今年の煙納め

やまぐち号を運行する下関総合車両所新山口支所を訪問して研修を受けさせていただいた話をしましたが、トキ鉄の車両課のスタッフは機関車や列車の誘導も仕事ですから、SLを転車台に載せて手際よく方向を変えるところなども見せてもらって、かなり勉強になったのではないかと思います。

出張期間中、社長がぴったり付いているのはイヤでしょうから、私は基本的に別行動で、昨日、3名がSLを追いかけて、途中の仁保での停車時間中の点検の様子や、津和野駅到着の際の乗務員の手順、そして津和野駅での給水や方向転換の手順などを見せていただいている間、私は日がな1日やまぐち号に乗って遊んでいました。

昨日はSLやまぐち号は特別列車「新山口駅120周年記念号」として新山口―津和野間を1往復しました。

発車前に機関士さんと。
今日は若手の宮本機関士さん。
きびきびと走る運転操作は発車時や停車時の衝撃もほとんどなく、なかなかのものでした。

途中駅の仁保ではこれから向かう急勾配に備えて火床を整理し蒸気の圧力を蓄えます。
炭水車の上で石炭をかき寄せる作業も一つのイベントです。

仁保を発車。
見送るトキ鉄のスタッフ。

トンネルを抜けてサミットを通過。
冬なので蒸気も混じって煙の量が半端ない。

よく見ると、3本に1本程度、PC枕木が入れてあります。
この路線は瑞風も走るようなので、線路にも手を入れてますね。

田舎のローカル線は基本的には木枕木で十分ですが、耐久性の問題でコンクリートを入れた方が軌間拡大などが防止できます。でも、何でもかんでもPCを入れればよいというものでもなくて、せいぜい5本に1本程度で十分と言われています。
ここは高速の特急やSLや貨物列車などの重量列車が走るJR路線なので3本に1本なのかもしれませんが、軌間拡大を防止するためにPC枕木を入れることと重軌条化は別問題ですので、単行気動車が走るようなローカル鉄道は5本に1本程度で十分ではないでしょうか。

多額のお金をかけて道床や路盤の強化をして重軌条化しても、通過重量が小さく速度が遅いローカル線の場合は意味がありませんから、お金の無駄遣いになりかねません。
10年前とは考え方が変わってきているのです。

観光列車に乗りながら、そんなことを考えてしまうのは職業病でしょう。

こちらは地福駅でのシーン。
ここで15分ほど停車して撮影タイムです。

私がもったいないと思うのは、この15分間で何もイベントがないこと。
地元の人たちが駅舎の中やホームでこのお客様を相手に何か小商いでもできないものでしょうか。
SLの乗車には普通座席で運賃込みで1700円ほど。
これがすなわちJRの収入ということになりますが、片道3000円にして車内でコーヒーサービス、あるいは駅での地元のお菓子のサービスなどを込みにすれば、売り上げアップと収入確保につながります。
車内販売もそうですが、「売ろうとするから売れない」のであって、「売ろうとせずに配ってしまえ」ば良いのです。

最初から料金に含まれていれば、予約人数に合わせて事前準備できますからロスも出ないでしょう。
地域と一体になることが苦手なJRは、今でも中央で物を考えて地方を従わせる方式なんでしょうけど、会社の体制はどうであれ、お客様不在はいけません。

30年も経ったんですから、そろそろいろいろやらないと。
人間だっておぎゃーと生まれて30年も経てば、いい加減自分で考えるのですから。

というようなことを感じました。

帰りの列車。
友人が線路際でカメラを構えて待っているから、というのでこんなカット。

部下が一生懸命お勉強をしていますので、私も車内でお酒は飲んでおりません。

この後合流して、みんなでおいしいお酒をいただきました。

お世話になりました皆様、ありがとうございました。