経済新聞を読まない町

今週、経済新聞が私のことを取り上げてくれています。

月曜から金曜まで、全5回。
全国展開です。(笑)

シリーズで全5回。
学生時代のことから前職時代のことなど、たくさん書いてくれています。

全国から友人たちが「読んだよ。」と連絡してきてくれています。

でも、不思議なことにこの町では誰も何も言いません。
話題にも上りません。
町中もそうですし、会社でもそうです。

地元のタブロイド紙なら皆さん読んでいて、紹介された翌日には地元の商店街を歩いていると、「社長、新聞に出ていたね。頑張ってるね。」と町の人たちが至る所で声をかけてくれます。

それはそれでありがたいやら、恥ずかしいやら。

でも、経済新聞に出ても、何の反応もありません。

今日は木曜日でしょう。
月曜日から全5回特集していただいて4回目ですからね。

経済人の集まりのようなところへ出ても、何の反応もない。

別に、「私のことを振り向いて」とナルシスト的なことを言ってるのではありませんよ。
人さまから注目を集めたいとも思いませんし、できれば面が割れない方が良いですから。
綺麗な女の人と隠れ家的なレストランへ行くこともあるかもしれないし、いろいろと、個人的な行動もありますからね。

そして私は経済新聞の信者でもありません。

世の中にはいるんですよ。
経済新聞信者が。

就職活動中の学生の必須アイテムだから、経済新聞を読んでいることをこれ見よがしに見せびらかそうとする学生さんとか。

あのね、就活の必須アイテムだって言ってるのは経済新聞のCMですから。
踊らされてるだけだってことに気が付かないと。

だって、経済新聞には過去のことしか書いてなくて、でも経済は明日どうしていくかということを実践しなくてはならないのですから。

と、都会にいるとある意味イヤになるほど町中を闊歩している経済新聞。
でも、ここではまるで異次元のように、誰も読んでいない空間があるのです。

新潟県って、テレビ東京映らないんですよ。
だから、「カンブリア宮殿」とか「ガイアの夜明け」とか言っても、誰もピクリともしない。

たぶん私はカンブリア宮殿とガイアの夜明けの両方に出た数少ない人間でしょうけど、そういうことが全くこの地域ではピンと来てもらえません。

だから、経済新聞に5日間連続で取り上げていただいても、何の話題にもならないのでしょう。
東京はもとより、北海道から九州まで、友人たちが話題にしてくれているのに。

たぶんここでは世の中の動向に興味がないのでしょう。
そして、そんな情報などなくても誰も困らないのですね。

でも、昨日も書きましたけど、今の世の中、「昨日と同じ明日は来ない」のです。
「昨日、今日の延長線上に、明るい明日はない」のです。

もっとも、この地域は古くから農業が盛んで、江戸時代からそれで生きて来ていますから、きっと皆さんこれからもそれで行けると思っているかもしれませんし、昨日と同じ明日が来るということに何の疑いもないでしょう。

でも、この地域の農産物が日本一品質が良いと言われているのはもうすでに過去に時代になりつつあるわけで、今年の出来は目を覆うばかり。
観光と言えばウインタースポーツですよと思っているかもしれませんけど、「いつまで雪が降ると思ってるんですか?」と問われているのが今なのです。

そう考えると、昨日と同じ明日は来ないというのは世の中の流れなんですけど、10年、20年のスパンで変わってくるから、皆さん気が付かないんでしょうね。

そういうのを「ゆでガエル」というのですけど。

繰り返しますが、別に、「俺が新聞に出てるのに何で気付いてくれないんだ!」という話ではありませんよ。
そして私は経済新聞の信者でもありません。

そうじゃなくて、極めてシンプルに「大丈夫か? この町は」と私は思うのであります。