中間決算につきまして 社長観

中間決算について私の考えを述べさせていただきます。
大多喜高校のクラス減に伴う乗客の減少は想定内ですので、とくに大きな問題ではございません。
大多喜高校は平成19年に1クラス減となりました。
高校ですから、新入生が1クラス減るわけです。
そうすると、次の年は、1~2年生が減ることになり、2クラス分が減ります。
3年目には1~3年生の全学年がひとクラス減りますので、3クラス分が減ります。
つまり、3年連続で乗客が減少することは、平成19年にはすでに把握しておりました。
来年度、大多喜高校は英語科が廃止されますが、その分、普通科が1クラス増えますので、クラス数としては存続になります。
大多喜高校の生徒数の減少は今年度限りということです。
また、いすみ鉄道沿線は過疎化が進む地域が存在しているため、乗客が増えるという前提は、経営上期待できない要素です。
鉄道会社は、大手私鉄の例を見ればお分かりいただけますように、バス、タクシーはもちろん、百貨店やスーパー、沿線開発や不動産事業など、いろいろ収益を上げる努力をしています。
なかなか鉄道だけでは利益を出すのが難しいという現実は、ローカル線だけではないのです。
でも、鉄道会社は地域に根差した企業ですから、地元はもとより、社会的にも信頼をいただいて商売ができるという強みがあります。
私は就任以来、地域の会合など、いろいろな所にお邪魔して、その度ごとに、こういう多角経営化を訴えておりますが、この秋販売を開始いたしました「房総のけむり饅頭」「トレインおかき」「い鉄揚げ3兄弟」そして国吉駅のムーミンショップは、そのような多角化のはじめとして、まずは大きな設備投資をしなくても物販で赤字を補うという方向性を示すものです。
いま、日本が置かれた現状は、特に地方の疲弊が激しく、全国的にもローカル線は乗客が増えず、経営が厳しい状況にあります。
鉄道を輸送機関としてみれば、確かに経営が成り立たないかもしれませんが、私の考えは、鉄道は地域を活性化するツールであると思っています。
そこに鉄道が走っているというだけで、地域が活性化し、経済効果をもたらすモデルにしようと、いすみ鉄道をとらえています。
開業から21年が経過し、開業時に導入した車両も更新時期を迎えています。
古くなればそれだけ修繕費がかさみます。
何しろ車輪を1軸(1車両に4軸)交換するだけで150万、車の車検に当たる全般検査も1500万以上かかります。
再生検証期間中ということで、ここ2年間最低限の修理でしのいできましたが、ここへ来て避けられない修繕が出てきて、経費が昨年より多く発生している状況です。
私から皆さまにお願いしたいことは、物販に協力していただくのはもちろんですが、いすみ鉄道が走っているということを地元の広告塔として、いろいろな活性化を実践していただきたいということで、そうすることによってトータルな意味で地域経済が活性化すれば、鉄道部門の赤字はACCEPTABLEな数字としてとらえていただけるのではないかと考えております。
いすみ鉄道は年間1億円の赤字が発生していますが、そのほとんどは線路や信号設備の補修や車両の修繕にかかる経費で、営業に関しては自己の収入でPAYできています。
今後、年間3000万円程度を物販収入で補い、赤字幅を収縮していく予定ですので、どうぞ皆様、あたたかい目でいすみ鉄道の取り組みを見守っていただけたらと思います。
**********************************
ということで、只今、いすみ鉄道商品でお歳暮を企画中。
来週には発表いたしますので、皆様是非ご期待ください。
いすみ鉄道をどうぞよろしくお願い申し上げます。