飛行機は悪、鉄道は善の時代

ヨーロッパでは飛行機は地球温暖化を加速させるから悪者。それに対して鉄道は環境にやさしいからOK。
こういう流れがあるようですね。

もちろんこれは地球温暖化は二酸化炭素の排出が原因にあるということで、飛行機は二酸化炭素排出の諸悪の根源とみられていることに起因するものですが、日本はそこまで二酸化炭素に関してアレルギー症状が出ていませんね。

ANA Honu チャーターフライト

その証拠にこんなツアーが人気です。
成田空港から飛び立って、ぐるっと回って成田空港に戻って来る3時間ほどのフライト。
機内食が出て、旅行気分が味わえて、「ああ、楽しかった」というどこにも行かないフライト。

考え方としてはトキめき鉄道の夜行列車と全く同じ。
どこにも行かない夜行列車と同じ、どこにも行かないフライトです。

そもそも私が夜行列車を始めたのは、思い起こせば2014年2月15日。
年が明ければもう7年近く前になります。

その時のブログがこれです。

夜行列車を運転しました。

あれから夜行列車を10回ぐらいやったでしょうかね。
このどこにも行かない夜行列車は各所に飛び火しまして、秩父鉄道や三陸鉄道でも企画されましたし、昨年私は津軽鉄道でも企画して満席で運転させていただきましたが、ついに全日空にも飛び火した・・・ということでしょうか。

でも、こういう用もないのに空を飛ぶ遊覧飛行的な企画は、実は日本ならではかもしれません。
なぜなら、外国ではコンセンサスを得ることができないところもあって、ヨーロッパではありませんが、コロナでお客さんがいないからとシンガポール航空で遊覧飛行やろうとしたら、「地球温暖化を加速させる」とか何とか、環境団体からの抗議でできなかったんです。

仕方がないので、シンガポール航空では一応飛行機の中に入ってもらって、空港内で駐機中の飛ばない飛行機の中で機内食を楽しむというコースに変更して実施しましたから。

でも、これも大人気だったようですが。

シンガポール航空、駐機中のA380機内でレストラン開設 自宅で機内食を楽しめる体験も

機内食をはじめとする機内サービスがこれほどまで人気なのは、航空関係者的には不思議な気持ちがすると思いますが、一般人から見れば国際線の機内サービスは憧れなんでしょうね。

その点においては、日本もシンガポールも一緒です。

でも、そんなに二酸化炭素の排出に対してアレルギーがあるヨーロッパでも、保存鉄道の蒸気機関車が煙を吐いて走ることに対して、「やめろ!」という動きは聞いたことがありませんから、やっぱり鉄道は「善」なのかもしれません。

話は変わりますが、コロナでJRも航空会社も大きなダメージを受けていますが、そういう弱った者同士が競争をしても仕方がないと私は思います。

何でもかんでも競争原理を適用することが正義だと思っている人たちがこの国にはたくさんいるようですが、今回のコロナのダメージのように、鉄道と飛行機というダメージを受けて体力をなくしてしまった者同士が競争することは、いかがなものでしょうか。

多分、あくまでも多分ですが、数千億円という赤字を計上しても、JRは決算書上には載らないけれど、会社のどこかにたっぷりとお金をしまい込んであると思います。
これに対して、航空会社は同じ赤字金額でも「無いものは無い」はずですから、私はJRの方が優位にあると見ています。

だとしたら、この際だからJR東日本は全日空を買いとっちゃったらどうでしょうか。
そう、JRが飛行機会社をやるのです。
そうすれば無駄な競争をすることが無くなります。

JR東日本なら羽田空港も成田空港も自社営業エリア内ですから、そこから飛行機をリンクさせて、国内線を全部やっちゃえば良いのです。

だいたい、グランクラスなんでいう飛行機のファーストクラスもどきのものをやるってことは、航空会社にあこがれを持っている証拠なんですから、だったら自分でやればよい。
やり方なら、私がお教えいたしましょう。

こんなことを言うと国は、寡占だとか独占だとかという話をするでしょうけど、そんなしゃくし定規なことを言ってる暇はないと思います。
国も思い切ってそのぐらいのことを考えないと、このコロナで受けたダメージはどうにもならんし、ある意味時間が勝負ですから、さっさとやらないと・・・と私は思います。
二酸化炭素排出云々などと言っている場合ではないのであります。

トキ鉄はどうかって?
そりゃ、大変ですよ。
でもJRのように何千億円なんて規模ではありません。
まぁ、とりあえず10億もあれば元気になりますよ。

ということで皆様、とりあえず10億、どこかに落ちてませんでしょうか?

何しろ鉄道は「善」なのですから。

考え方の立ち位置を変えないと、どうにもならん事態が目の前に来ていると私は見ております。