ローカル線のファーストクラス

8月11日、25日に運転する「レストラン・キハ」のイタリアン・ランチクルーズ。
いよいよ、明日12日発売開始します。
ランチクルーズご乗車のみ 11000円 いすみ鉄道WEB SHOPでの発売。
羽田空港からのバスツアーとしての発売 14000円 JTBサイトでの発売。
URLは明日、いすみ鉄道ホームページでご案内いたします。
発売席数は合計20席。
【お申込みに当たりご理解いただきたいこと。】
これは大人の旅ですので、乳幼児を連れてのご参加はできません。
また、小学生を同伴することは可能ですが、小学生でも1人分としてのお申し込みが必要です。
参加料金は、大人、子供、同額です。
アルコールを含めたフリードリンク制です。
ワイン、ビール、カクテル類、いすみ鉄道沿線の地酒をご提供します。
ソフトドリンクはお茶、ウーロン茶、オレンジジュース、ソーダ(ペリエ)、コーラなどになります。
フリードリンク制ですので、アルコールを召し上がらない方も同額です。
今回はイタリアンのご提供です。
アレルギーのある方、特別食を必要とされる方への対応はできません。
お申込みいただきました方へは、ご満足いただける内容となります。
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ローカル線にファーストクラスを設定しよう。
そして、その車内で地元の最高級の食材を使用したおいしお料理をお召し上がりいただこう。
こういうサービスを考え、その価格を1万円以上に設定しました。
こういうことをやろうとすると問題になるのが、「はたして1万円以上払って列車の中でお料理を食べようと思う人がいるかどうか。」ということです。
私はマーケティングの専門家ではありませんから、詳細なリサーチをしたわけではありませんが、私の判断基準は、「自分だったら乗ってみたいと思うかどうか。」なんです。
だから、私がプランする企画や商品は、700万円の運転士も含めて、自分ならお客様になりたい。自分なら買う。ということが基準です。
そう考えると、1万円以上のお金を払ってでも列車の中でおいしいお料理をいただきたいという需要は、首都圏のマーケットには確実に存在する。
問題なのはこのサービスが浸透するまでは、ある程度苦戦が予想されるだろうなあということになります。
私はそれを見越して、1両丸々食堂車にするのではなく、予約の数だけ仮設のテーブルを設置してお食事にお料理を提供して、空席の部分は通常の指定席として販売しましょうと考えています。
キハ28には4人掛けのボックスシートが12ボックスあります。
この12ボックスのうち、例えば10名様のご予約であれば5~6ボックスを食堂として使用し、残りの6ボックスを通常の指定席として販売するのです。
この方式であればフレキシブルに対応できますし、指定席にお座りいただいたお客様に「おいしそうなものを食べてるなあ。」と見てもらえるから、「今度乗ってみよう。」という気にもなるでしょうから、だんだんと浸透していくんじゃないでしょうか。
とは言っても、ファーストクラスのお客様の需要はある程度限られます。
何しろ1万円払ってお昼ご飯を食べようとする人が、いすみ鉄道のお客様の中にどれだけいるかというと、すでにいらしていただいている鉄道ファンの皆様には一般的じゃないかもしれないので、新しい需要を創造しなければなりませんから、たぶん今の段階では半分ぐらいしか埋まらないと考えるのが正しいと思います。
ただ、サービスには種類が必要ですから、駅弁(1000円)、懐石列車(5000円)、そしてレストラン(10000円以上)をご用意することで、選択も広がると考えています。
私の基本的な考え方は、「今までと違ったことをやる。」ということです。
ローカル線問題は過去40年間にわたって取り組まれているけど、ローカル線は相変わらず地域のお荷物になっている。
つまり40年もやっていて解決していないのがローカル線問題ですから、今までの取り組みと同じことをやっていてはこの先も何も解決しない。
だから、今までと違ったことをやらなければならないというのがローカル線対策です。
ムーミン列車(女性がターゲット)、キハの旅(オンボロ車でも演出の仕方で主役になれる)といったことは、今までとは違うやり方です。
そのオンボロディーゼルカーの車内で最高級の食材を使用したイタリアンをお召し上がりいただくというのも、今まででは考えられなかったことです。
だから、そこに可能性を見出して、じっくり需要を開拓していく。
そのために必要なことは仮設のテーブルを用意したり、クラス類を揃える程度のことですから、当面満席になることは見込めないとしても、いすみ鉄道ぐらいの経営規模の会社にとっても、冒険でもなんでもないわけです。
先日ご招待した友人の一人。ふだんは東京でビジネス需要を考えている彼が、
「田んぼを見ながらワインを飲んだのは初めてです。でも、良いですね。はまりますよ。」と言ってくれました。
そういうコメントをいただくと、そこに需要があるということを確信できるのです。
た・だ・し
私は1万円以上払える人たちだけを相手にしているわけではありません。
近日中にこのレストラン・キハで、カレーライス列車をやってみたいと考えていますので、そちらもどうぞお楽しみにお待ちください。
毎週1万円のレストランが満席になる日は、まだまだ先のことですから、それまでの間は、1000円位の予算でカレー食堂も良いと思いますよ。
まもなくキハ・カレーの第2弾。ビーフカレーがキハ28パッケージで登場しますからね。