
あっ、そうそう、特急「わかしお」の中には途中の上総一ノ宮止まりの列車がありますから、その列車には乗っちゃだめですよ。必ず安房鴨川行に乗ってください。
もし、上総一ノ宮行に乗ってしまったら、終点の上総一ノ宮でたいてい各駅停車に接続していますから、それに乗り換えれば大原駅に来ることは来ますけど。
でも、安房鴨川行の「わかしお号」も途中の上総一ノ宮で編成の半分を切り離すものがありますから注意してくださいね。
自由席だと多分座れるとは思いますが、詳しいことはJRの駅で聞いてください。
問い合わせをしてきた人が一般人で、千葉県の地理に詳しくない人だと仮定すれば、だいたいこのような受け答えになると思います。
「けいよう線」ぐらい言われなくても読めるだろうと思うのは東関東の人で、東京も西部へ行けば、「けいよう線」よりも「けいおう線」の方がはるかに知名度がありますし、では仙台の人が当然読める「仙石線」や、兵庫県の人なら常識の「姫新線」、福岡の人なら何の問題もない「篠栗線」を、地域外の一般の人が読めるかというと、決してそうではありません。「仙石線」は「せんごく」じゃなくて「せんせき」です。「姫新線」は「ひめしん」じゃなくて「きしん」、「篠栗」は「しのぐり」じゃなくて「ささぐり」ですが、正しく読めることは地域外の人にとっては常識ではありません。そして、観光というのはそういうものなのです。
で、この電話での説明で、問い合わせをしてきたお客様のうち何人が理解して、何人が実際に来ると思いますか?
【大多喜直行高速バスで来る場合】
品川駅前から直行バスが出ています。
乗り場は高輪口のシナガワグースというところです。
京急EXというホテルの前ですからすぐにわかりますよ。
それに乗れば1時間半かからないで大多喜に到着します。
高速バスだから座れますよ。
電話での問い合わせに対する答えとしてはこれで十分伝わると思いますし、これならば、不慣れな観光客、初めて大多喜に来ようという方々に説明してご理解いただけると思いますがいかがでしょうか。
だから、大多喜直行の高速バスが走っているということが重要なのです。
東海道新幹線で来られる人は品川駅で下車すればよいですし、東北、高崎、常磐線方面も上野東京ラインで品川まで来ることが容易になりました。
北海道や京阪神、九州の方々も、飛行機で羽田空港まで飛んできて、この直行バスに乗り換えれば簡単に大多喜にたどり着くことができます。
つまり、大多喜到着までのハードルがとても低くなっているのです。
(羽田空港に到着した方に、鉄道で大多喜まで来る道順を説明するとなると、気が遠くなりそうですのでやめておきます。)
これが、高速バスの利点なんですね。
私も鉄道大好き人間ですから、実際のところバスに対抗できない都市間鉄道は悔しいのですが、ツールとして考えた場合、使いこなしている人にしてみたら何でもないことでも、不慣れな人、初めての人には使いづらいツールになっている。これがインターシティーの鉄道システムの現状だと思います。

ところが、昨日も申し上げましたように、このバスのダイヤは、基本的には大多喜町民の人たちが東京へ通勤、通学、買い物に出かけるのに便利なダイヤになっているわけで、東京方面からの観光客には今一つ利用しづらいダイヤなんですね。
高速バスというのは発着場所やダイヤなど、かなりしのぎを削っている現状がありますので、大きくいじるのは難しいかもしれませんが、品川を出る朝の2本のうち、6:20のバスを7時に変更して大多喜に8:20到着。次の7:50のバスを9時ごろに出て、9時半過ぎに羽田空港を経由して10時40分ごろ大多喜に到着するダイヤに組み替えれば、東京方面の人にはかなり利用しやすいダイヤになると思います。
羽田空港に9時半ということは、8時半過ぎに羽田に到着する飛行機に接続するということですから、札幌からも福岡からも始発便に乗れば午前中に大多喜に到着することができるようになります。
飛行機が30分程度遅れても接続するダイヤですから、北海道や九州の方々がレストラン列車に乗れるようになりますし、都内のホテルに滞在している外国人観光客が、日帰りでいすみ鉄道に乗りに来ることも容易になるというものです。
これが、私が考える大多喜直行高速バスの正しい利用促進方法になります。
今後、いすみ鉄道では外国人観光客が気軽に遊びに来られるように、この大多喜直行高速バスを外国人観光客が利用できるようにするためにはどうしたら良いか、いろいろ模索をしています。かなり近い将来に、外国人観光客が大多喜の町中を歩きまわる時が来ると考えていますので、その時を迎える準備をする必要があるからです。
皆さん、どうぞ、話の種にこのバスに乗ってみてくださいね。
大多喜が信じられないほど身近に感じることができると思います。
(つづく)