直江津D51レールパークのD51827号機は昭和48年まで長野県の中央西線で活躍していました。
中央西線が電化されてD51が引退したのが昭和48年7月9日。
昭和48年と聞くとなかなかピンと来ない方が多いと思いますが、1973年です。
今年は2023年ですから、そう、中央西線が電化されてD51の活躍が終了してからこの7月でちょうど50年です。
ということで、こんな切符を作りました。
「さよなら運転 50周年記念」
昨今では「さよなら運転」という言葉は皆さんお嫌いのようで、今なら「ありがとうD51」となるんでしょうけど、そんなオブラートに包むような言い方はふつうはしないですよね。
「さよならD51」って、書いてあるんだから。
50年前の写真ですから、ごまかせません。
そう、1973年7月9日の中央西線「さよならD51」をけん引したのが、直江津のD51827号機なのであります。
そして、それから50年ですよ。
キミマロ風の「あれから40年」よりも10年も長いんですから。
これは立派な歴史であり、D51827は歴史に残る蒸気機関車なのであります。
この写真は写真家の結解喜幸(けっけよしゆき)先生の撮影。
貴重なお写真をご提供いただきましてありがとうございます。
最近では私も年を取ったなあと感じていますが、何しろ50年前のこのさよならD51が走った時に中学1年生だったのですから、まぁ、お爺さんであります。
でもって、お爺さんになると怒りっぽくなるとか、人の話を聞かなくなるとか、自分の事は棚に上げるとか、だいたいそうなると言われていますが、私もしっかりお仲間に入ってきているのでありまして、さらに、こういう写真を見ると、「あぁ、中央西線か。寅さんの舞台にもなったなあ。」とか「木曽森林のボールドウィンもいたなあ。」などと今の人には日本語とも思えないような「昔はよかったなぁ」的な話題を出したくなるのであります。
私も結解先生のこのお写真を拝見した時に、中央西線は行きたくても行かれなかった遠い場所で、当時高校生だった近所のお兄さんが新宿発の夜行列車で出かけて行って、撮って来た写真をいろいろと見せてもらって、「いいなあ」と思ったことを思い出しましたが、中1ともなるとそのぐらい記憶がはっきりとしていますので、どうしても昔話に花が咲いてしまうのであります。
でも、会社の中でそういう話が分かる人ってほとんどいなくなってしまいまして、思い起こせばまだ30代40代だった頃は、先輩の年齢の中にSLブームに活躍された方々がたくさんいらっしゃいましたし、前職の時も両国発のC57最終列車に乗ったという機関助士だった方もいらっしゃいましたので、私が食らいついて話を聞こうとすると喜んでいろいろ話してくれたのですが、今、私の周りにはそういう年上の方々はほとんどいなくなり、蒸気機関車そのものを経験していない世代ばかりになりましたから、昔話をしたくてもできないし、すればするほどお爺さんの世の常で嫌われるし、疎ましく思われるのであります。
ではなぜ、こういう記念切符ができたかというと、それはうちの企画の若手社員が、私の昔話を面白おかしく聞いてくれているからではなくて、何とかして売れる商品を作って会社に貢献したいと考えてくれているからで、そういう若手社員からしてみれば、自分の知らない世界を知っているのは私だけですし、こういう商品を買ってくれる人たちに、知らないからと言って間違った情報を伝えるわけにもいかず、どうやってツボを押さえて売れる商品を作るかということになると、私の話に付き合うしかないからなのであります。
このD51の時代の後にブルートレインの時代がやってきて、その後に旧型客車の長距離鈍行の時代がやってきて、食堂車がなくなって、国鉄からJRになって、青函連絡船がなくなって、最後が多分大糸線。
大糸線のキハ52を私がいただいて、大糸線は誰も行かない路線になって、キハの行くところ黒山の人だかりができて、その時代も過ぎ去って、ピンクの電車が走る所に人だかりができる時代になったのでありますが、そんな時代を知っているおじさんたちが、今夜は思いっ切り「昔はよかったなあ」というお話をしたのであります。
関西工機整備株式会社の藤根社長さん(右)と宮川部長さん。
今日はおもしろいお話をたくさん聞かせていただきましてありがとうございました。
昔はよかったなあ、という時は、私は必ず「どうやったらその『昔は良かったなあ』をお金にできるか。」と商売に結び付けることを常に考えておりますが、そうすればお爺さんの「昔はよかったなあ」を正当化できるのであります。
上松 発車。
昔はよかったなあ。
500セット限定ですのご希望の方はお早めにどうぞ。
あっ、すでに300セットは売れております。
https://store.shopping.yahoo.co.jp/tokitetsu-official/2199.html
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