手を抜く人、抜かない人

ちょっと見てないと手を抜く人がいますね。
決められている手順をやらなかったり、きちんと守らなかったり。
電車の運転の話ではありません。
まあ、それも含まれますが、仕事一般のお話です。
例えば、ファミレスに入ったとします。
ウエイトレスさんがテーブルを丸く拭いたり、コックさんが付け合せのパセリを適当に盛り付けたり。
見てないからいいやとか、まあこんなもんでしょう的な、そういう仕事をする人がいます。
白手袋と呼ばれる人たち。バスやタクシー、トラックの運転手さんなど、プロのドライバーの皆様方のことですが、昔はこういう白手袋と呼ばれる人たちの方が出鱈目な運転をしていました。
今ではだいぶ良くなりましたが、それでもまだ運転のプロと呼ぶにはあまりにもふさわしくない人たちを見かけます。
逆に、人が見ているときだけちゃんとやる人もいます。
テレビの取材が入ると、急に頑張っちゃう人とか。
食堂で、芸能人が来て撮影のときだけ、いつもよりも料理の食材が大きくなっていたりとか。
そういう商売をする人、結構いると思いますが、いかがでしょうか?
人が見ているときだけ頑張るような人は、誰も見ていないと手を抜く人で、そういう人が提供する仕事は薄っぺらで、クオリティーが低いです。
だから、私としてはそういう人に大事な仕事を任せたくありませんし、そういう人とは一緒に仕事をしたいと思いません。
自分が気に入った仕事の時だけは上機嫌で、とてもナイスなサービスを提供するけれど、自分が嫌いな仕事のときは「やりたくありませんオーラ」が出ている人も結構います。
高校生のバイトだって今どきそのぐらいのことは心得ているんですけどね。
その人にモチベーションを与えて、気分良く働いてもらおうと考える時間的、金銭的余裕があれば良いけれど、ビジネスのシーンではそんなことは言ってられない時がありますから、そういう時は、モチベーションの低い人は使わずに、傍らにいる気が利いて使える人に仕事を頼みます。
彼女とデートだとか、昨日夫婦げんかしたとかで、仕事の態度が違う人も困りますね。
そういう個人的なことをいちいち顔に出すようでは、社会人としてどうなのでしょうか。
だから、私はそういう人とは仕事で組みたくありません。
仕事ができる人とできない人には分岐点があると思います。
学校を卒業して、社会人になるスタートラインの時点では同じでも、月日が経つにつれて仕事に差が出ます。
その違いはなんなのでしょうか。
その人の能力でしょうか。
いや、違うと思います。
能力的にはたいした差はありません。
分岐点になるのは、「自分で考えるかどうか。」ということ。
与えられた仕事を、ただ言われたとおりにこなしているのが仕事だと思っている人と、与えられた仕事を自分なりに工夫して、「どうしたら同じ時間でたくさん仕事ができるか」とか、「どうしたら同じ量の仕事を短時間でできるようになるか」などを自分で考え始めるかどうかというところです。
能力があっても、勉強ができても、自分で考ることなく、受け身の仕事をしている人は意外にたくさんいるものです。
能力が平均より劣っていても、一生懸命工夫して、自分で考えて仕事をしている人もたくさんいます。
私は後者と仕事をしたいと思います。
なぜならば、私の仕事は誰からも与えられないから。
私は社長ですから、私に向かって「ああしろ、こうしろ」という人はいません。
ということは、私は自分で考えて、自分で仕事を作り出していかなければなりません。
そうしなければ私の仕事は無くなるのです。
だから、私は自分で考えて、自分で仕事を見つけて、それを実現していく人であれば、どこの学校を出ているとか、勉強ができたとかいうことは関係なく、一緒に仕事をしたいと思います。
私の信友のカケス団長も全く同じです。
彼も経営者ですから、誰も彼に仕事を与えません。
自分で仕事を見つけて、自分で仕事を作り出して、それでその仕事をとことん完成させるのが彼の仕事です。
そういう2人が、ゼロからスタートしたのが今年の居酒屋列車です。
別に居酒屋列車なんてやらなくたって誰も困りません。
でも、空いてる時間、空いている車両を見つけて、この日にこういうことをやろうと企画して、きっとお客様がいるはずだ、と値決めから算段して、いらしていただいた方には絶対満足してもらおうという心意気で始めたのが今年の居酒屋列車です。
去年まではビール列車でしたが、最近ではビール列車は都市交通でもやってます。
わざわざ田舎まで来て、乗ってもらうのですから、地元の食材を使用したおいしいお料理を召し上がっていただこう。それも団長の手料理で。
こういうところに潜在需要があるだろうと確信して、そこにピンポイントにスポットを当てて、獲りに行く。
これが需要の開拓です。
おかげさまでお料理付コースは9月運転分まで満席ですが、飲み放題コースなら当日申し込み(午後3時まで、大多喜駅で申し込み可能)も数名なら受付可能です。
本来需要がないところにあえて需要を作り出す。
これがローカル線ビジネスの基本です。
だって少子化と高齢化で、地域に人はいないのですから。
ということであれば、田舎の町だって条件は同じはずです。
そこを何とかしなければ、将来的には存在することさえできなくなるのです。
だから私たちはそれをやっているのです。





▲私の高校時代の同級生、東君ご夫婦も都内からわざわざ乗りに来てくれました。
いつも応援してくれてありがとうね。
(写真提供:松浦展さん、川田光浩さん)
私たちは手を抜きません。
なぜならば、社長である私と、応援団長であるカケス団長がいっしょにやるからです。
家庭の事情はいろいろあるかもしれないけれど(ないかもしれないけれど)、プロの料理人としての仕事をきっちりとこなすカケス団長が作ったお料理を車内でお出しして、自分が飲みたいのをグッとこらえて私がサービスする「居酒屋列車」です。
どうだ! これでもか! の居酒屋列車です。
座席供給数が少ないので、どうしようかなあと考えているうちに満席になってしまう居酒屋です。
次回の運転は8月22日になります。
車内は昭和の歌謡曲がBGMに流れてますよ。
今から楽しみですね。