今日で3年が経過しました。

【今日は長いです。】

3年前の今日、2019年9月9日、トキめき鉄道に着任しました。
おかげさまで今日で3年目を無事に迎えることができました。

私のような公募社長というのは、つまり、わざわざ外から社長を呼ばなければならない事情が会社にあるから求められたのでありますから、やらなければならない課題や、やるべき仕事というのが存在します。
そして、即戦力としてその課題に取り組んで、解決していくことが求められます。
1日たりともボーっと生きていることは許されないわけで、できるだけ短期間のうちに目に見えた成果を上げなければならない使命があります。(と、私は考えています。)

去年の今日も、おととしの今日も書きましたが、公募の社長ですから、自分で時間を区切って、いついつまでに何をやると目標を決めて、その目標に向かって突き進んで行き、期限までに誰の目にも見える成果を出さなければならないというのが私の考えで、そのための1つのサイクルが3年間と自分では考えてやってきましたが、今日でその3年間のサイクルが一回りしたということです。

そして、その成果をある程度認めていただいたのでしょう。
今年6月の取締役会議でありがたいことに再任されました。
ということで明日から2巡目が始まります。

私は外資系の出身ですから、多分皆様方から見たら仕事のやり方が独特だと思います。
昨年のブログにも書きましたが、私が40になるかならないかの頃、本社から送られてくる幹部候補生というキャリア組がいまして、その人と話をしたときに言われたんです。

自分たちのような立場の人間は、
・1年目には地域に親しむ。どういう地域で、どういう人がいて、どういう文化があるのか、何ができるのかを見る。
・2年目は思いっきり仕事をして結果を出す。
・そして3年目は次に行くところを探す。

外資系というところは厳しいところですから、特に上になればなるほど実力がなければそのポジションをキープできない。
そして、本社に約束された席があるわけではありませんから、3年目には2年目までの実績を引っ提げて、次に行くところを自分で探すのです。

雇用の流動性ではありませんが、ポジションの流動性ですね。
会社全体がそうやって動いているから、今、上のポジションに空席が無いように見えても、そのさらに上を狙っている人がいるから、たいていの場合ポジションは空きます。
そうやって社内を渡り歩いて行ってどんどん上になっていくのが外資系なのです。

私もその彼の言葉を参考にして、1年目は地域になじんで、地域を知って、地域に知ってもらって、可愛がってもらえるように。
2年目は思い切って仕事をして物事を前進させる。
そして3年目は実績を出す。
こんな感じでやってきました。

私の場合はお爺さんですから次に行くところを必死になって探すことはしませんでしたが、1年目に下地を作って2年目にD51レールパークと413・455観光急行をスタートさせ、3年目でその数字を伸ばして誰の目から見ても「トキ鉄は変わった」と言っていただけるようになりました。

と、ここまで、コロナでいろいろ足踏みしたり番狂わせはありましたが、それでも緊急事態宣言中に新しくレールパークや観光急行をスタートさせて軌道に乗せましたし、雪月花もコロナ前の2019年の水準に戻しました。
そしてウルトラCではありますが、一応会社設立後初めての黒字決算となりました。

業績が悪いのはコロナを理由にする人はたくさんいると思いますが、コロナは人類みな平等な条件ですから、公募社長のようなタスクを達成しなければならない立場の私としては、そういうことは理由にならないと考えてきたのであります。

さて、まる3年が経過して当初考えていたプラン通りに進んできていると思いますが、次の1サイクルはどうするか。
取締役の任期は2024年6月までですが、私としては次の1サイクルも3年として考えようと思っています。

つまりこれからの3年ですが、
・1年目は雪月花のサービスリニューアルと、レールパークのてこ入れ。そして観光急行の延命です。
コロナで足踏みをしている間にも世の中は進んでいましたから、私はこういう時間的余裕があるときに雪月花のリニューアルを考えてきました。そして、コロナの出口が見えてきている10月をターゲットに新サービスをスタートさせます。

レールパークのてこ入れというのは、こういう博物館系は展示品(イベント)、ショップ、飲食の3つで成り立っていますので、来春の再オープンに向けて、その部分を強化していきます。

観光急行の延命については、今、ギリギリのところに来ています。
というのも、当初の予定よりも良い数字が出て来ていて、これは皆様方のおかげでありますが、あと一息積み上げができれば、「誰の目で見ても残した方が良い」とわかるようになるわけで、この秋の鉄道150周年でその積み上げができれば、延命に入れると考えています。

地域輸送に関しては乗り入れ各社の動向にもよりますが、やはりこういう時代ですからダイヤの見直しは必要になります。来春のダイヤ改正はもちろんですが、2024年春の改正も大きく見直さなければならないと思います。
ただし、お隣の富山県が「採算性よりも利便性」というスローガンを掲げて列車増便の方針を出していますので、3セク鉄道としては調整が必要になると思われます。(たぶんこの辺りが2年目の大きな仕事)
そして3年目、つまり6年目ですが、やはり交通を支える仕組みづくりの確立になると思います。

トキめき鉄道は並行在来線です。
並行在来線というのは、新幹線の開業を条件に県と沿線市が「きちんとやります。」と約束したところからスタートしています。
ところが、トキめき鉄道に関しては、何度も申し上げておりますが、きちんと営業継続できるような赤字解消や線路の維持管理などに関しての仕組みが開業までにできていなかったのです。

新幹線ができても黒字化が見込めるところはJRは手放しません。
お隣の長野県でも長野-篠ノ井間はしなの鉄道になっていませんね。
ということは、第3セクターになったところというのは、新幹線開業後は黒字化が見込まれないところということになります。
並行在来線というのはそういうところでありますから、私に「赤字はけしからん。」とか、「赤字を解消できなければ社長としての資格はない。」などということは、そもそも論として間違っているのです。(個人的見解です。爆)

しかしながら、貨物列車が走る路線の、例えば変電所などの大規模修繕は、これは国の仕事であって、新潟県や沿線市がやらなければならないというものでもないと思いますから、つまりはそういう大人の事情が並行在来線なのですが、次の3年間では何とかこれを解決して、20年後、30年後もきちんとトキめき鉄道が走れるようにするのが、助っ人である私の仕事なのであります。

ということで、皆様、これからもどうぞよろしくお願い申し上げます。

3年前の就任時に地域の皆様方が開いてくれた歓迎会

鉄道会社というのは地域密着型ですから、常に地域を歩き、地域の皆様方とお話をして、列車に乗り込み、お客様と接してニーズを探り続ける。

こういうことを毎日継続しなければなりません。
そして、地域外に出てトキめき鉄道はもちろん、全国のローカル鉄道の地位向上と、新潟県の宣伝をするのであります。

なぜなら、私は全国の頑張っているローカル鉄道を応援したいし、トキ鉄沿線の新潟県は本当にいい所だからです。

うそだと思うでしょう。
でも、本当なんですよ。

酒はうまいしネ~ちゃんは綺麗だ!

まるで天国。

だから今週も千葉へは戻りましぇん!!

https://www.torizuka.club/2021/09/09/%ef%bc%93%e5%88%86%e3%81%ae%ef%bc%92%e3%80%80%e7%b5%8c%e9%81%8e/
▲去年の今日のブログ

さて、来年の今日は何をしているかな。
今からワクワク。

死んじゃってたらごめんなさいね。
そういう年齢に近づいていますから。

最後までお読みいただきましてありがとうございました。
▼週末の一曲をどうぞ。
https://www.youtube.com/watch?v=ieVYEYNBN-U