大多喜 in 台湾

台湾の鉄道記念日の式典に出席するために昨日から台北に来ています。
昨年、いすみ鉄道は台湾のローカル線「集集線」と姉妹鉄道提携をしました。
そして、今年の1月から乗車券交流が始まりました。
これは、いすみ鉄道の使用済み1日フリー乗車券を持って台湾に行くと、集集線の1日フリー乗車券と交換してくれるシステムで、逆に台湾の集集線の使用済み1日フリー乗車券を持っていすみ鉄道に来ていただければ、いすみ鉄道の1日フリー乗車券と交換できるというシステムです。
つまり、簡単に言えば、1枚の1日フリー乗車券で2つの鉄道に乗れますよという交流促進事業で、日本では江ノ電さんが台湾の平渓線というローカル線と交流を始めたのが最初です。

台北駅の乗車券売場に掲げてある姉妹鉄道の大形掲示。
大多喜 in 台湾の図です。
こういうところに夷隅とか大多喜という言葉があるっていうのはすごいと思いませんか?
台湾人は縁起の良い駅名が大好きで、成功、栄華、富貴などという駅名の切符が鉄道ファンだけじゃなくて一般の人たちの趣味の対象になっています。
昔、日本でも「幸福ゆき」の切符が大人気になりましたが、それと同じ現象が今起きています。
そういう国民の人の目には「大多喜」という駅名が、とても縁起よく見えるのだと思います。
「行ってみたいなあ。」と思う対象になっているんですね。
こういうことをどう考えるかということが大切だと私は思います。
「そんなことしてどうするの?」という冷ややかな声が多く聞かれますが、いすみ鉄道のこういう活動もきちんと評価していただきたいと思いますが、いかがでしょうか?

そのいすみ鉄道の掲示が出ている台北駅のコンコースは、こんなにたくさんの人であふれています。
台湾の鉄道記念日に向けて機運が盛り上がってきていて、Nゲージの鉄道模型が走って、小さな子供を連れた親子連れのお客様で大賑わいです。
大賑わいと言えば、鉄道そのものが大賑わい。


こちらは今日の夕方の新竹駅ですが、昔の日本の国鉄時代の面影がある大きな駅のホームにはお客様がいっぱい。
日曜日ということで、観光のお客様でどの列車も満席で、大変な活況です。
新幹線ができた後も、並行する在来線にきちんと特急列車を走らせて、それできちんと運用できている姿がここにあります。
もちろん高速バスだって日本以上に頻繁に出ていますし、国内航空便だってたくさん飛んでいます。
それでも、在来線にこれだけ活気があるのですから、私たちは台湾から学ぶものがあるはずです。
台湾の人々の考え方の方が、「一日の長」があると私はいつもも思っているのですが、いかがでしょうか。
もっとも、日本人は台湾のことを知らない人が多いですから、まずは知っていただく、興味を持っていただく、そのきっかけになろうというのがいすみ鉄道と台湾国鉄集集線との姉妹鉄道提携の意義なのでございます。