「どこでも旅になる!」の証明。

この週末、私は奈良に行ってきました。

近鉄の広報マンとして活躍された福原稔浩さんという方が主催するツアーがあるということで、申し込んで行ってみたのであります。

このツアー、どこにも行かないツアーで、奈良県の王寺駅に集合して駅周辺を2日間かけて歩くだけというもの。
たまたまネットで見つけて、お名前を聞いたことがある方だったものですから、どんなツアーなのか申し込んでみたのです。

正直申し上げて単なる好奇心です。

新潟からなので金曜日の夕方に奈良に入りまして、王寺駅に初めて降り立ちました。

王寺駅は関西本線の駅で、私は今まで何度も通ったことはあるのですが、降りたのは初めて。意外と降りたことない駅ってあるものなんです。
それだけでなんとなくワクワクしますよね。

そして翌日ツアー開始。
まずは近鉄の新王寺駅に行きまして、2人の駅長さんのお話し。
ここはおもしろい駅で、近鉄の電車が両方向からやってきているのですが線路が繋がっていない。近鉄王寺駅と新王寺駅、JR王寺駅の3つの駅が一つにまとまっていて、JRは関西本線と和歌山線が分岐する交通の要衝です。

新王寺駅から線路沿いをぶらぶら歩いていくとD51が保存されている公園に着きました。何となくブラタモリの気分です。
福原さんがD51の説明をしてくれています。
福原さんは私より4つ上の1956年生まれですから、1973年まで活躍した関西本線のD51の現役時代をご存じの方。説明にも熱が入ります。

公園を出てさらに線路沿いを歩いて向かったのが近鉄田原本線のガード。
石積みのガードはすでに100年以上が経過していますがまだまだ現役です。

そしてさらに線路沿いを進むと小さなトンネルがありました。
このトンネルももちろん百年以上の歴史があって、今では人が行き来していますが、もともとは水路として作られたもののようで、その証拠に少し勾配が付いているんです。だから、反対側へ抜ける途中、だんだんと天井が低くなってくるという、説明していただかなければ気付きもしないような構造があるのです。

次に向かったのは和歌山線の鉄橋。
ここも手が届くほどの低さの鉄橋なんですが、桁にリベットが打ってあります。
このリベットという工法も昭和30年代以前のものだそうで、言われてみればそうかもしれない。
リベットは打ち込むときに真っ赤に熱して柔らかくなった状態で打ち込んで、冷えると固まって抜けなくなると聞いたことがありますが、1個1個そんな手間をかけていたんですね。
私たちの頭上を最新型の電車が通過していきます。

さらに歩け歩けで電車の車庫にやってきましたが、お目当てはこの車庫の横にある地下通路。
この通路も100年以上前に作られたもので、レンガが積んであります。
当時の煉瓦はイギリス積みとフランス積みという工法がありまして、ここはどっちだったか。説明していただきましたが忘れました。

このガード下の通路を抜けると近鉄生駒線の踏切です。
足元をよく見ると、こんな境界線が。
JR(国鉄)と近鉄が入り混じっているような場所でも、しっかりと境界線があるのは興味深いです。

そして近鉄の王寺駅にやってきました。
これでぐるっと一回りです。

直江津で言ったら駅北口を出て、商店街を抜けて関川の横を歩いて、レールパークに寄って、駅南口を通り過ぎて、ルートインのところから御館橋で線路を越えて、ぐるっと回って南口に戻ってくるような、そんなコースです。

そして最後は王寺駅前のビルの中にある王寺町地域交流センターで、先ほど公園に保存してあったD51の本物のナンバープレートとご対面。
ここにもありましたよ。
「鉄道の町 王寺」
どこかで聞いたことがありますよね。

そう、王寺は奈良県で一番最初に鉄道の駅ができたところなのであります。

ということで、1泊2日のブラタモリの旅の初日が終わりました。

この日の歩数計は17000歩越えでしたが、ちょうど足の痛みがぶり返してきていたところでしたので、福原さん並びにツアー参加者の皆様方の足手まといになってしまいまして申し訳ございませんでした。

それにしても、このツアー、駅を出てぐるりと一回りするだけ。
どこにも行かないんですから驚異的です。

でも、楽しかったなあ。

ということで、2日目はまた次回ご報告させていただきます。

「どこでも旅行になる。」

そう、新しい発見があればいつもの町でも立派な「旅」なのであります。