日曜日は休みたい。

今日は北海道に来ていまして、室蘭本線(苫小牧-岩見沢)に観光列車を走らせてみようというプロジェクトの反省会の会議がありました。

沿線の苫小牧市、安平町、由仁町、栗山町、岩見沢市の5つの自治体の代表の皆様方にご協力をいただいて試験的に室蘭本線に観光列車を走らせたのが11月30日。
そこから上がってきたいろいろな課題を持ち寄って次につなげるための会合です。

その中で取り上げられた意見の一つが、「日曜日はお店がやっていない。」ということ。

まあ、確かにそうですね。

誰だって日曜日は休みたいですから。

でも、どうなんでしょう。
観光客って日曜日にやってくるんです。
人が休んでいる時に働く仕事が観光業です。
だから、観光で地域を何とかしたいと考える時に、基本事項の一つとして「日曜日はお仕事」なんです。

今まで地元の人相手に商売をしてきている時は日曜日はお休みでも良かったかもしれませんが、地元の人相手の商売だけでは右肩下がりでやがて立ち行かなくなりますから、そのために観光客にいらしていただこうというのが今の日本の田舎の実情です。
その時に、今まで通り日曜日がお休みでは通用しません。

私は空港の仕事が長かったもんですから日曜日はもちろんですが年末年始もお盆もゴールデンウイークもお休みという感覚がありません。
逆に若いころはそういう時に働くと休日手当がもらえたりして、喜んで働いたものです。
だから、人が休んでいる時に働くのが仕事だと思っています。
日曜日に休むなんてことは基本的な発想として持ち合わせていません。

でも、田舎の町は全国共通で日曜日はお休みのところが多くて、せっかく観光客がやって来ても、お土産を買う場所どころかご飯を食べるお店もありません。
そういうところが観光で町おこしなどできないんですね。

これ、わかっているようでわかっていない基本事項なんです。

誰だって日曜日は休みたいんです。
でも、それじゃあ観光は成り立ちません。

なぜなら、観光というのは人々がお休みの時にお金を使う産業であり、お休みの時にお金を稼ぐ産業だからです。

今日の会議ではそんなお話が出ました。
皆さんとても正直だと思います。
なぜなら、日曜日はお休みというのは当たり前のことですからね。

でも、その当たり前のことをやっていたのでは、出てくる結果も当たり前で、つまりは何も得ることはできないと思います。

そろそろ年末年始の休暇に入りますが、観光鉄道を標ぼうする所で幹部がみんな年末年始休暇を取っているところはお話になりません。
人様が休んでいる時こそ、お仕事をするのが観光産業なのですから。

そういう基本的なところから考えて行かないと、活性化などないのです。

私は元日は千葉へ戻りますが、2日には新潟で沿線を回ってみたいと考えています。

「遊びたいとか、休みたいとか、いっぺんでも思ってみろ。そんときゃ、テツヤ、死ね。それが人間ぞ。それが男ぞ。」

あの、海援隊の母にささげるバラードの歌詞が頭に浮かびます。

人様が休んでいるとき、みんなが楽しそうに、面白そうに遊んでいる時に働かなくては、働く意味がありません。
それが観光で生きていくということなのです。

会議を終わって札幌に戻る室蘭本線の列車。

鉄道の会議なのですべて列車で移動ですが、長いホームにポツンと停まる列車に乗ってみると、理屈ではなくていろいろ見えてくるものがあるから不思議です。
そして、それは日本全国に共通する現象でもありますから、ここで見聞きしたことはトキ鉄でも使えるということで、つまり私は売れるものを仕入れに来ているということなのであります。

皆さん、年末年始も一生懸命働きましょう。