只見線の現状について

先日、奥会津の金山町からおよびいただき、久しぶりに只見線に乗って会津川口に行った話をお伝えしました。
その時に本名駅のすぐ近くにある鉄橋が破壊された現場を見てきました。
昨年7月末の集中豪雨で沿線のダムが貯水量を越えたため一斉放水したことから、沿線数か所で只見線の鉄橋が流され、1年半近くも不通になっています。
地元の金山町ではダム放水のコントロールミスが原因で、天災ではなく人災だとしているようですが、どちらにしても、地元に大きな被害をもたらしてしまったことは事実です。



これだけの大きな水害にもかかわらず、原発の事故の陰に隠れてあまり報じられていないのが悲しいですが、ここも同じ福島県。
福島県は浜通り(太平洋側)では原発、会津では水力発電と、日本がここまで成長してきたのを裏方として支えてきてくれたことがわかります。
講演会の会場には地元の人に混じって、神奈川県や栃木県から只見線ファンの人たちも動向を見守るためにいらしていましたが、彼らが言っていたことは、「只見線の情報があまりにも少ない。どうなっているのかわからないので、できるだけ情報を欲しい。」ということでした。
でも、ちょっと皆さん考えて見てください。
東北の人たちは冬の間深い雪に覆われるなど、厳しい気象条件の中で長年にわたり暮らしてきています。
皆さん我慢強く、グチ一つ言わずに黙々と生きています。
福島の原発だけでなく、水力発電にしても、皆、耐え忍んでいるような気がします。
だから、私は、そういう人たちに「自分たちから積極的に情報発信してください。」とは言えないと思うのです。
アメリカ型経済追及の副産物として、自己主張したり、我を通したりすることが当たり前になってしまっている今の世の中で、東北の人たちの姿は、私たち日本人が忘れてしまった美徳を見るような気がするのです。
只見線ファンの皆さま、ぜひ、地元の人たちに代わって只見線の情報を発信していただけないでしょうか。
皆さまが只見線で撮影した鉄橋の写真と、水害で不通になってしまっている今の只見線と、写真を比べるだけで「物語り」ができると思います。
美しい日本の原風景の中を走る只見線の現状を、もっともっと発信していただきたいと思います。
今を生きるのに精一杯の地域では情報を発信することは自己責任だなんてとてもじゃないけど私には言えませんから。
只見線ファンの皆様方が代弁してあげてください。
ちなみに私の航空会社時代の友人の吉川さんが発信してる
奥会津金山町観光情報センター「OASIS」のブログはこちらです。
本当は地元の政治家が全国に対して声を大にしてやらないといけないと思いますよ。
天下国家を論じるだけで、出身地の被災状況を見にもいかないような人ではダメですよね。
「建て直しスローガン」の自民党政権に注目したいと思います。