【報告】 台湾鉄道三昧の旅 3日間

このところ2週続けて台湾国鉄へお邪魔しました。
1回目は大多喜町の手作り甲冑会の皆様方と姉妹鉄道締結1周年を記念した甲冑の贈呈式で。
2回目は交通新聞社の「鉄道ダイヤ情報」助川編集長と私が企画する「台湾鉄道三昧の旅」。
本当は、1回で済ませる予定で、4月の段階で「11月のこの時期」と、甲冑贈呈式と鉄道三昧の旅を並べて予定を入れたのですが、諸般の事情により、両者が微妙にずれてしまいまして、2度行く羽目になってしまいました。
「だったら3日間むこうに滞在してればよいのに。」という方もいらっしゃると思いますが、その3日間に千葉で各種行事が立て込んでいましたのはブログやFacebookでご紹介した通りですので、それほど遊ばせてはいただけないという状況なのです。
さて、今回の鉄道三昧の旅は早朝7時の便を利用するために、皆さん早起きして羽田空港に集合です。
以下、写真を交えながら行きたいと思います。

▲羽田空港出発前。
総勢32名の行軍でしたが、第6回目のツアーで今回初めてご参加いただいた方は9名様のみ。
こういうツアーが6回も続いていて、ほとんどがリピーターというのも珍しい現象のようです。
すでに常連さんはみなさん顔見知りで話が弾んでいます。
こういう時は初回ご参加の方が疎外感を受けないように、なかなか気を使うものですが、初回ご参加とはいっても、いすみ鉄道のレストラン列車には何度もご乗車いただいている方もいらっしゃいましたので、私にとっては「おなじみさん」の皆様でした。
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▲台北の松山空港に到着。
ふつうならバスが待っているのでしょうが、鉄道三昧の旅ですから空港からはMRTを乗り継いで台北駅へ。
台北駅の国鉄本社の資料室にお邪魔して、日本時代からの貴重な資料を拝見させていただきました。

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▲そして台湾国鉄最速列車のプユマ号乗って台中へ。
台中で新幹線に乗り換える時には駅構内の模型屋さんによってお買いものタイム。
鉄道迷(「迷」はマニアの意味)的には、こういう表示も撮影対象なのです。


▲新幹線に乗る前には、基本、撮影でしょう。
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▲ご機嫌の様子で新幹線で移動し、高雄についてホテルへ向かいました。




▲高雄市内の鉄道車両が置いてあるレトロなレストランでディナータイム。
第1日目は暮れて行きました。
【2日目】
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▲日本時代の古い駅舎が大切に保存されている高雄駅から早朝の特急「自強」に乗車。
今日は撮影三昧の日です。
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▲外国でこういうところに連れて行ってくれるツアーですから、皆さん張り切ってます。
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▲列車がやってきました。気動車の特急「自強号」です。
左上にヤシの木を入れて南国っぽく。
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▲引きつけて、12両編成です。
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▲次のポイントへ移動。人なつっこい犬がまとわりついてきます。
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▲ここからは真横をフル編成で。曇っていたので海がきれいに見えないのが残念でした。
こういうところで撮影をする場合、事前に下見に訪れて、郷長さんと呼ばれる地域の代表のところへ顔を出して許可をいただき、当日もご挨拶に伺っています。台湾は人と人とのつながりを大切にする国ですが、別に台湾じゃなくても、地元の人に出会ったらご挨拶をするのが礼儀だと思いますよ。
少なくとも、いすみ鉄道沿線の皆様方は、まだまだ好意的に見てくれていますから、過熱しているほかの撮影地とは違いますので、いすみ鉄道沿線にいらっしゃる皆様方も地域の方々と友好関係を気づいてくださいね。
このような撮影地を4~5か所もまわると、あっという間に夕方です。
そして、この日にメインである、旧型客車の列車に揺られて高雄のホテルに戻ります。
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▲これがその旧型客車の列車。「普快車」です。
台湾の列車種別は現状4種類あって、一番上が特急「自強号(ツーチャン)」(プユマ、タロコ含む)、その次が急行列車の「莒光号(チークヮン)」、そして普通列車の「区間車(クーカンチャ)」で、特急料金などの種別料金はなくて、運賃そのものがそれぞれに設定されているのですが、その最下段の運賃の列車種別がこの「普快車」で、現在では台東から下の南回り線に1日1往復設定されているだけです。
この列車が残っているのには諸説あるのですが、南部には所得が低い人たちが多く住む地域があるために、最低運賃で乗れる列車が残されているようです。でも、最近では鉄道ファンが多くなってきていて、台湾人や中国本土の方、そして日本の鉄道ファンも含めて有名になってきている列車です。
現在では、台湾で1往復だけ残る「普快車」は、冷房のない客車列車ですから、一般の人にとって見たら「普快車」ではなくて「不快車」だと思いますが、鉄道迷からすると、実に快適な列車ということなのです。
出入り口の脇の形式表示を見ただけで、日本の旧型客車ファンの皆様方にはグッとくるものがあると思いますが、いかがでしょうか。
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▲3両のうちの1両をこのツアーのお客様専用の貸切としていただき、皆様思い思いの汽車旅を楽しまれていました。
南回り線は海岸線を走るとても景色がよい路線ですから、ぜひ窓が開くこういう列車で走ってみたいものですね。

▲ちなみに私はこの南回り線の旧型客車列車を先頭の機関車に乗り込んで前面展望撮影しておりますが、その撮影は今から10年前の2005年10月。台湾に旧型客車が残っているのを知って撮影に行ったのですが、その当時は鉄道迷などの姿はなく、本当の意味で地元の人たちの足になっていました。
【3日目】
そして昨日3日目ですが、朝、まず高雄の鉄道工場へ出かけました。
ここは台湾鉄路管理局高雄機廠と呼ばれるところで、一般の人たちの立ち入りが制限されている地域を見学させていただきました。
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▲歓迎のご挨拶をされる謝進崑高雄機廠長さんです。
▼その後、ヘルメットをかぶって場内見学。
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▲ここは主として客車と貨車の修理、検査を行うところのため、広い構内には貴重な車両がたくさんありました。
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▲上の10077は映画「KANO]の撮影に使われた車両とのこと。
下の石炭を搭載するホッパー車は既に使用されていませんが、きれいに保存されていました。
日本の設計と同じものですから、見たことある方も多いと思います。
私たちの世代なら、SL末期の北海道によくいた黄色い帯を巻いて「道外禁止」と書いてあるのが懐かしい思い出です。
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最後は謝廠長さんと記念撮影。
この後は昨日ご報告いたしましたLRTの基地を見学して帰国したというわけです。
いすみ鉄道が台湾国鉄と姉妹鉄道締結をすることに何の意味があるのか。
費用対効果を考えたら、やる意味があるのだろうか。
こういう声が聞こえてくるのも事実です。
でも、私たちがやっていることは草の根外交であり、鉄道という共通のシステムを通じて交流をはかることで、お互いの理解を深めようとしているのです。
そして、相互に集客していくというのが姉妹鉄道締結の意義です。
今まで知らなかった人たちと交流を持って、お互いに理解していくこと。
いすみ鉄道社長である私が自分の人脈を使って、一人でも多くの日本人に台湾の鉄道を知ってもらうことは、私の使命の一つだと思います。
実際にボチボチいすみ鉄道には外国人のお客様がお見えになっています。
台湾でも日本の鉄道のDVDの中で、いすみ鉄道が一番よく売れています。
大多喜の手作り甲冑会の皆様との交流もそうですが、このような地道な活動を通じて、少しでも多くの方々にお互いを理解していただくきっかけになることができれば、それはそれで大きな意味があるのではないでしょうか。
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交通新聞社「鉄道ダイヤ情報」の助川編集長と仲良しのツーショット。
関係者の皆様、本当にお疲れ様でした。
今回も無事に終わってよかったですね。
ご参加いただきました皆様、ありがとうございました。
感謝感謝でございます。
(おわり)