さよなら高雄駅

台湾の鉄道は昭和の日本の国鉄時代の雰囲気をよく残しています。

 

私たち日本の鉄道ファンが、足しげく通うのはそういうところに魅力があるからなんですが、例えばこの莒光号という急行列車は、先頭の機関車が客車をけん引する日本ではすでに見られなくなってしまった列車のスタイル。

それがふつうに切符を買って乗れるのですから、魅力的なのであります。

 

 

まして、ご覧のようにドアが手動式で、手で開け閉めするタイプの列車ですから、昭和の国鉄を知る年代の人としては懐かしいのはもちろんですが、若い鉄道ファンにも魅力的なのだと思います。

 

ところが、その台湾の国鉄ですが、私もここ10数年通い詰めていますが、どんどん近代化が進んでいまして、昨日乗った普快車はついに南廻線の一部区間に残るのみとなりましたし、こういう手動式ドアの客車も、いつ消えるかわからない状況になって来ています。

今回私が高雄にやってきた目的の一つは、実はここ高雄駅が間もなく地下化されて消える運命にあるためで、最後にもう一度このホームに立ってみたいと考えたからであります。

 

間もなく消え去る運命にある現高雄駅。

 

改札口からホームまでは長い跨線橋で結ばれています。

その下は地下化工事が行われたところですが、工事もほぼ完成した様子です。

この長い跨線橋ともお別れですね。

 

その跨線橋から、古い給水塔が見えます。

おそらく蒸気機関車が走っていた時代に使っていたものでしょうか。

台湾では1982年ごろまで蒸気機関車が走っていたそうですが、何かほかに転用しているのかもしれません。

 

これが新しく開業する高雄地下駅です。

 

 

実は6月に鉄道三昧の旅で来たときに駅長さんに案内していただいて、まだ開業発表前の地下駅をご案内していただきましたが、あれから工事がどんどん進み、いよいよ10月14日に開業の運びとなったようです。

 

 

そうなると、現在のこの地上ホームはお役御免となって、線路が撤去されてしまいます。

昔ながらの跨線橋がある地表ホームは台湾でもどんどん過去のものになって行きますね。

 

ということで、お名残り乗車というわけです。

 

近代化されて変わって行ってしまうことは残念ですが、台湾ではドライバーのマナーが悪く、踏切事故が大問題となっています。地下化や高架化によって踏切の数が削減されて、交通事故が減るというのも、都市部では重要な安全対策ですから、これは仕方のないことなのでしょう。

 

そして、変わってしまうから、今のうちの乗っておこう、記録しておこうというのも、1つの立派な旅行の動機だと私は思います。

でもって、新駅が開業したらまたすぐ乗りに来ようというのも立派な旅行動機になりますからね。

 

そして、開業前の工事中に入れてもらって撮影したこういう1枚の写真も、開業後には価値が出る。

というものなのです。

 

そんなこんなで、私の3連休は高雄で過ごしております。

 

明日、日本に帰ります。

1 個のコメント

  • そうなんですよね。寂しい限りです。昭和の雰囲気を残した台湾の鉄道は私も好きで、この夏も高雄へ行きました。高雄から太麻里,台東,鹿野に行きました。日本時代の建物も台湾とで見るのが楽しみです。
    新高雄駅も今は博物館になっている旧高雄駅を再利用してくれるようなのでそれはそれで楽しみですが、線路自体が撤去されてしまうのは残念ですね。