病気の人たち

日本全国のローカル線は病気にかかっています。
何らかの治療をしなければ、いずれお亡くなりになってしまいます。

私はそうならないように、その病気を治す医者のような存在。

時々そんな風に思うことがあります。

2009年に前職に就いた時は、病人は余命1年という宣告でした。
だから、時間との勝負。
なりふり構わずいろいろなことをやって、つまり治療した。
そうしたらその甲斐あって、1年という余命宣告は消えました。

次にやったことは、何とか力を付けて体力を回復させて一人で立って歩けるようにすること。
みんなで支えて、何とか立たせて、そうして継続的に栄養を得られるような仕組みにして、もう大丈夫だということろまでに9年かかりました。

9年かかった成功例を得ると、ローカル線という病人に対してある意味その治療法は正しかったとみんなが思うようになって、同じ治療法が広がって、とりあえず病人本人にその病気を治す意思がって、家族に支えようという愛があれば効果が出るようになりました。

そうしたら今度は次の病人の治療。
でも、私は偉いお医者さんが言うように「私に任せておけば大丈夫。」などとは一切言わないことにしています。

なぜなら、かかっている病気が皆さんそれぞれで、置かれている環境もみんな違う。そして本人に治す意思が無かったり、体力が残っていなかったり、家族が支える意思が無かったり、いろいろな環境があるから、そういう環境をじっくり見定めて、手術がいいのか、投薬がいいのか、漢方がいいのか、いろいろ考えて、一番適した方法を取ります。

例えば、旧国鉄形の車両を持ってきて走らせれば病気は治る。
これは私が編み出した治療法の一つで、前職の時も今も、同じ治療法で効果を上げているのは誰の目で見てもおわかりいただけると思いますが、では、同じ方法で他の鉄道がV字回復して病気が治っているかというと、そうじゃないでしょう。

それはなぜか。

その病人の置かれている環境が違うからで、本人に治す気が無かったり、医者の言うことを聞かなかったり、家族が協力しなかったり、いろいろな環境を考えてその病人には何が適しているのかを見極めて、治療中もきちんとケアして手術なり投薬なりを行ったら、その後もちゃんと面倒を見て正しい方向に行くかを見極めるまで行わなければ、「もう大丈夫ですね。」というところには到達しないのです。

出血していたら輸血が必要でしょう。
でも輸血する前にはまず出血している箇所を見極めて、その出血を止める。
そして輸血したら、ハイお仕舞いじゃなくて、感染症対策や体力回復まできちんと経過を見て、退院できるまで見守るのが医者でしょう。

そのためには目の前の病人をよく見て、何がダメでそうなったのか。治すためには何が必要なのか、どういう計画で治療を行うのか、ということを1例1例観察して、病人の状態によって、有効で最短の治療を施すのがお医者さんだと私は思います。

ということで、先日も書きましたが、トキめき鉄道は就任してからじっくりと観察をして、病気の原因を突き止めて(実は最初からある程度目処はつけていましたが)、その間体力が落ちないように気を付けながら治療方針が見えてきて、いよいよこれから本格的な治療を始めましょうというところまで来るのに3年かかったのであります。

そして、今考えているプランをきちんと実行出来れば、あと3年もすれば何とか治療を完結できて、さらに3年もすればきちんと一人歩きできるようになるでしょう。
ということはやっぱりここも9年かかるのか。

ということは私の人生はそれで終わるのか。

でも、まあ、それも良しとしよう。

などと考えているのですが、それはもちろん医者としての私の力量を病人本人と家族が認めてくれて、引き続き治療を依頼してくれるかどうかという問題があるわけで、彼らかセカンドオピニオンを求めていろいろ動いているような気配も感じられる中、私は病人にとって最善で最短の方法を一生懸命探しているのであります。

まぁ、私としてみれば、全国いたるところの病人の症例を見ているわけで、治療に失敗してお亡くなりになった病人も多い中、どうしたら良いかを考えて、治療の目安もたてているのですが、当の病人ご本人とそのご家族は病気になるのは初めてのことですから、この医者を信じてよいのかわからないという疑心暗鬼になるのはもちろんで、それはそれで仕方がないことなのでありますが、そんなこともあってこのところ少々疲れ気味なところへもってきて、なんとなんと、今日はまたたくさんの病気の人たちが私の所へ押しかけて来たのであります。

平日にもかかわらずやって来たたくさんの病気の人たち。
彼らは私の所へ救いを求めに来ているのです。
まるで迷える子羊のように。

まあ、なんだかよくわかりませんが、たくさんの看板や鉄板類を持ってきて、こうして電車に取り付けて喜んでいるのでありますが、これは立派な治療方法なのです。

ほらね。
病人が笑顔になるということは回復への一歩ですから大事なことなのです。

でも、病人の治療を他の人に見せるわけにはいきませんから、電車はわざわざ人目につきにくいこんな遠くに停めて見たり。(爆)

でも、大丈夫です。
この病気は移りませんから。

この病気はある特定の遺伝子を持った人が発症する傾向があって、皆さん同じ遺伝子を持っている人たちだということがわかっています。
成人男性のだいたい10人に一人はこの遺伝子を持っていて、あとは人によって発症したりしなかったりはありますけど、もう一つ言えることはこの病気は人間がかかった場合には命まで取られることはないということ。

まぁ、だましだましこの病気と付き合っていけば、死ぬまで生きることは確かです。
でも、命は大丈夫でも仕事を失わないようには注意してくださいね。
何しろ今日は平日ですから。

どうですか。
こうやって全国からたくさんの病人が集まってくるということは、私は名医だということでありますから、初めて病気にかかっている沿線地域の人たちも安心して私に治療を任せれば、トキめき鉄道の病気も必ず治るのであります。

あぁ、今月はこういう人たちがあと40名様ほどいらっしゃるというご予約をいただいております。

私に治療していただきたいとお考えの病人の皆様、いくらでもお引き受けさせていただきます。
ただし治療費はきちんといただきますよ。

ご希望の内容にもよりますが、ベーシックコースで20万円位から。
1人あたりに換算すれば、お安いものじゃありませんか。

ただし、遺伝的原因による病気は完治はいたしません。
少しの間癒されるだけですが、それでも、良いんじゃないですか。
こういう医療機関があるだけで。

私は自分の病気はそっちのけで、人様の病気の面倒を見ているのであります。
つまりはエッセンシャルワーカー。
すべては世のため人のため、日本の将来のためなのであります。

ご希望の方はお問い合わせください。
受付窓口は春田部長です。