双発機に乗って

双発の飛行機を長距離で運航するに当たっては、さまざまな問題をクリアしなければならないというお話をしました。
エンジンの信頼性が上がっても、事故が起きるのは何もエンジンの不調だけが原因ではないということを言いましたが、6日の晩にB737が突然急降下するという異常飛行があったようです。
巡航飛行中の航空機が突然急降下するなんてことは、乱気流などの急激な気象変化でもない限り通常では考えられません。
自動操縦中であれば、パイロットの体が操縦装置に触れて自動操縦が解除されたのに、パイロットがそれに気づかないでいたとか、間違えて他のスイッチに触れてしまったとか、そういう人的要因が原因であることが十分に考えられますから、エンジンの信頼性が上がっても、人間が操作する以上、十分に注意しなければならないのだと思います。
数か月前にも視界不良の中、旭川空港への進入中にコースを間違えて、山に接近しすぎてしまい、対地接近警報装置で危うく難を逃れたケースがありましたし、奥尻島でも着陸進入中のトラブルがありましたが、こういうイヤなケースが続いているのが気になりますね。
さてさて、そんな中、双発機に乗って鹿児島へ行ってきました。
目的は肥薩おれんじ鉄道。
九州新幹線の鹿児島開業時に並行在来線の鹿児島本線を転換した路線。
海岸線を走る風光明媚な区間が特徴の、とても素晴らしい路線です。


全長120km近くありますから、地元の利用客だけの運賃収入では採算が合わないのは目に見えています。
○○本線というような路線は、国鉄時代からずっと長距離利用者のための路線という性格があり、鹿児島本線も鹿児島の人が博多や熊本へ行くための、さらに昔は大阪や東京に行くための輸送(またはその反対)が中心でしたから、もともと地元の人たちの利用は少なかったのです。
新幹線が開業して、その長距離利用者が皆新幹線に乗るようになったのですから、旧鹿児島本線といえども、電化設備があるのにもかからわずディーゼルカーが1両で走るいすみ鉄道と同じ輸送力で間に合ってしまうのです。
ただ、この写真をご覧いただいてお判りいただけますように、すばらしい路線です。
そして、中国、韓国、台湾から見て、一番近いところにある日本が九州ですから、わたくし的には、ものすごく可能性がある鉄道だと考えています。
関東の人は成田空港が日本の玄関口だと考えていますが、アジアの国々から見ると、九州が日本の入口。だからチャーター便などもたくさん飛んでくるのです。
経営幹部の方々とお話をさせていただく機会をいただきましたが、彼らの物の見方、考え方にすごく共感するとともに、勉強になりましたよ。
ここにも、地元の人が無理して乗らなくても、他に可能性がある鉄道がありました。
そうそう、鹿児島に2泊して、列車三昧でしたが、そのまま鹿児島から帰ってくるのでは物足りないので、九州新幹線で博多へ出て、福岡空港から羽田に戻りました。
3月に開業した九州新幹線の新八代―博多間は、初めて乗る区間でしたが、その車中、新八代の手前ぐらいで記憶喪失状態になり、気が付いたら博多南付近でしたので、せっかくの初乗りが初乗りといえない状態になってしまいました。
やっぱり、ちゃんと目を開けて、景色を見ていないと、私の定義では初乗りしたことにはならないのです。
もう一度行かねば。