秋田は後ろ向き

今日は秋田へ来ています。

秋田県庁の交通政策課から応援を頼まれて、今年3度目の秋田です。

前回、前々回は花輪線の鹿角と北上線の横手でしたが、今回は秋田市内。
秋田駅です。

ということで、午前中は妙高市で地域の皆様方と会合を持って、お昼の北陸新幹線「はくたか」に乗って、大宮で秋田新幹線「こまち」に乗り継いで秋田まで、5時間の電車の旅でした。

本当は新潟から「いなほ」に乗ってきたかったし、それが距離的には最短なんですが、今回は17時半までに秋田に入ることがミッションでしたので、大宮乗り継ぎです。

考えてみれば私は秋田に新幹線で来たのは初めてのようで、帰りは何度か乗ったことがあるのですが、往路で秋田に入るときに新幹線で来たのは、記憶によるとありません。

いつもは飛行機が当たり前だし、鹿角は盛岡から花輪線だし。

でもって、いまさらながらに体験したのです。

秋田駅に到着するときは「後ろ向き」なんです。

そう、秋田新幹線に乗って秋田駅に到着するお客様は、皆さん後ろ向きになって到着するのです。

これは、秋田新幹線の電車が大曲でスイッチバックして進行方向を変えるためで、大曲から秋田まではせいぜいあと30分ぐらいですから、皆さん座席の向きを変えずにそのまま乗ってくる。

だから、秋田駅に到着するときは後ろ向きで入ってくるのです。

帰りも同じ。
秋田を発車するときは、大曲で方向転換をする前提があるから座席はみんな後ろ向き。

新幹線の電車が整備を終えてドアが開いた時からすでに後ろ向きなのです。

こういうところは他にもあって、例えば特急「ひだ」も岐阜でスイッチバックするから名古屋を発車するときには皆さん後ろ向きで出ていきます。

JR九州の「ソニック」は同じように小倉でスイッチバックします。
でも、こちらは皆さんちゃんと停車中に座席の向きを変える。
小倉で降りる人が多いから、変えやすいのかもしれませんけどね。

それに比べると秋田新幹線は誰も大曲で座席の向きを変えませんし、そもそも上り列車が秋田を発車するときには座席はすべて後ろ向きにセットされている状況ですから、秋田-大曲間ぐらいは、そのまま後ろ向きで行けよ、ということなのかもしれません。

大曲で2~3分停車するので変えようと思ったら変えられるのですけどね。

でも、どうなんでしょうかね。

県庁所在地の秋田駅は秋田県の玄関口。
その玄関口に皆さん後ろ向きで到着して、お帰りになるときも後ろ向きで帰っていく。
そういうのってどうなんでしょうか?

私は不思議だったので地元の皆様方に聞いてみたんですが、皆さん何の不思議もない様子。
それを見て私はさらに不思議になりました。

でも、きっとそんなことはどうでもよいのでしょう。

このポスターを思い出しました。

これ、10数年前から秋田県で使われているポスターです。

秋田はきれいな人が多いと昔から言われています。
美人の産地、秋田。
だから「あきたびじん」。

私は秋田に来るたびにこのポスターの女性に見とれてしまっているのですが、実は、よく見ると小さな「よ」が入ってるんです。

わかりますか?

「じ」と「ん」の間に小さな「よ」が入ってる。

つまり、「あきたびじん」じゃなくて、「あきたびじょん」なんです。

そう、秋田はしっかりとしたビジョンを持っている。
前に向かって進んでいくということですね。

だとしたら、到着する電車の座席が後ろ向きだろうが、そんなことはどうでもよいのでしょう。

「もっと、フレキシブルに行きましょうよ。」

そんなことを教えられた気がします。

犬も歩けば棒に当たるではありませんが、自分の足で歩いてみると、いろいろな発見があるものですね。

なんだか今回も新しいことを教わっている秋田の旅でございます。

いやぁ、それにしても秋田はホテルがない。
だから高い。
今夜泊まっているホテルも、他なら6000円台のビジネスホテルですが、9000円。そしてそして、トイレにはウオシュレットが付いていない。

田舎へ行けば時々ありますが、県庁所在地のホテルでこういうところは、10数年ぶりかも。

秋田おそるべし、なのだ。