京都のおもてなし

今日は京都にお邪魔しています。

商業界京滋同友会さまのお招きで、「商業界近畿ゼミナール」の講師を務めさせていただきました。


テーマは「おもてなし」。
京都の洗練されたおもてなしを前に、いすみ鉄道でのおもてなしのお話をするなど言語道断だと思いますが、「それでも良いから」ということで、「ここには何もないがあります。」といういすみ鉄道流の「おもてなし」の極意をお話しさせていただきました。
何しろ、京都では女性が「かんにんどすえ」などと言うというのに、いすみ鉄道沿線では自分のことを「おれ」という女性がいますから、比較のしようがありません。(笑)
「にし、あんすっど」じゃ、どうしょうもありませんが、うちはそれで勝負していかなければならないわけですから、愛すべき沿線地域なわけです。
300年続く京菓子店の女将、田丸みゆきさんや、商業界全国女性同友会名誉会長の西端春枝先生にもお会いして、いろいろ教えていただきました。
300年続く伝統のお菓子をいただきました。


セミナールの後は、インクラインを通って南禅寺の近くにある料亭さんにお呼ばれされました。
皆様には申し訳ございませんが、京都の老舗料亭のお料理をいただいてきましたので、写真だけでもお楽しみください。

八寸
とんぶり卸し和え、枝豆、鱧の子玉〆雲丹焼き、丹波栗
勇魚甘露煮、床節旨煮

煮物椀
清し汁仕立
海老糝薯 椎茸 芽葱 柚子

向附
鯛 関八 盛り合わせ あしらい一色

炊合
海老芋含め煮 湯葉 生麩 絹莢

焼物
鰆柚庵焼き 葉治神生姜 紫蘇巻らっきよ

温物
蕪蒸し 銀餡掛け 
海老 鰻 百合根 銀杏 木茸 山葵

留椀
八丁味噌仕立 野菜彩々 御飯 香の物

水物
梨 ピオーネ


商業界の皆さま、本日は大変お世話になりましてありがとうございました。
しほさん、こういうお仕事でしたら大歓迎ですので、もっと取ってきてください。
それと、実はおまけがあって、料亭からホテルまでタクシーに乗ったんですね。
南禅寺から知恩院と参道を抜けて、運転士さんが歴史の話をしてくれたんです。
京都のタクシーはどの車に乗っても運転士さんが紳士でマナーが良いのですが、申し訳ないけれど私は歴史はわからないんです。
タクシーは八坂神社の前を通り過ぎたんですが、そのとき、
「あっ、私ここに来たことありますよ。昭和52年に最後の京都市電の写真を撮りにきて、あそこの角にあるローソンのところでシャッターを切りました。」と言ったんです。
突然37~8年前の記憶がよみがえったんですね。
そうしたら運転士さんの態度が豹変しました。
運転士さんは、「私が中学3年生の時にSLがなくなったんです。呉線とか行きたかったなあ。あそこはC59が走っててね。」
私、「そうでしたね。急行『安芸』ですよね。」
運転士さん、「私は関東で育ったんですけど、16歳でバイクの免許を取って小海線に行きましたよ。」
私、「会津線も最後まで残っていましたねえ。」
運転士さん、「あそこはC11でしたね。八高線のD51も子どもだったから遠くてなかなかいけませんでした。」
私、「私は今、千葉にいるんですが、千葉はC57でしたよ。」
運転士さん、「そうそう、佐倉の機関区はあこがれでしたね。」
私、「私は今、その佐倉に住んでいるんです。」
タクシーは昔の市電通りを右折して三十三間堂の横を通り過ぎます。
私、「あ、ここで市電も分岐して、京都駅に行ってましたね。」
運転士さん、「最後はここでしたよ。」
とまあ、歴史的名勝はそっちのけで、車の中では汽車談義。
運転士さんも大喜びしてくれましたが、最後は京都のタクシーの「おもてなし」で締めくくった一日でした。
京都で気づいたことがあります。
いすみ鉄道も国際観光地になれますよ。
だって、鴨川も大原もあるじゃないですか。
そう思うことにしましょうよ、ね。