大事なことは何ですか?

昨年末の12月28日に運転したトキめき鉄道の夜行列車。

申し込み開始と同時に完売となりました。

乗客の皆様方にアンケートを取ったところ、ほとんどすべての皆様が「また乗りたい。」とご回答いただきました。
営業チームが、「これは行ける!」と考えまして、第2回目を2月22日の晩に運転することを決定。

先日、申込受付をしましたところ、またしても瞬時に完売しました。

この2月2日に発売した「2.2.2」記念入場券セットですが、500部製作しましてそのうちの300部を通販用に発売しましたところ数日で完売。
残りの200部を2月2日に駅頭で販売したところ即日完売となりました。

昨年発売しました懐かしの旧北陸本線シリーズ、旧信越本線シリーズもバラを除いてセット販売分は既に完売となっております。

そうなると、作った本人としてはもう少し多くの部数を出せばよかったかなあと欲をかいてしまうのでありますが、そんな私に営業の課長さんがこう言いました。

「社長、うちのスタッフは今まで自分たちが作ったものが完売した経験がないんです。私は彼らに自分たちが作ったものが完売するという経験をさせてあげたい。そういう達成感が大事だと思います。」

モノを作る時は、皆さんあれこれ考えます。
そして、いざ作ってみるとなかなか思うように売れません。
そんなことは当然と言えば当然です。

でも、それが長年続いてくると、やっぱり負けが濃くなると言いますか、なんとなく活気が無くなります。
私は自分が欲しいと思う商品を作りますから、人の意見も聞かず、「これで良いんだ!」と記念切符も夜行列車も企画を押し切りました。

中には疑心暗鬼なスタッフもいて、家に帰って奥さんに、
「おい、12月28日は汽車の中で泊まることになりそうだから覚悟しておけ。」なんて言った人もいるようですが、つまり、「社長が勝手にやるって言ってるけど、夜行列車なんて売れるわけないから、自分で購入して家族で乗らなければならない。」と考えてくれていたわけで、なんともありがたいスタッフではありますが、私は売れない商品をスタッフに買わせるような商売はしませんから。

そしてふたを開けてみたら申し込みと同時に完売。

どうだ、ざまあ見ろ!

とは言いませんが、記念切符だって見本ができてきて「こんな切符作りました。」と見せたら、社内の皆が「おっ、いいね。」

きっと、余ったら買っても良いな、的な感じだったんでしょうけど、申し訳ございませんが君たちに売る分はないのです。
そう、完売なのです。

営業課長さんが嬉しそうにこういいました。

「私はスタッフにこういう成功体験をさせてあげたかったんです。おかげさまで、みんな生き生きしてきましたよ。」

1セット1000円の記念切符が1000セット完売して100万円です。
1組18000円の夜行列車が20組完売して36万円です。

会社の規模を考えると金額的には大したことはありませんが、実は金額ではなくて、大切なのは成功体験を積み重ねていくことでチームがだんだんと活性化して、不思議と活気がみなぎってくることなんだと思います。
そして、そういう活気が、次の大きな力を産み出していく。

結局、こういうことなのではないかと思うのです。

私は社長ですが、私が電車を運転するわけではありません。
窓口で切符を売るわけでもなく、雪月花でお客様のおもてなしをするのでもありません。
実際に列車を動かしてお客様のお世話をするのは一人一人のスタッフです。
私は、そういう一人一人のスタッフが、どうしたら良い仕事ができるか、良いサービスができるかを考えて、みんなの力を引き出すことが仕事です。

つまり、リーダーというのはそういう役割があるのです。

就任して5カ月と申し上げましたが、きっとみんな不思議だと思います。

なんで、満席になるのだろうか?
何で完売するのだろうか?

そりゃそうだよ。
誰がやってると思ってるのか?

私はそう思いますが、それがスタッフ一人一人の成功体験になって行くのですから、そのうち大きなムーヴメントになって行くのではないか。

そんな予感を感じる今日この頃であります。

こういうことって、わかる人にはわかりますが、わからない人には到底理解できない不思議な力なのであります。

次回記念切符「2・2・22」は17日ネット販売開始予定でございます。

早く買わないと無くなっちゃいますからね。

さあて、次は何を作りましょうかね。

おっ、開業5周年記念特急券なんてどうかな。
並行在来の特急券ってのもなかなか貴重な気がしますから。

いかがでしょうか。

買いますか?

私なら買いますよ!
だって、自分で自分が買いたくなるような商品を作るのですから。