今日から7月ですね。

今日から7月ですね。
世間では集団的自衛権や拉致問題などのニュースばかりですが、ローカル線としては、そういう大きな問題を抱えて日々の生活に疲れた時に、ホッとしていただく役割がありますから、私はそれだけでも、各地でローカル線が走っていることは大切なんだと思います。
地域交通として、地域の足を確保するためには当然必要ですが、ローカル線の役割ってそれだけじゃないということを、声を大にして言いたいと思います。
と言いますのも、先日、いすみ鉄道では株主総会が行われまして、その後の取締役会と合わせまして、私が、いすみ鉄道の代表取締役社長に再任されました。
これによりまして、向こう2年間、社長としてさらに働かせていただくことになりましたので、とりあえず、常日頃からご支援いただいている皆様方へ、感謝と御礼を申し上げさせていただき、報告とさせていただきます。
今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。
私は2009年の6月末にいすみ鉄道の社長に就任しましたので、早いものでもう丸5年が経過したことになります。
この間、皆様方から多大なご支援とご声援をいただき、おかげさまでいすみ鉄道は今日も元気に走っていることができるわけであります。
そればかりか、今のいすみ鉄道は、誰の目から見ても5年前には廃止の瀬戸際にあった鉄道とは思えない状況ですし、日本におけるローカル線の活用方法の一つのモデルケースとして定着した感がありますが、私が終始一貫して言い続けてきたことは、「地域交通というとらえ方以外の活用方法を考えましょう。」ということです。
私は、「ローカル線というのは、都会の人の憧れなんだから、その憧れを具現化して、都会の人たちの夢を田舎で実現させてあげることで、みんなが笑顔になれるし、経済も活発になる。」ということを、ただただ、毎日ひたすらに実践しているわけです。
つまり、経営というのは理論や能書きではなくて実践なわけですが、日本のインテリゲンチャの皆様方の目で見ると、ローカル線というのは分析するものであり、また、イデオロギーの対象であったりするわけです。そして、そういう人たちがローカル線を全部ダメにしてきたのも事実なんですね。
就任して5年が経過し、今、やっと少しずつですが、いすみ鉄道のやり方を理解していただける人々が増え始めていると実感していますが、思えば5年前までは、いすみ鉄道はいらないローカル線として、全国で下から数えて何番目の存在だったわけで、そのいらないローカル線が、大手術を受けることもなく、当時では考えられないほど元気になっているわけですから、私は、どんな田舎でも、やり方によって、いくらでも元気になれると確信しているのです。
何しろいすみ鉄道にできたんですから。
ただ、そのために忘れてはならないのが地域の力の重要性で、いすみ鉄道は、沿線地域の皆様から、「なくてはならない存在だ。」と言われるほど愛されていることは事実なんです。
先日開店した押上のお店の前を若いカップルが歩いていました。
男性の方が、「あれ? いすみ鉄道だ。知ってる?」と言うと、
女性は、「知らない!」と答えます。
それを聞いた男性は、「ダメだよ知らなくちゃ。いすみ鉄道は千葉の誇りなんだよ。」と会話をしながら通り過ぎていきました。
鉄道ファンでもなく、ただ通りすがりの若い男女でしたが、おそらく男性は千葉県出身なんでしょう。
お店の前に立っていた私が誰だか知る由もないでしょうが、「いすみ鉄道は千葉の誇りなんだよ。」と言っていただいたことを大変うれしく思いました。
このように、いすみ鉄道は地域から愛される鉄道になって、地域の力で何とか走っているのですから、地域の力ってとても大切なんですね。
秋田県には由利高原鉄道の他に秋田内陸縦貫鉄道という第3セクターのローカル線があります。
このローカル線に新しい社長さんが誕生しました。
ご就任おめでとうございます。
こちらのニュースをご覧ください。
地域の皆様との密接なつながりを大切にする。
これが新社長のスローガンです。
なんだか期待が持てそうでしょう。
そのための方法は、
・まず、応援団の皆様方とタメ口で話せるように仲良くする。
・働いている職員の人たちと家族のように仲良くする。
・沿線に住んで、いつも一緒に酒を飲む。
・沿線を一生懸命歩いて、地元の人と話をする。
・高校生と仲良くなって学校に遊びに行かれる関係になる。
・観光客が地域にお金を落としてもらえる仕組みを作る。
・そうしているうちに、自分自身がその路線のファンになる。
任期は1年とありますが、これぐらいはできるでしょう。
近日中に応援に行きたいと思います。
ぜひ頑張ってくださいね。
都会人にとって、ローカル線は憧れなんですから。
ということは、まぎれもなく資源なんです。