今日は福島県三島町で行われました「只見線応援ミーティング」に参加させていただきました。
この会合も第8回になるんですね。
思い起こせば私が最初に参加させていただいたのは2012年12月。
2011年に大雨でダムの水が放水されたことによりその水勢で鉄橋が何か所も破壊され、会津川口と只見の間は今でも列車が走っていませんが、当時は東日本大震災の陰に隠れて、この水害は大きく報道されることなく世間ではあまり話題になっていませんでした。
「只見線はもうだめだろうなあ。」
「復旧なんてありえない。」
誰もがそんな気持ちになっていたところに私が呼ばれて、「ここはとても素敵なところです。」「只見線はローカル線の横綱ですよ。」とかなんとか、口から出まかせのようなことを並べて沿線の皆様を元気付けるようなことをしたのが始まりでした。
その後、いすみ鉄道のキハやムーミン列車が大きく話題になり、観光鉄道ということが注目を浴びるようになって、列車の中でレストランを始めたり、いすみ市の皆様方が大原漁港の朝市をスタートさせたりすると、「ローカル線は観光資源だ。」とか、「ローカル線を使えば『稼ぐ観光ができる』」などという話題がどんどん広がって、JR各社が豪華観光列車などというものを走らせる時代になりました。
ローカル線を取り巻く環境がどんどん変わっていって、誰も乗らないような人里離れた路線ほど観光資源としての価値が高いというようなことが常識として皆様にご理解いただける時代になりました。
福島県も本腰を入れて上下分離という考え方に取り組む姿勢を見せると、JRも「では直しましょう。」ということになって、只見線の会津川口-只見間の不通区間は、今急ピッチで復旧工事が行われています。
当初の不安な状況から見ると、ウソみたいな話ですよね。
本日の会合の様子です。
テーブルごとに分かれてのワークショップも行われました。
なんだか偉い先生方もお見えになっていらっしゃいました。
復興副大臣の菅家一郎代議士。
手前に写っているのは福島県議の小林昭一さん。(上の写真)
下の写真は新潟県議の澤野修さんです。
今回すごいと感じたのは新潟県からも参加していること。
只見線といえば福島県と思いがちですが、小出側は新潟県ですから、新潟県でも只見線の復旧をきちんと考えているということで、県境を越えた広域連携になっているということです。
「おっ、トキ鉄の社長さんだ。会いたかったんだよ、あなたに。」
と新潟県議の澤野先生とツーショット。(笑)
2012年12月の初訪問からまもなく8年ですが、8年前から見ると世の中が本当に大きく変わったことを実感しました。
なぜ、只見線がここまで進展してきたか。
私なりにわかっていることがあります。
それは何かというと、手前味噌になりますが、只見線沿線の皆さん方は私が申し上げたことを素直に聞いてくれて、それを実行に移してきてくれたからです。
いすみ鉄道社長時代からいろいろな地域で鉄道を使った活性化の相談を受けてきました。私は自分の直接の仕事ではありませんでしたが、ローカル線を抱える沿線地域が元気になるということは、日本という国のためになることと考えて、時間を割いて各地を回り、いろいろお話をお聞きして、できるだけ実情に即したやり方を伝授してきました。
でも、そこには別れ道があって、アドバイスされたことをきちんと実行する所と、アドバイスは聞くけどその通りにやらないところという2つがあります。
私は必ずもう一度出かけることにしていて、その時にきちんと実行しているところがあるのと、そうでないところがあるのを目の当たりにしてきました。
只見線沿線の皆さん方は、私がお話しさせていただいたことをきちんと実行されていて、だんだんと話題になって来て、全国区、そして今では海外からも注目されるようになって来ているのです。
別に私がアドバイザーとして素晴らしいという話ではありませんよ。
人の話を素直に聞いて、それを実行に移す人たちというのは、私の話だけじゃなくていろいろな人の話を聞いて、それを取り入れる気質がある地域ということですから、つまり、学習力が高いのだと思います。
その代表選手がこの方です。
星賢孝さんです。
星さんは只見線の写真を撮り続ける方ですが、積極的に情報発信をし、東京都内で個展を開き、今では台湾でも有名人になりました。
とても積極的に活動されているお一人。
今や世界の星賢孝! です。
発売されたばかりの最新号の旅行雑誌を手にする星さん。
もちろん表紙は星さんが撮影された紅葉の只見線です。
今ではメディアから引っ張りだこの星さんですが、8年前からお友達として星さんの活動を拝見させていただいていますので、ここまで来たのは当然だと感じています。
只見線の今後の課題は復旧後、どのように利活用して行くかということ。
本日の会合は第8回でしたが、今後の有効活用のためには更なる広域連携が必要ですから、第9回目以降もおそらくまだまだ続きますね。
「鳥塚さん、トキ鉄の雪月花って良いですよねえ。赤はね、雪にも映えるけど緑にも映えるんですよ。全線復旧したら只見線で雪月花走らせてよ。」
皆さん実に積極的で営業上手です。
新潟県の会社を預かる私としては当然「NO」と言えないことを承知の上で、そうやって話しかけられました。
「わかりました。全線復旧時には只見線で雪月花を走らせましょう。」
と、コミットメントしてしまいました。
皆さん、これからもどうぞよろしくお願い申し上げます。
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