今日、陸別で

30年前のドラマに「明日、悲し別で」というのがありましたね。

廃止された上砂川支線の終点、上砂川駅が舞台だった気がします。

 

そして今日、私は陸別で。

 

 

宿泊しているホテルの窓から見たトレインビューです。

 

ここは2006年に廃止されたちほく高原鉄道「ふるさと銀河線」の陸別駅のステーションホテル。

鉄道が廃止になって11年になりますが、ここには今でも駅があって、列車が発着している姿が見られます。

地元の人たちが、廃止された鉄道の駅や線路を利用して、鉄道公園のように今でも列車を走らせていて、全国各地からの鉄道ファンがやってきています。

その理由は運転体験。

本物の列車を本物の線路の上を走らせることができる仕組みがあるからです。

 

交通機関としての役割は終了しているとはいえ、駅の構内を列車が今でも走っていて、その列車の運転ができるとあれば、全国いたるところから希望者がやってくるということです。

そして、北海道の陸別まで来るわけですから、日帰りではありません。当然宿泊もするしご飯も食べる、お土産も買う。

そうすることで、地域が潤うような仕組みが出来上がっているのです。

 

 

 

今日はふるさと銀河線を引き継いだりくべつ鉄道の10周年記念式典がありまして、私も呼ばれて参加させていただきました。

 

 

このりくべつ鉄道は、ふるさと銀河線が廃止された後、先見の明があった当時の町長さんと現在の町長さんが、ふるさと銀河線で使用されていた車両を線路が撤去される前に陸別駅構内に集め、町役場が鉄道公園として整備し、その運営を陸別町商工会が行っているもので、10年継続しているのですが、そのお陰で今ではりくべつ鉄道は全国区となって、全国各地からたくさんの観光客が訪れる観光地になっているのです。

わずか人口2500人の陸別町がやっているとは思えませんね。

 

 

本日の式典で表彰されたこの男性は、りくべつ鉄道での運転体験の記録が100回を超えたということで表彰されたのですが、実は、この男性は神奈川県伊勢原市のお方で、つまり、このりくべつ鉄道にこの10年間で100回いらしているということになります。

そして、その度に町にお金を落としているのですが、この方が100回ということは、他にも数十回いらしている方がたくさんいるわけで、鉄道を廃止してしまったものの、何とか町の衰退を食い止めようとして駅と車両と線路を残したことで、このように都会人に人気のスポットになったのです。

 

私はふるさと銀河線が大好きで、1990年代から2006年の廃止まで10数回訪ねた経験があります。

だから、廃止されてしまったときにはとても残念で仕方なかったのです。

もう少し早く私が力になることができれば、もしかしたら廃止にならなくてもすんがかもしれないと考えて悔しい思いをたくさんしましたが、今日、町役場と議会と商工会が一体となって、銀河線の遺産をしっかり利用して、町おこしをしている姿を拝見して、ホッといたしました。

 

建設当初の役割はほぼ終了しているかもしれませんが、今あるものをどうやって活用するか。

これが地方創生の一歩だというのは間違いないと思います。

 

札幌から330km、函館から540kmも離れたこの場所でもこれだけできるのであれば、日本全国どこの町でもできない理由はないということなのですから、日本の地方創生は鉄道を使えば安泰だと私は思うのであります。

 

陸別町の野尻町長様、金澤前町長様、石橋商工会長様、本日はありがとうございました。

 

明日は地域の皆様の体験乗車イベントが開催されます。

明日もどうぞよろしくお願いいたします。