本日は「雨の日スペシャル」でした。

いすみ鉄道のような日帰り観光地の最大の弱点ってご存知ですか?

 

日帰り観光地の最大の弱点は、お天気が悪いとお客様にいらしていただけない、ということです。

 

北海道や沖縄なら、予約していて、旅行代金も払い込んでいますから、大雪が降ろうが台風が来ようが、飛行機が飛ぶ限りは行こうと思って皆さん空港まで出かけて行きますが、日帰り観光地は、「明日は雨です。」と天気予報で言っただけで、「じゃあ、やめようか。」となってしまいます。

どんな商売にもいろいろな弱点というものがあって、皆さんそれぞれいろいろと工夫されておりますが、雨が降ったらお客様にいらしていただけなくなる商売としては、例えばスーパーマーケットや居酒屋さんがあります。

そこで、スーパーマーケットでは「雨の日スタンプ2倍セール」などということをやっていたり、居酒屋さんだと「雨の日は生ビール半額」ということをやっていたり、皆さんそれぞれ弱点を克服する工夫をされています。

 

そこで私が考えたのが、雨が降ってもお客様にいらしていただけるように、「雨の日スペシャル」というのをキハが走り始めた当初から開始しました。

どういうことかというと、雨が降ったら、キハの急行列車のヘッドマークを、その日の担当乗務員が、好きなものを取り付けて走っても良いですよと、社長がスタッフに「自由の権利」を与えているのです。

 

いすみ鉄道のキハは国鉄急行形車両で、国鉄時代の急行列車には、いろいろなヘッドマークが取り付けられていましたから、そういうヘッドマークをいろいろと準備しています。

いすみ鉄道のヘッドマークは、通常は土曜日は「夷隅」、日曜日は「そと房」、そして祝日などの走行日はヘッドマークなしと決めていますが、雨が降ったら乗務員が各種準備してあるヘッドマークの中から、好きなものを取り付けて走っても良いですよ。としているのです。

 

だから、今日の担当乗務員は、もともと好きで運転士になった人たちですから、おそらく、昨日の晩あたりから、何を付けて走ろうかなあと、ワクワクしていたはずで、その証拠に、本日はこんな感じで走行しました。

 

いつもいすみ鉄道を記録してくれている上総中野の渡辺新悟さんも、きっと昨日の晩からワクワクされていたのではないでしょうか?

 

朝の快速から、最終まで、記録してくれています。

 

朝の快速列車。

急行列車の間合い運用ですから、国鉄時代にも同じ間合い運用で見られた「羽根台座のみ」。

これはレアですねえ。

 

その後は「あやめ」。

 

「なのはな」

 

最後は「水郷」

これ、16時過ぎの上総中野駅で小湊鉄道との同時発車シーンです。

さすが新悟さん。会心の1枚ですね。

 

お昼から雨は上がりましたが、最後まで「雨の日スペシャル」でした。

 

今日のヘッドマークは国鉄時代、昭和40年代に千葉県内の各路線で見られた準急や急行列車です。

このキハ28-2346は昭和39年製で、新製配置は千葉という記録がありますので、この車両も当時、実際にこんなヘッドマークをつけて走ったかもしれません。

そう考えると、夢が膨らみますねえ。

ワクワクします。

 

そうしたら、私の友人の松葉さんが、こんな貴重な写真を見せてくれました。

 

昭和50年に総武本線が銚子まで電化完成して、それまでのキハ28などの急行列車が電車に置き換えられた時の「さよなら気動車」。

私の地元、佐倉駅です。

 

すごいなあ、43年前。

先日お話した、私が初めて北海道へ日帰りで行ったころです。

 

佐倉と言えば写真家の結解学先生も、こんな写真を撮影されています。

 

急行「犬吠」。 1972年、佐倉。

 

この急行「犬吠」は総武本線、八日市場廻り銚子行。
両国から佐原廻りの「水郷」と併結されて10両編成でやってきて、ここ佐倉で2つに分割されていた列車。

この写真の「犬吠」のヘッドマークは小型のものですが、「犬吠」「水郷」「そと房」「うち房」などは大型と小型の2種類があって、いすみ鉄道では「雨の日スペシャル」で、どちらが付いて走るかはお楽しみなのであります。

 

▼別の日の「雨の日スペシャル」

これは小さな「水郷」です。

その他にも、いろいろやってくれてます。

 

 

 

 

 

ね、知る人ぞ知る、いすみ鉄道の「雨の日スペシャル」。

 

社長が、「雨が降った好きなヘッドマーク付けて良いよ。」なんて言うのはありえませんね。(笑)

こんな鉄道は、日本でいすみ鉄道だけでしょう。

 

それはどうしてか。

 

なぜなら、私はうちのスタッフを信頼しているからです。

 

お客様に喜んでいただくためには、私がいちいち細かいことを言うのではなくて、スタッフを信頼して、自分たちで考えて、自分たちが良かれと思ったことは、どんどん実行できる、そういう組織にしているからなのです。

そういうことがきちんとできるスタッフたちが揃っているんです。

 

皆さん、今度、天気予報で「明日は雨です。」って言ったら、迷わずにいすみ鉄道を目指しましょう。

 

でも、この価値がわかる人だけいらしてください。

何しろ、雨の日スペシャルですから、カメラマンはずぶ濡れですからね。

風邪を引いたとクレームされても、私は対応いたしません。

 

ということで、貴重な国鉄時代の景色が、皆様をお待ちしております。