新型コロナウイルスの蔓延で全世界的に対応が迫られています。
難しいですね。
このウイルスは新種で未知のものですから人類が初めて体験するわけで、正しい結果など多分現時点では見出すことができません。
野党が総理大臣に向かって「あなたは『2週間辛抱してください。』と言いましたよね。あれは何だったんですか?」などと詰問していますが、当時はそんなこと誰も分からないのですから、質問自体が愚問です。
総理大臣だって国民に希望を持ってもらいたいという使命もありますから、悲壮感ばかり漂わせたメッセージを送ることなどできません。
こういう時に総理大臣という仕事に就いていることは、つまり、そのこと自体が「貧乏くじ」だと思います。
総理大臣だけじゃありませんね。
厚生労働大臣だって、都知事や県知事だって皆さんこんな時にリーダーをやっていることは貧乏くじでしょう。
会社の社長さんだって、お店のオーナーだって、職員やスタッフを抱えてビジネス展開していれば、人件費の支払いもあるだろうし、設備投資の返済もある。固定費というものが大きくなればなるほど、売り上げが無くなるのですから苦しい判断をしなければならない。
そういう立場の人は皆さん「貧乏くじ」だと思っている人も多いと思いますよ。
「何で今なんだ?」
「何で、俺の時なんだ?」
ってね。
去年まで由利高原鉄道の社長をされていた春田さんが、去年社長を退任していたことは結果的にはよかったのかもしれない、というようなお話をされていましたが、確かにその通り。
貧乏くじを引かなくて済んだのですから良かったです。
春田さんは決して責任を取りたくないというような、そういう価値観からではなくて、まだまだやりたいことがあったけど、コロナなどの状況では結果としてできなかっただろうと思うからで、確かにこうなってくると、資金力の問題がありますから、やりたいことをやるというのはなかなか難しいかもしれません。
かくいう私は、昨年の秋にトキ鉄の社長に就任してわずか数カ月の段階でこのコロナ騒動に突入して、毎日毎日「さあ、どうする?」「さあ、どう判断する?」ということの連続で、人様から見たら「貧乏くじを引いた」と思われているかもしれませんが、確かにそういう面があるのは事実ではありますが、実はいたって呑気で楽観的です。
かえって、前社長の嶋津さんは良い時期に退任されたな。良かったなあと考えています。
嶋津前社長はトキ鉄を一から作り上げた方で、西日本と東日本の合流点という難しい位置にある鉄道会社を、安全正確に列車を走らせることができるようになったのは、嶋津さんだから解決できた難題だと私は考えていますが、そういう会社を作り上げた嶋津さんの実績が、もし残られていたら、今回のコロナ騒動でその実績に傷がつくことになったかもしれません。そう思うと、私が引き継ぐことによって、おれんじ鉄道とトキ鉄という2つの鉄道会社を1から立ち上げた前人未到の嶋津さんの実績に傷が付くことなく、御退任されたことは「よかったなあ。」と思うのであります。
あとは私が引き受けて、泥だらけになって、恥も外聞もなく喘げばよいだけですから。
そう考えるのです。
なぜ、そう考えるかというと、人には与えられた役割というのがあるからで、私のような人間に与えられる役割というのは、普通の人がやりたくないことだったり、普通の人ができないことだったり、公募社長というのはつまりはそういう役割でありますから、「社長でございます。」などと気取っていられる立場ではないのは最初から重々承知しておりますから、別にコロナに直面しても、ああ、なるほど、私の役割はこういうことだったんだなと思うだけですから。
つまり、人間の役割というのは、会社の場合は一からビジネスを立ち上げる人。そのビジネスを大きくする人、せっかくのビジネスをダメにしてしまう人など、いろいろいるのは今に始まったことではありません。
江戸っ子は3代続くと馬鹿になるとか、会社をつぶす3代目などと言われるのも、実はそういうことなのです。
そう考えて安倍政権を見ていると、多分そろそろ交代の時期なのだろうなあと思います。
なぜなら安倍政権はバブル崩壊後落ち込みが激しく、悪夢の民主党政権でガタガタになった日本経済を何とか立て直すという使命で誕生した政権であって、経済をきちんと再生させるということを長年やって、そういう舵取りは得意なんですが、コロナのような事態に直面している今をどうするかなどということは、おそらく判断ができないチームだと思われるからです。
今まで財政再建をテーマに経済をきちんと運営してきたという実績は大きいと思います。
アベノミクスは世界からもそれなりに評価されていますし、外交も今までの政権に比べると見ていてすがすがしいほど外国の党首と対等に渡り歩いきていることも、国際的に日本の評価を高めたと思います。
そういう実績はきちんと評価をするべきだと思いますが、今回のコロナをどうやって乗り切るかという対応を見ていると、どうしてもテキパキさに欠けて見えます。
その理由はおそらくお金。
「まず財政」という考えから脱却できないんでしょうね。
だから、一番最初にお金の心配をしている。
そして二の足を踏んでタイミングを逸しているという感じがぬぐえません。
確かにお金は大事です。
何をするにも先立つものですから。
でも、政府はお金を印刷できるのですから。
今から約2か月前、2月27日に私はブログでヘリコプターマネーを推奨しました。
この中で私は一人100万円配れと言いました。
読んで「何とバカなことを」と思われた方も多いと思いますが、ヘリコプターマネーをやるという方向性はひと月後の3月末には出ましたね。
でも、所得制限を設けて1世帯に30万円というものでした。
そんなもの誰が考えても迅速な配布は無理だと思いますが、なぜこういう決定をしたのか。
それは、「お金持ちなど、本来は必要のない人には配りたくない。」という判断です。
国の財政を考えたら実にまともな判断です。
でも、そんなんじゃあ緊急事態の時には全く効果が出ない。
ある意味誰が見てもわかりきっていることが、政権にはわからなかったんです。
すったもんだの挙句、結果として一人10万円。
でもいつもらえるのかとなると、まだまだ先で自治体によっては目処が立っていない。
経済が得意で財政が得意な政権チームは、せいぜいこの程度ということです。
そんな中で緊急事態宣言の延長です。
つまりどんどん火が大きくなっている。
後手後手ですね。
どういういうことかというと、火事を見つけて火を消さなければならない時に水がもったいないと水の心配をしたんです。
自分たちが何年もかかってやっと貯めた大切な水。
やたらなことでは使いたくない。
とりあえずこんなもんで良いだろうというのが1世帯に30万円。
誰が見てもえ~っ?ということで覆されて1人10万円になった。
その予算が12兆円です。
安倍政権としては大盤振る舞いのつもりなんでしょうけど。
2月に私が申し上げたのは国民一人当たり100万円です。
総予算としては120兆円。
「そんなお金出せるわけないだろう。」と一笑に付されましたが、緊急事態宣言の延長で出てきたのは第2段階としての「100兆円規模の支援」です。
今更ですね。
最初から100万円にしておけば火は消えたかもしれないのですが。
火が大きくなってから、もっと水が必要だという話です。
火が小さいうちなら消えたかもしれませんが、ここまで大きくなったら100兆円でもたぶん消えないかもしれません。
そういう判断は安倍政権のチームでは無理だった。
つまりはそういうことなのでしょう。
選手交代の時期なのです。
では、誰がやるかというお話ですが、1世帯に30万円というような頓馬な提案を平気でするような感覚の人はダメなのは明白です。
ましては「貧乏くじ」だとわかっていたら、誰も引きたがりません。
こういう時にわくわくするのは私のような莫迦しかいませんから、まあ、そういう莫迦か莫迦になれる人にやってもらうために、どこかに莫迦はいませんか? と声をかけてみるのが良いと思います。
後先を考えずに水をじゃぶじゃぶ使って火を消すことができる人。
日本の隅々まで知っている人。
人間も経済も死んでしまっては元も子もありませんからね。
使ってしまった水は、あとからまた貯めればよいのです。
その時は消費税が20パーセントになるかもしれませんし、新幹線のグリーン車や飛行機運賃にも税金を掛けなければならないかもしれません。
喉もと過ぎた国民からは大きな批判も出るでしょう。
でも、そんなことは気にしていたら何もできません。
日本の消費税はせいぜい10%ですが、イギリスは20%ですから今後のイギリスがどう出るかを考えれば、やってやれないことはないでしょう。
いずれにしても貧乏くじですからね。
何をやっても高い評価など得られるはずもないのですから。
47人の知事さんの中には国政に参加させてみたい人もいそうですし。
あのお方もそろそろ貧乏くじを引く出番じゃないでしょうかね。
お~い!
お目覚めのお時間ですよ!
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