最新型の旧型客車に乗りました。

昨日、出かける支度をしていた時のこと。

「今度はどちらへ出張ですか?」と、妻が聞いてきました。

 

「山口県」と答えると、妻は、

「山口県に仕事ですか?」

不審に思ったのでしょう。土日の山口県に仕事などあるはずはないことは妻がよく知っています。

 

「やまぐち号の客車が新しくなったんだよ。それも、昔の古いままの姿で、中身は最新型なんだ。それに乗ろうと思ってね。」

と答えました。

 

すると、我が妻は

「またパクられましたね。では、しっかりと見てこないとね。」

 

ということで、やってきました山口県。

9月に計画していたのですが、台風で中止になって、何とか年内にと思っていたのですが、3日前のキャンセル待ちでやっと指定が取れました。

 

入線してきました。

これが平成29年製の旧型客車です。

5両編成の両端が展望車になっています。

こちらは普通車の展望車。

バリアフリー対応になっている車両です。

ダブルルーフが素敵ですね。

 

先頭の機関車C571は昭和12年製。

年の差80歳の組み合わせです。

 

客車の中に入るとこんな感じ。

座席にはテーブルが付いていてシートピッチも広めです。

窓のつまみはこれ。

懐かしいなあ。

でも、テーブルにはスマホの充電などに使えるコンセントがあるのが現代風。

洗面台はこれまたレトロ。

でも、トイレは最新型。

すごいなあ。

ちょっとレトロっぽい感じで写してみました。

こりゃ最高ですね。

 

とまあ、こんな感じで車内はガラガラだったんで、おかしいなあ。指定券最後の1席って言ってたのに。

そう思っていたら、発車10分前になって新幹線からの接続のお客様で満席になりました。

 

 

途中の仁保駅、地福駅で数分間停車しましたが、こんな感じです。

「やまぐち号」は走り始めて40年になるのに、今でもこれだけの人気。

指定席の発売状況を見ると、1か月前にとらないとなかなか取れないほど満席が続いています。

私の乗った車両だけで旅行会社主催の団体旅行が2つ。

上手に営業してるんですね。

津和野に到着したらバスが3台待っていました。

団体さんは皆さんバスで次の目的地へ。

でも、ほとんどの団体さんが新山口から津和野までの全区間、または湯田温泉ー津和野間と長距離乗車されていました。

これが大井川鉄道の団体と違うところですね。

 

 

津和野で2時間半ほど停車します。

その間に皆さんお食事をされて、発車1時間前から機関車の周りはちびっ子から大人まで大人気です。

 

 

帰りの車両は5号車の展望車。

背もたれが直角でモケットも張られていない板張りです。

こんな戦前の鉄道路線図まで復元されています。

一番後ろの展望車から。

機関車がモクモクと煙を吐いて坂を登って行きます。

後ろにたなびく煙。

これが展望車からの後面展望です。

こうやって坂道を登って行って、トンネルに入るのです。

意外だったのは、この展望デッキに出たままでトンネル内で煙を浴びるお客様がたくさんいらしたこと。

トンネルに入っても平気でデッキにいる。

それもマニア的な人ではなくて女性のグループや小さな子供を連れたファミリーが、入れ代わり立ち代わりデッキに出て、デッキには常に人がいる状態だったことです。

多分、最近の列車では味わうことができなくなったアウトドア感を楽しんでいるんだと思います。

走行中にドアが開けっ放しの旧型客車でさんざん旅行した世代としては、今更感がありますが、40代以下の若い皆様方にはきっと新鮮なんだと思います。

瑞風にも展望デッキがあるようですが、なかなか楽しい仕掛けですね。

 

 

 

日が暮れた新山口駅に到着した列車。

夜はこんな雰囲気です。

最高ですね。

この素敵な客車を造ったのは新潟トランシスさん。

 

そう、いすみ鉄道の新型キハ20を作った会社です。

 

ねっ。だからうちのカミさんが「パクられましたね。」というわけですが、まあ、パクると言っても「コンセプト」の話ですから、つまり、時代の潮流として、こういう世の中になってきたということで、その最先端を行っているのが、実はいすみ鉄道だということなのであります。

 

JRがちょっとだけ本気になるとこれだけ立派な車両ができるんです。

だから、本当に本気になったら、平成版のEF58だって、平成版の583系だって、いくらだってできるんです。

 

いよいよおもしろい時代になって来たなあ。

 

ローカル線に明るい未来が感じられる時代になったということなのであります。

 

本日お世話になりました皆様、ありがとうございました。