夜行列車を運転しました。

昨日15日の深夜から今朝にかけて、キハ52・キハ28を使用した夜行列車を運転しました。
いすみ鉄道で夜行列車? と思われるかもしれませんが、この夜行列車は、キハのDMH17エンジンの音を子守唄に、温水暖房の車内で一晩過ごしていただこうという企画で、大原―上総中野間を何往復かしているうちに朝を迎えるというコースです。
こういう商品は一般のお客様に販売しても、「だから何なの?」 「で、どうなるの?」ということになりますので、今回はいすみ鉄道の昭和のディーゼルカーの車両オーナー様、サポーター様にのみご案内をお出しして、女性2名を含めた34名様にお申込みいただき実施いたしました。
今、「あけぼの」がなくなるということで、世間は盛り上がっているようですが、昭和の頃の夜行列車は「あけぼの」のような寝台専用列車のブルートレインは高嶺の花で、庶民はボックスシートの狭い座席に座って夜通し汽車に揺られて目的地へ行くのが当たり前でしたし、席に座れれば良い方で、新聞紙を敷いて通路に座っていくなんてことが当たり前でした。
そういう、今から思えば大変苦痛な夜行列車ですが、私も含めて、皆さん旅に出るワクワク感で、その苦痛さえも楽しい思い出になっているはずだということで、今回は、そのワクワク感を思い出していただこうという趣向です。
ご賛同いただきました会員の皆様、天候の悪い中、ありがとうございました。
そして、一晩中勤務してくれましたいすみ鉄道スタッフの皆さん、お疲れさまでした。
またやりましょうね。

[:up:]夜9時半過ぎ。終列車が終わったいすみ鉄道の大原駅に何やら人だかりが。
これから夜通し列車に揺られるツアーのお客様がひしめいています。
向こうからキハがやってきたところで、皆さんワクワク感いっぱいです。

[:up:]22時ちょうどに大原を発車。車内では応援団の皆様がお客様のために深夜の車内販売を実施。特別おつまみセットなどが飛ぶように売れて行きました。
ところで、お客様の数が少ないと思いませんか?
これは、1ボックスを1人で占有する「ワンボックス1人プラン」のお客様だからです。
これなら堂々と足を延ばして眠れますからね。
この他、ロングシート1席プラン、ワンボックス2人プランなどの商品を取り揃えてみましたが、一番高額なワンボックス1人プランから完売となりました。

[:up:]15分ほど走って国吉に到着。ここで約30分間停車して、皆様撮影タイムです。
バルブ撮影用に雰囲気を出すため、キハ30に明かりをともし、ダミーの腕木信号機も点灯しました。


[:up:]大多喜に到着するとここでも撮影タイムで長時間停車。
その停車時間に掛須団長以下応援団の皆様方が夜泣きそば屋を開店。
昨日の晩から団長が煮込んだチャーシューと煮卵が入った特製ラーメンが飛ぶように売れて行きました。
深夜の大多喜駅がラーメン屋さんになりました。


[:up:] 一夜明けて本日はキハ52が一般色で走る塗り替え前の最後の日。
沿線には朝早くからたくさんのファンの皆様方が詰めかけました。
9:20に大原を出る急行1号の座席指定も24席に増やして発売しましたが、即完売。
指定席にご乗車いただけなかった皆様、申し訳ございませんでした。
キハ52には特製のヘッドマークを取り付けて運転。
いつもはガラガラの最終列車の急行5号までたくさんのお客様にご乗車いただきました。

[:up:] そんな風に撮り鉄さんたちがフィーバーしているとき、列車の中ではイタリアンランチクルーズを実施しました。
こちらも20名様満席のお客様が、地元食材をふんだんに使った池田シェフのイタリアンをお楽しみいただきました。
それにしても、いすみ鉄道は、イタリアンランチクルーズを始め、昨日の夜行列車もそうですし、沿線にいらっしゃる皆様方も、若い皆さんがとても多いです。
そういう若い皆さんにローカル線を体験していただくことで、ローカル線というものが、次の世代に確実に語り伝えられていく。
いすみ鉄道にはそういう役割があるんだと思うことが、私たちスタッフの原動力になっているんですね。
本日もたくさんの笑顔を見ることができ、ありがとうございました。
睡眠不足ですが、心地よく眠れそうです。
そして、キハ52は明日から塗り替え作業に入ります。