優秀な学生の見分け方

今日は糸魚川市能生にある新潟県立海洋高校へお邪魔しました。

3年生が卒業しましたので、学校にいるのは1・2年生だけですが、その1・2年生の皆様方に「マスターハイスクール進路講話」としてお話をさせていただきました。

新潟県立海洋高校というのは「海を知る、海に学ぶ」をテーマに次世代を担う海のプロを育成する目的の学校で、開校してから125年になる伝統を誇る学校です。

・資源育成コース
・食品科学コース
・海洋技術コース
・海洋創造コース

の4つのコースの勉強をしている新潟県で唯一の海を学ぶ学校です。

こういう学校は県内はもとより、県外からも生徒を集めているのが特徴で、優秀な人材をたくさん輩出しています。
例えばどんな人が卒業生に居るかと言うと、今、大相撲で大活躍中の大の里もその一人。
ここ、海洋高校で学んで日体大へ進み、今、相撲界で快進撃の大活躍をしています。
(相撲のことは詳しくないのですが、校長先生から聞きました。)


中田匠校長先生です。

取材も多いのでしょう。校長室にはこういった「勲章」が所狭しと飾られています。
もちろん構内の廊下などにも、現役生徒さんを含め、たくさんの賞状やトロフィーなどが。
すごいなあ、この学校。

それにしても最近思うのは、校長先生が皆さん年下になっちゃったことなのですが、私も爺になりましたね。当たり前か。

さて、今日は私が先生役ということで100分間お話をさせていただきました。

題して、「これからは地方の時代」。

いやいや、100分て長いなあ。
そう思うとちょっと憂鬱になりますが、気を取り直して頑張ろう!

場所は体育館。
今日はまた一段と寒くてですね、生徒の皆さんはそりゃあたいへんでしょう。
スタート前はこんな感じでした。

ところが、私はとても驚く事態に直面しました。
何かというと、講話の最中、全員微動だにしないんです。
スタート前はざわついていたんですよ。
そりゃ、高校生ですからね。
でも、始まったとたん、全員微動だにしない。
私語も一切なし。
集中力がすごいんです。

100分ですよ。
長いですよね。
でも、後半になればなるほど、どんどん集中力が増してきて、身を乗り出してくるんです。

こりゃ、すごいわ。

何を隠そう、私たちの時代は昭和の偏差値教育の時代です。
だから、私も自分の子供たちにもそういう教育をしてきました。
うちは子供が5人いますが、ということは、5つの高校を見て来ています。
そのうち3校は偏差値70~75の学校でした。
偏差値教育が良いとは思いませんが、私の経験上、そういう学校に共通しているのが生徒たちの集中力です。
勉強ができるかどうかということは個人の得手不得手などもあるとは思いますし、「勉強が得意? だから何なんだ」と思いますが、集中力というのは得手不得手の問題ではないと私は思っています。

自分の子供たちが行っている学校に何度か行かせてもらって、そこで見せていただいたのは集中力でした。
校長先生がお話をしている時には、私語もなければ体も動かない。
ピシっとしているんです。

その同じ光景を、今日は海洋高校で見せていただきました。

すごいなあと思いました。

私も集中力はある方だと思います。
50年も前の話ですから過去形ですね。かつてはあった方だと思います。
でも、私はひねくれていましたからね。

授業中など、先生の話を一生懸命に聞いていると思われるのがイヤだったんです。
なんだか、いい子になったみたいで、先生に同調するようでね。
だから、授業中はちゃらんぽらんで、先生の話を聞いていない。
ように見せかけて、
「鳥塚、どこ向いてるんだ? ちゃんと話を聞け!」
と先生に言わせておいて、実は先生の話を一言も漏らさずに聞いていました。
先生はそれぞれに癖があります。
その癖を読み取って、重要な部分とどうでもいい部分を聞き分けて、重要な部分を聞き漏らさないようにする。
でも、一生懸命ノートを取っていると思われたくないので、自分だけがわかる特殊な記号を作って、教科書に小さく印をつけておくんです。

そんな高校生でした。
素直じゃないよね。
ハンパだよね。
そんなことに労力を使うぐらいなら、最初からちゃんと話を聞いておいた方がはるかに楽なのにね。

でも、1970年代ってそういう時代だったのかもしれませんね。
だから、ハンパな大人になっちゃったのですが、それに比べると今の高校生は皆さん素直で、まっすぐだと思います。

と、今日はそんなことを感じることができました。

そう、私もいろいろな学校へお邪魔して、いろいろな生徒さんや学生さんにお会いしてますが、優秀な学生かどうかを見分けるポイントは「集中力」なんです。

とにかく、100分間、ガヤガヤすることもなく、私語もなく、ビシッと集中して人の話を聞いてくれました。
最後になればなるほど、どんどん集中力が増してくる生徒さんたちでした。

いや~、素晴らしかったですね。

本日も確信しました。
やはり、「これからは地方の時代だ」ということを。
田舎町の高校にこういう生徒さんがたくさんいるんですから。

だって、明日から春休みですよ。
その最後の授業が100分ですからね。
私だったら、「さっさと終わらねえかなあ。」とそわそわしますよ。
高校生ですからね。

ということで、海洋高校の皆様、本日はありがとうございました。
明日から有意義な春休みを過ごしてくださいね。

この大海原に漕ぎ出す日を目指して。

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