このところ、攻撃的ですね。

いすみ鉄道の起源である夷隅人車軌道の開業からこの12月で100周年を迎えました。
先日、大多喜町主催でその人車軌道百周年イベントを行いましたが、これは今年の初めから私が 「人車軌道百周年イベントをやるぞ!」 と言い出して役場を先導して行ったもので、町の人たちはというと、どうも無関心というか、大多喜は歴史の町で本多忠勝で行けばよいと思っている。
私としては、400年も前の将軍様の話もよいかもしれないけれど、今の自分たちの町の中の歴史という点では、おじいさんやおばあさんから直接話を聞いたことがある、人車軌道のような百年程度昔の話は、「手が届く範囲の歴史」として、もっともっと大切にするべきだと思うわけです。
だから、このブログにも「がんばれ大多喜」というカテゴリーを作って、大多喜町にはっぱをかけているわけです。
私のブログを読んでくださっている方から、「社長はこの頃攻撃的ですね。」と言われそうですが、私は攻撃的でもなんでもなくて、実際に起こっていることをわかりやすくお話ししているだけのことなのです。
強いて言うならば、大多喜の町の中の人たちが、「いすみ鉄道の社長はけしからん!」と頭から湯気を出して駅に乗り込んで来れば、少しは大多喜町の発展への糸口になると思っているけれど、残念ながら、今のところそういう人もだれ一人いません。
みんな、腕組みをして、様子をうかがっているんでしょうね。
これが城下町を自認する大多喜の人たちの気質かもしれませんが、そんな超ローカルな気質などはこれからの時代は通用しないというか、だれも相手にしないということは、おじいさん、おばあさんと呼ばれる年代の人たちには、たぶんわからないのだと思います。
さてさて、私が大多喜という町には最大の可能性があるとよく申し上げている理由は、来年に予定されている圏央道の延伸による東京からの時間距離の短縮が大きな要因で、東京からの時間距離の割には大多喜には都会の人たちの喜ぶ素材がたくさんあるから。
大多喜は過疎地に指定されているワイルドな地域ですが、その過疎地に羽田空港から45分程度でくることができるようになるのですから、最大の可能性があることは確実なのです。
これは、地勢学的に見て町を褒めているもので、そこに住んでいる人たちに可能性や将来性があるかというと、はたして「????」となるわけですが・・・・
(と、また憎まれ口をたたいてしまいますが。)
いすみ鉄道沿線には、大多喜町を始め、いすみ市、勝浦市、御宿町などたくさんの自治体がありますが、そのどれもが地盤沈下していて、人口の減少、少子化高齢化に悩んでいます。
そういう状況の中で、それぞれの自治体が、それぞれ生き残りをかけていろんな取り組みをやっているわけですから、以前にも申し上げましたが、町おこしというのは中学3年生の受験勉強と同じで、みんなががんばっているのですから、いくら頑張っても容易に成果は出ないのですが、だからといって頑張るのをやめてしまうと、あっという間にレースから転落してしまう状況にあります。
そんな中で、例えば勝浦市では「総合力」を活かして勝浦タンタン麺で全国を相手に勝負に出ている。
いすみ市では役場が移住促進プランを出して、都会からの若い世代の移住者を増やそうとしているわけです。
(移住で重要なのは若い世代を増やすこと。退職者世代に来てもらっても、将来医療費がかさむばかりで、地域にプラスになるどころか、マイナスになるのです。)
御宿はイセエビ祭りを中心とした情報発信で、グルメの町として外からの経済(外貨)を呼び込むことに一生懸命なわけです。
で、大多喜はというと、とりあえず目に見える動きは今のところ無し。
私から見ると、大多喜に一番適していて、容易にできることは、大多喜高校を卒業した学生に地域にとどまってもらうこと。
外からの移住者を増やすよりも、今現在大多喜に住んでいる高校生たちが、卒業後も大多喜から東京の大学に通うことができるようになれば、わざわざ東京に下宿をしなくてもよくなりますから、家計にとっても大助かりだと思います。
それが、圏央道の延伸開業で東京が通学可能な距離になるのですから、こんなチャンスはないわけで、そのために必要なのは高速バス路線の確保と整備。
現状の高速バスは姉崎袖ヶ浦インターあたりから牛久の町中を通ってくるために1時間半も2時間もかかっていますが、圏央道ができたら、大多喜から品川駅付近まで1時間か1時間10分程度になるのですから、充分に通える距離になるのです。
でも今の高速バスの乗車率では、バス会社はなかなか自分たちでバスターミナルを整備して直行バスを運転するところまではGОサインが出ない。それどころか、減便になりそうな可能性もあるわけです。
そういう状況の中で、私はバス会社が高速バスターミナルを整備しないなら、大多喜町が予算を出してでも整備してバス会社にラブコールを送るぐらいでないと、行き詰った現状の世の中を切り開くことはできないと思うわけですが、そういうことがなかなか理解できない人たちがいるわけです。
でも、「そんなことやって何の意味があるの?」なんてことは、ゆめゆめ言ってはいけませんよ。
戦国バサラの話じゃないですが、目の前の提案は自分に理解できないだけのことであって、それを、やらないことに対してのリスクというものがとても大きい時代になってきているのですから。
私が住んでいる佐倉市ユーカリが丘は2年程前から東京駅への高速バスが走り始めました。最初は日に数本、朝夕だけだったのが、今では頻繁に走るようになりました。発着場は特に大きな設備を設けたわけではなくコンビニの駐車場にバス停を付けただけです。
佐倉―東京駅間を1時間10分程度で結んでいる高速バスが便利この上ないと地域の人たちに人気なのですから、大多喜から都心まで同じ1時間10分で行かれるようになるだけで、大多喜という町の地盤がUPすることは明白です。
これが、私が大多喜はものすごい可能性があると申し上げている理由です。
でも、町の将来をどうしようか考える立場にあるリーダーたちが今更東京に用がない田舎の老人ばかりでは、そういうことはわからないのです。
そこが一番つらいところなのですね。
若い人がいない地域はどこかでカンフル剤を打たない限り、そのままDISAPPEARしていくというのが、全国的に見て世の常なのだということです。
こういう現状を見て、私は「ああ、もったいないと。」と思うわけです。
今までの鉄道業界の常識では高速道路が延伸してくると、鉄道のお客様が減るというのがあたりまえのこととしてまことしやかに言われてきていましたが、「本当にそうでしょうか?」というのが私の考え。
高速道路が近くまで来るということを追い風として利用できないようでは、今どきの鉄道会社の経営者としてはどうなのよ、というのが私の常識なのです。
路線権を持っているのバス会社が食指を働かせないようなら、いすみ鉄道が高速バスをやっても良いんじゃないですかねえ。
と、考える今日この頃です。