追悼ブログ

朝、パソコンを立ち上げたら、私の友人で九州在住の入江高亘さんが、昨日11月27日付でFacebookのタイムラインにこんな文章を載せていらっしゃるのが目に留まりました。

私の人生の恩師である上野元機関士(80)が、昨日天国に召されました。
大動脈断裂で、5分の時間も無かったそうです。
ビックリ仰天で、仕事を半休にしてお通夜へ行って来ました。
コロナ時代のお通夜、焼香したら散会との事‥エッ!ビックリ仰天。
往復5時間以上掛けてカミさんと一緒に来たのに、焼香1分でお帰り下さい‥‥デス。

追い出されてキョロキョロしたら、故人を偲ぶコーナが有りました。
ご家族の回想御礼メッセージの下に、見覚えあるお手紙が展示されていました。
『ご恩は、一生忘れません‥‥』と書かれた、福岡のイリエと言う人の手紙です。

エッ?。

その隣にはイリエさんって何者?とばかりに、鳥塚亮氏のブログから“機関車少年”がプリントされて、葬儀場の入口に掲示されていました。

これ又、ビックリ仰天!。

もうこの世にはいないかも知れませんが、私の心の中ではずっと生き続けている、大恩人のお通夜でした。

**********以上、入江さんのタイムラインから転載。

国鉄時代から日本の輸送を支えてきた1鉄道マンがその尊い人生を終わられました。
私はお会いしたことはありませんが、その上野元機関士の葬儀の会場に、私のブログが掲示されてあったとのこと。
どんな内容だったんだろうかと、恐る恐る紐解いてみました。

▼これです。
2018年5月15日のブログ、「機関車少年」 です。

昨日、直江津でD51のお披露目会が行われて、小さな子供たちがたくさん来ました。
また、式典にお越しくださいましたトキ鉄沿線地域の関係者の皆様にもとても喜んでいただきました。

D51が目の前で動いた!

というだけで、大の大人が大喜びしている。

どうしてでしょうか?

ちびっ子ならまだしも、皆さん60を越えた方々が小躍りして喜んでいるのはなぜかと言えば、皆さん子供のころ鉄道に親しんでいたからです。

トンネルに入るときに窓を閉めた。
とか、
東京へ行くときの夜行列車は混んでいて、床に新聞紙を敷いて座って行った。
とか、
鉄道というものがそれだけ皆さん方の心に沁み込んでいるからです。

そして今があるのです。

だとしたら、そういう思い出を当時の鉄道マンからいただいた大人の責任として、これからの日本を背負って立つちびっ子たちに、鉄道でわくわくした思い出を持たせてあげないと。
そういうことをちゃんとやらないと、鉄道の未来はありません。
そして、鉄道ばかりではなく、地域の未来もありません。

なぜならば、鉄道の思い出というのはふるさとの思い出だからです。
子供たちに鉄道を通じてふるさとの思い出を持たせてあげないと、大人になったらさっさと故郷を出て行って、二度と故郷に帰ってこないですから。

だから赤字でも良いと、赤字を美化しているわけではありません。

鉄道会社の場合は、赤字か黒字化というのは仕組みや制度の問題です。

コロナ禍でJR各社が民営化後初めて赤字を計上したと報道されています。
皆さんおかしいと思いませんか?

東京オリンピックの年、昭和39年に赤字に転落した国鉄は、累積赤字が数兆円に上りました。
でも、JR各社が民営化後初めての赤字だということは、民営化したその年から黒字だったということになります。
国鉄は累積赤字額が2兆円とか3兆円と言われていたのに、民営化したらその途端に黒字になって、その黒字が30年も続いてきたというのはなぜか?

それは、国鉄からJRになるときに、仕組みや制度を変えたからです。

じゃなければ萬年赤字の会社が同じ仕事を継続しているのにいきなり黒字になるはずありませんからね。

おそらく、のちの時代になってみれば証明されるでしょうけど、今、日本の鉄道はそういう仕組みや制度を変えなければならない転換点に来ていると私は見ています。
だから、萬年赤字の並行在来線のかじ取りを引き受けているのです。


▲お年寄りからちびっ子まで、幅広い年齢の方々が同じテーマで夢中になれる。
それが鉄道です。

鉄道というのは人々の夢と希望を運んでいる。

D51はそのための名優なのであります。

上野元機関士さんのご冥福をお祈り申し上げます。
しっかり私たちが受け継ぎました。

尊いお仕事をありがとうございました。
天国から私たちの活動をどうぞ見守ってください。