鉄路を想う気持ち

ムーミンショップのある国吉は私の愛する駅です。
素晴らしい環境と温かい人々の中の駅。
そこにゆっくりと列車が到着する。
私はそんな駅をGETすることを長年夢見てきました。
本日はその私がGETしたもうひとつの「私の駅」をご紹介します。
場所は北海道の釧網(せんもう)本線。
釧路湿原の中にある茅沼(かやぬま)駅です。
この駅は日本で唯一、タンチョウ鶴が来る駅として知る人ぞ知る駅。
私は以前、ご縁をいただいて、この駅のホームのすぐ隣の土地、旧国鉄清算事業団の払い下げ用地を手に入れました。
旧国鉄用地。つまり、駅の敷地ですから、この駅はまさしく「MY STATION」と私は思っています。(正確にはJR北海道の駅ですが・・・)
そして、時を同じくして手に入れた四国の小松島で活躍していたC58-88号機の動輪をはるばる貨物列車で運び、ここに設置しました。
(この土地と動輪のシンクロニティー(偶然)は、自分でも本当に驚きました。)
あたりにはログキャビン風の季節営業の喫茶店が1つ。
他には何もありません。
昭和49年までこの駅にも走っていたC58型機関車と同じ動輪が静かに鉄路を見つめているだけ。
遠くには雄阿寒岳・雌阿寒岳を望み、釧路川が流れています。
このあたりには湖も多く、温泉も湧いています。
今夜のように、日本海に低気圧が近づいている時は、北国は雪。
釧路湿原の中の私の駅にも静かに、深々と雪が降り積もっていることでしょう。
タンチョウ鶴も飛来して翼を休めているかもしれません。
鉄路を想う気持ち。
私は都会にお住まいの皆様にも、このような気持ちをお分けしたいと考えています。
いすみ鉄道沿線の各駅には、この茅沼駅のように、都会に住む人が、ふと想いを馳せるにふさわしい風景があります。
「このあいだ訪ねた国吉駅は、今頃星空の下、終列車が発車していくころだわ。」
なんて思いながら、闇に消えていくテールランプを想像してみてください。
殺伐とした日常に、きっと安らぎを与えてくれると思います。
ご自宅に居ながら、非日常気分をお楽しみいただけることでしょう。
いすみ鉄道は、皆様にこのような故郷の駅を想う気持ち、列車を想う気持ちになっていただくために、
「駅舎オーナー制度」「車両オーナー制度」を募集します。
詳しくは1月中旬ごろにご案内いたします。
鉄路を想う気持ち。
良いですよ。
皆様も体験してみませんか。
(先日のたき火パーティーで夜空の星を見ながら、茅沼駅のことを考えていて、この企画がひらめきました。)

[:up:]茅沼駅は無人駅。小さな駅舎が一つだけ。ホームの脇には動輪が鎮座する。

[:up:]この駅には蒸気機関車もやってくる。冬の間運転の釧路湿原号がC11のバック運転で停車中。

[:up:]動輪の向こうにはタンチョウ鶴が。1月から3月にかけて毎日のように飛来する。