マックが業績不振らしいですね。

あなたはマックですか? それともマクドですか?
短縮形としてはマクドではなくてマックが正しいのですが、それはどうでも良いとして、この間、テレビを見ていたら、マクドナルドが業績不振らしい。
私は最近体調不良と体重増加でマック禁止のため、ここ数か月、そうですねえ、夏以来、お店に立ち寄ってもいませんから、どういうメニューが、いくらで売られているか、ということがよくわかりませんし、お店自体の雰囲気や空気を感じることもできませんので、詳しいところはわかりません。
でも、何となく「たぶんそうだろうなあ。」と思うことがありますので書いてみたいと思います。
不景気が長く続いた日本では、マクドナルドのハンバーガーはありがたい存在でした。
ハンバーガーが80円。チーズバーガーが100円という価格設定の頃は、ハンバーガーを2つも食べればとりあえずお腹が満足しますから、牛丼よりも安くお昼ご飯を済ますことができ、あとは水でも飲んでおけばとりあえずひもじさはしのげるということで、お小遣いを削られたお父さんにも強い味方だったわけです。
そのハンバーガーを単品で買って、カウンターで「水を下さい。」と言ったら、「当店ではお水は差し上げておりません。」と言われたなどという投書が新聞に載っていたのが懐かしく思い出されます。
今、中学生の末っ子がまだ保育園に行っていた10年ほど前に、保育園の「お迎え」の帰りにショッピングセンターの中にあるマックでその子にポテトを食べさせていた時のこと。
ダダダッとお店に入ってきた小学生が、カウンターのお姉さんに向かって「すみません。水下さい。」と叫んでいました。
新聞記事を読んだすぐ後だったので、お姉さんが水をくれるかどうか私も気になってカウンターの方を振り向いたところ、その声の主は当時小学校高学年だった我が家の3男で、カウンターのお姉さんからお水を受け取って一気に飲み干すと、私には気づかずにお店を走って出て行きました。
その3男が後に都の西北に通い始めたときには日本の大学もずいぶん変わってきたなあと思いましたが、彼もすでに大学を出て社会人になり、独立して家を出ていきました。
まさか、今でもマックで水をもらっているとは思いたくありませんが、新聞に投書した貧乏サラリーマンと同じ行動を自分の息子がとっていたことに、その時の私は強い衝撃を受けたものです。
そんな時代がバブル崩壊後長く続きましたが、日本はいよいよ好景気の時代を迎えようとしています。
はっきり景気が良くなると確約できる保証はありませんが、景気というのは「気」ですから、あくまでも気持ちの問題であって、全国的に見ても何となく皆さんの財布の紐がゆるくなってきているんじゃないでしょうか。
そんな時代を迎えていますから、庶民は少しだけ贅沢志向になってきて、今までさんざんお世話になってきたありがたい存在のマクドナルドに背を向けて、少し高級志向の食事に目覚めてきているのかもしれません。
そのような傾向がみられるときには、同じマクドナルドの店内で、それまでベーシックなハンバーガーを注文していた人が、単価の高いテリヤキになったり、ダブルバーガーになるというような高額商品への移行ではなくて、人々はマクドナルドそのものに行かなくなる。
もっと高級と思われる店に行くことになるわけで、商品の価格ではなくて、マクドナルドというお店自体が不景気を背負ったブランドとしてとらえられていることだと思います。
そういう時に、価格を見直して事実上の値上げをすれば、更に客足は遠のくというもので、私から見ると、トップに君臨する外人のお姉ちゃんマネージャーの戦略は少しずれているんじゃないかと思ったりします。
まして、その値上げをした価格をよく見ると、セット価格がやたらに高額になっていて、単品で買った方がはるかに安く買えるような設定になっていますから、価格に整合性が見られなくなっている。
例えば単品で120円のハンバーガーが、ドリンクとポテトが付いたセットで400円以上します。これならハンバーガーを3~4個食べた方がずっと腹持ちが良いし、牛丼屋へ行った方が安上がりなわけですから、メニューそのものではなくて、お店の看板自体が低価格ブランド化しているということに早く気が付いて、それなりの対策を立てる必要があると思うわけです。
このように、景気が良くなってくると、それまで低価格で頑張って庶民を支えてきてくれたブランドが、その庶民から見向きもされなくなるわけですが、以前にもお話ししましたように、これは日帰り観光地も全く同様で、景気が良くなると皆さん高級志向になりますから、北海道や沖縄へ、そして外国へと心が向いてしまい、日帰り観光地は見向きもされなくなるわけです。
そういう傾向を目の当たりにすると、消費者というのは何と身勝手なのだろうと思わなくもないですが、それが世の常であって、時代の変化、時代の流れですから、商売をやる方としては、お客様が逃げ始めたら、その逃げて行く方向を見極めて、先回りして網を張るぐらいでないと、生き馬の目を抜くような時代には生き残れないということなんですね。
だから、日帰り観光地もそうですが、ローカル線も、路線の長さが決まっていますから、自分から商品を引っ下げて出かけて行くことは不可能で、難しいというか、岐路に立たされているということなのです。
でも、だからと言って何もしなければそれで終わりですから、何とかしなければならない。
日帰り観光地が自分から商品を引っ下げて出かけることは本当に不可能なのかどうか。
やってみようじゃないか。
そういう気持ちで行動に出たのがいすみ市の観光課です。
いすみ市の観光課は昨年暮れの忙しい時を狙ったかのように、横浜元町のシルクセンターにある神奈川県のアンテナショップと手を組んで、商品の売り込みに出かけました。
直接的にこれでいくら稼げるかということではなくて、将来芽が出るタネを今から蒔いて仕込んでおくという点では、すばらしい、勇気と行動力に満ちた企画だと思います。
こういうことの積み重ねが大事なんじゃないか。
いすみ鉄道も商品を引っ下げて、もっともっと都内に出て行く。
今年は都内に拠点を設けるぐらいじゃないと生き残ることはできないのではないか。
今年に入ってローカル線の環境がますます厳しくなっていることを実感しながら、そろそろ決断をしなければならない時期に来ていると実感している今日この頃であります。

いすみ市商工会の出口会長(右)のFACEBOOKページから。
ちなみにマクドナルドの短縮形は「マック」が正しいという根拠は「ビッグマック」や「マックフライドポテト」という商品名を見ればおわかりいただけると思います。
「ビッグマクド」とか「マクドポテト」とは言いませんからね。
でも、だからと言って私は別に「マクド」と呼ぶ地域をバカにしているわけではありませんよ。
大切なのは、そういう呼び方の議論ではなくて、自分の足でマクドナルドの本場へ出かけて行って、自分の目でどういうメニューがいくらで売っているかを知ることと、本場のマクドナルドでちゃんと自分で注文して、注文した商品がちゃんと目の前に出てくること。
勝手知ったるマクドナルドでも、自分の頼んだものがちゃんと出てくるってのは、これがなかなかできないんですから。
ね、K課長。
なんだか話が横道にずれてしまいましたが、毎日食べてるマクドナルドのハンバーガーでも、客観的に見ることが大切であるということで、それができるようになると、また、別の意味で新しい戦略が練れるようになると私は考えています。
さあ、明日は今年初の「港の朝市」が開催されます。
皆さん、いすみ市の大原漁港へお越しください。
新しい発見が皆様をお待ちしています。