TOP会談の結果。

 

 

京浜急行の電車がやってきました。

鉄道ファンがカメラを向けています。

地下区間ですから都営浅草線の線路ですか。

 

いえ、いえ。

これは台湾国鉄の電車。場所は台北市内の松山駅です。

 

秋田の由利高原鉄道といすみ鉄道が台湾国鉄の平渓線と集集線と姉妹鉄道締結したのが2年前の2014年。

江ノ電に続いて我々が先鞭をつけたのか、それから2年間で、西武、京浜急行、東武、山陽電鉄、東日本、西日本など大手がこぞって姉妹鉄道締結や姉妹駅締結などを行いました。

レストラン列車もそうですが、弱小会社が始めた後を追って大手が同じようなことを始めると、どうしてもお株がそちらへ取られてしまいます。

姉妹鉄道締結も、京浜急行や東武が電車を1編成丸ごと台湾国鉄カラーにして、台湾国鉄の方もこのように京浜急行カラーの電車を走らせたりすると、やっぱり、大手にはかないませんから、いすみ鉄道の姉妹鉄道締結など、薄れてしまうわけです。

 

そのことを台湾国鉄の周局長さんが心配してくれています。

 

 

 

 

先日、台湾国鉄の本社で周局長さんにお会いするチャンスがありまして、TOP会談を行いました。

その席上で、私が「最近はすごいですねえ。京浜急行の電車が台湾で走ったり、台鉄の特急が東武で走ったり、私はとてもうれしいです。」とお話させていただくと、周局長さんが、「いすみ鉄道も何かやりましょうよ。」とおっしゃいました。

私は、「いすみ鉄道はお金がない会社ですから、大手のようなことはできませんよ。」と笑いながら申し上げましたが、その時、局長さんはいすみ鉄道のことをとても心配してくれていたのです。

でも、私は、いすみ鉄道が背伸びをして、大手のマネをしても仕方ないし、こうして局長さんが特別にお時間を割いて会談していただけるだけで光栄ですから、大丈夫ですよとお答えしました。

実際問題として、いすみ鉄道の列車を台鉄カラーにするなどは考えられませんからね。(笑)

だから、大手の会社は大手の会社でできることをやればよいし、いすみ鉄道はいすみ鉄道のできる範囲のことをやればよいのです。

いすみ鉄道に続いて、大手が次々と姉妹鉄道締結をしたという事実は事実ですから、私は大手よりも先に、ずっと以前から台湾と仲良くしてきていますし、それでよいと思っています。民間レベルの交流の基本原則は「お友達関係」ですから、金持ちだろうが貧乏人だろうが、そんなことは関係ないんじゃないでしょうか。

とまあ、こんな会話が持たれました。

 

すると、局長さんから、

「共通のヘッドマークを取り付けましょう。」というご提案をいただきました。

丸型のヘッドマークを共通のデザインで作って、それぞれの列車に取り付けましょう、ということです。

 

「ああ、これならできますね。」

 

と私が応えると、ではこの秋の姉妹鉄道締結2周年記念をめどにヘッドマークを作りましょう。デザインは台湾国鉄で行って、それを取り付けて走りましょう。

 

ということに決まりました。

 

これがTOP会談の収穫です。

 

ということで、皆様どうぞご期待ください。

 

私は、大手の鉄道会社がこぞって台湾に興味を示し、敬意を表して姉妹鉄道締結を結んでくれたことが本当にうれしく思うのです。

 

3年ほど前にいすみ鉄道の社長が「台湾と姉妹鉄道締結をしたい。」と言い出した時、周りはかなり冷やかでしたから。

それが、今の状況を見ると、私の考えが認められたことになるわけですから、「自分は間違っていなかった。」ということを大手の皆さんが証明してくれたようなものです。

そして何より、台湾の鉄道が日本人に広く知られ、一人でも多くの日本人が台湾に親しみを感じていただけるのですから、これは二つの国にとってとても大きなことで、千葉県の小さなローカル鉄道が、日本と台湾の2つの国に貢献できているということになるのではないでしょうか。

 

 

私としては、このところの異常な高温で線路が変形し、台湾では列車の脱線事故が続いていることが心配であります。