今日は私立高校の受験日でした。

今日は上越地域の私立高校の受験日でした。

二本木-妙高高原間で雪のために列車の運転ができずに一部の受験生の皆様にはご迷惑をおかけいたしまして申し訳ございませんでした。

昨日から地元の中学校と高校とに連絡を取り合っていましたので、運転できないと判明してすぐに試験開始時刻を1時間遅らせていただく手配を取りまして、何とか受験していただくことはできましたのでホッと胸を撫でおろした次第ですが、受験生の皆様方には心理的な負担をかけてしまったかと思うと心苦しい限りです。

上越地域では(他もそうかもしれませんが)私立高校は今日が試験日。そして2月に公立高校、3月に2次募集というスケジュールのようです。

かく言う私は今から35年以上も前になりますが、学習塾の講師をしておりまして、高校受験生を受け持っていました。
私が勤務していた学習塾は一人の先生が5教科全部教えるという主義で、英語、数学、国語、理科、社会と私も全部の教科を教えていました。

中学3年生ぐらいまでの教科なら、先生になろうというような人はたいていは5教科教えられると思いますし、先生というのは毎年生徒は変わりますが教える内容というのは同じですから。まして生徒よりも先に答えを見られるのですからそれほど難しいものでもありませんでしたが、一人の先生が5教科全部を見るということの利点というのをその塾で教えてもらいました。

どういうことかと言うと、物事にはいろいろな角度から見方があるように生徒にもいろいろな面があるのです。
例えば英語はよくできるけど数学はだめとか、理科は良いけど歴史のような暗記科目は苦手だとか、そういう多面的なところがある。

ところが学校だと英語の先生から見たら優秀な子だけど、数学の先生から見たら「この子は莫迦か?」という見方になる。
もちろん学校側としては教師間で連絡を取り合ってると言いますが、1人の先生が生徒を多角度から見ることにはかなわないと私は思います。

今になってやっとこの国も多様性の時代などと言うようになりましたが、1人の人間でも理系とか文系とかがあるけれど、人間というのはいろいろな人がいるし持って生まれたものが人それぞれ違うんですね。
だから、親や先生というのは、その子の特徴をよく見て長所を伸ばしてあげる必要があるのです。

学習塾の経験から私はそんなことを学びました。

私がローカル鉄道に身を転じて一生懸命やっているのもその経験があるからだと思います。
ローカル鉄道というのは営業成績という点では決して優等生ではありません。
株式会社という仕組みの中では赤字は悪だという考え方が一般的ですから、ローカル鉄道は生徒で言ったら勉強ができない莫迦な子です。

でも、ローカル鉄道には美しい景色やのんびりとした田舎の町、人々の人情や安らぎなどなど、優等生の株式会社にはない良さがあるのも事実で、そういう良いところを伸ばしていくことで、勉強では(利益では)勝負できなくても、立派に成り立つはずだというのが私の考え方です。

生徒だって5科目ができなくたって、走るのが速い子もいれば歌が上手な子も絵が上手な子も手先が器用な子もいますから、5科目ができなければその子はだめな子だということはありません。

ローカル鉄道だって営業成績は悪いけど、地域貢献度や地域密着度、顧客満足度、従業員定着度、あるいは文化的価値や地域の広告塔や集客のツールになることで交通インフラとして存在していくことができる。
私はそう考えています。

赤字がダメと言うことならば日本の田舎は全部赤字ですから田舎そのものが要らないということになってしまいますからね。

ということで、受験生の皆様。
世の中いろいろありますから、自分の長所を伸ばすことが第一だと思います。
そう考えると、受験はうまく行ってもうまく行かなかったとしても大丈夫なんです。
とにかく限られた時間を一生懸命やることですね。

私のように残り時間が少なくなってくると、とにかく一生懸命やるしかありませんが、皆さん方も一生懸命いろいろなことに打ち込んでみてください。

人生はおもしろいものですから。

一緒に頑張りましょう。


▲去年の大雪です。
こんなにならなくてよかったと思っています。